戦略労務第325号(2020/06)

イントロダクション

 関東地方の梅雨入りはもうすぐですね。今のところ梅雨らしい天候ではなく猛暑となっていますが、暦の上での梅雨入りはうるう年の今年は今月10日です。暑いのも蒸れるのもマスクの身には応えます。新型コロナウイルス禍は終息に近づいていると思いたいですが楽観視はできません。通学する子供たちを見かけてほっとしているところです。「戦略労務」第325号をお届けします。

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★そもそも休業手当について

 労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」と規定しています。

 これは、労働者が最低限の生活を行えるように保障をすることが狙いとされています。通常、使用者と労働者は、労働時間や成果によって報酬を支払うという「労働契約」を締結し、労働者はこれによって働いていますから、労働をしていなければ給与を支払わなくても良いわけですが、これは労働者の都合によって働かない場合です。

 使用者側の事情によって労働者を休業させた場合には当てはまらず、一定の金額を保障しなければなりません。休業手当は使用者側の理由で労働者を休業させた場合に支払う義務がありますが、具体的にはどのようなケースがあるのでしょうか。

 例えば、経営不振や業績悪化のケースが挙げられます。会社によっては、販売が落ち込んでしまい、雇用している従業員が余剰人員となってしまうケースもあるでしょう。このような事情で従業員に休業をさせた場合は、会社側に責任があると考えられるため、休業手当を支給する義務を負う可能性があります。

 休業手当の金額も労働基準法第26条において定められています。1日あたり休業手当の計算方法は、平均賃金の60%以上で計算し、休業期間の日数に応じて支払うという規定です。ここで示されている「平均賃金」は、労働基準法第12条に計算方法が規定されており、基本的には「算定すべき事由が発生した日以前」の3カ月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数によって1日あたりに割り戻して算出します。

 なお、パートや派遣社員でも労働基準法の適用対象ですから計算方法は同じです。ただし、非正規の雇用形態は日給制、時給制、請負制の者も多く、正社員と比べて労働日数が少ないという場合があるため、平均賃金を計算する際に、賃金総額を暦日数で割るところを実労働日数で割って計算を行い、その金額の60%を原則の平均賃金額と比較し、どちらか大きい方の金額を最低保障額とします。

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