戦略労務第330号(2020/11)
イントロダクション
急激に朝晩の冷え込みが強くなってきました。ここにきて空気が乾燥し新型コロナ感染者数が増えてきています。検査数が伸びていることもありますが、まだ飲酒を伴う会合は自粛していただきたいですね。
ブレーキを緩めながら軽くアクセルを踏み加減にしていくことが求められています。ただ、感染者数は増加していますが退院退所者も多く、重症化する傾向は低いようです。「戦略労務」第330号をお届けします。
★70歳までの就業確保が来年4月から努力義務へ
現行の高年齢者雇用安定法では、原則65歳までの雇用確保を企業に義務づけています。この高年齢者雇用安定法が改正され、来年(2021年)4月1日より新たに70歳までの就業確保が努力義務となります。
今回の改正ポイントは、定年を65歳まで引き上げるものではなく、70歳までの就業確保が努力義務にとどまっていることです。このうち、70歳までの就業確保については、対象となる事業主や対象となる措置を以下のように示しています。
■対象となる事業主
・定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主
・65歳までの継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除く。)を導入している事業主
■対象となる措置
①~⑤のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるよう努める必要がある
①70歳までの定年引き上げ
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
※特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
このうち、④および⑤については、過半数労働組合等の同意を得た上で、措置を導入する必要があります。
今回の改正はすぐに70歳までの就業確保措置の導入が求められるわけではありませんが、知識・技能を持った高年齢者の活用等の側面からは、より長く安定して働ける仕組みづくりは企業が取り組むべき重要なテーマなのかもしれません。
私共が子供の頃は70歳といえば祖父母の年齢であり、年寄という呼び方が当たり前でしたが、現在は生涯現役の風潮があります。それが良いか悪いかは別として健康に過ごすことが一番と感じます。