戦略労務第331号(2020/12)
イントロダクション
新型コロナ感染者数が激増しています。検査数が伸びていることだけが理由ではなく気のゆるみも大きいのではないでしょうか。年末年始にかけて忘年会、新年会の中止やリモートでの開催が増えているようです。例年どおりに年末年始の移動が行われればますます感染者数が増加することは間違いありません。
日夜激務に追われている医療従事者の方たちのためにも、もちろん家族や自分自身のためにも今まで以上の努力が求められています。「戦略労務」第331号をお届けします。
★雇調金の特例延長 厚労省発表、来年2月末まで
厚生労働省は11月27日、12月末に期限を迎える雇用調整助成金の特例措置を来年2月末まで延長すると発表した。
雇用調整助成金は、企業が経済上の理由で従業員を一時休業させた場合、休業手当の一部を助成するもので、特例措置では1人1日の上限額を1万5千円、助成率を最大10分の10に引き上げている。
★労災保険 「芸能」「アニメ制作」従事者など特別加入認める
仕事でけがをしたり病気になったりした時に治療の費用などが給付される労災保険について、厚生労働省はフリーランスとして働く人のうち、芸能従事者やアニメ制作に関わる人など、3つの業種について特別加入を認めることを決めました。
この制度では現在、建設業の一人親方などについて、働く人がみずから保険料を負担することで特別加入が認められています。
厚生労働省は来年度にも3つの業種について、特別加入を認めることにしていて、今後も実態などを踏まえて対象の拡大を検討するとしています。
3つの業種としては、仕事中にけがなどをするケースが多く報告され業界団体があり、労災保険の事務処理にも対応できる体制があるなどとして、テレビや映画、舞台などに関わる「芸能従事者」、「アニメーション制作従事者」、「柔道整復師」が予定されています。
★70歳までの就業確保が来年4月から努力義務へ(再掲)
現行の高年齢者雇用安定法では、原則65歳までの雇用確保を企業に義務づけています。この高年齢者雇用安定法が改正され、来年(2021年)4月1日より新たに70歳までの就業確保が努力義務となります。
今回の改正はすぐに70歳までの就業確保措置の導入が求められるわけではありませんが、知識・技能を持った高年齢者の活用等の側面から、より長く安定して働ける仕組みづくりは企業が取り組むべき重要なテーマなのかもしれません。