戦略労務第318号(2019/11)

イントロダクション

 気持ちの良い季節になりました。最低気温が10度を下回る時期になって、そろそろ霜が降りる頃でもあります。今年はおかげさまでサツマイモなどにイノシシの被害がありませんでした。関東一の豚肉の生産地である群馬県には60万頭を超える豚がいます。豚コレラワクチンの接種が進んでいるようですが、早期終息を願いたいと思います。「戦略労務」第318号をお届けします。

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★事業承継に関して・・・「中小企業白書2019」より抜粋引用(一部編集)

 中小企業経営者の高齢化が進む中で、休廃業・解散件数は増加傾向にあり、中小企業・小規模事業者の数は年々減少している。そのような状況で、我が国の経済が持続的に成長するためには、企業がこれまで培ってきた、未来に残すべき価値を見極め、事業や経営資源を次世代に引き継ぐことが重要である。

〇廃業とそれに伴う経営資源の引継ぎ
 廃業した企業からの経営資源の引継ぎの実態

 廃業企業から他社に経営資源を引き継ぐ取組は、経営資源を譲り渡す側、譲り受ける側双方に利点がある。「廃業した経営者」への調査を基に、経営資源の引継ぎの実態を明らかにし、引継ぎを円滑化するための方策を検討する。

①事業を継続しなかった理由

 事業を継続しなかった理由としては、「もともと自分の代で畳むつもりだった」が最も多い。廃業した経営者の半数以上は事業を次世代へ引き継ぐ意思がなかったことが分かる。次いで、「事業の将来性が見通せなかった」、「資質がある後継者候補がいなかった」、「事業に引継ぐ価値があると思えなかった」、「事業の足下の収益力が低かった」とする回答が多い。これらを選択した企業の中には、早期の経営改善の取組や後継者探し・育成の取組、又はより幅広いM&A の可能性の模索をしていれば、事業を引き継ぐ選択肢があった可能性もある。

②廃業に向けた取組の中で苦労したこと

 約4割は「特になし」だが、6割以上は何らかの取組で苦労している。「顧客や販売先への説明」、「従業員の処遇」、「資産売却先の確保」に苦労したとする回答が多い。これら「顧客・販売先」、「従業員」、「資産」などは、廃業時にも個別に他社へ引き継ぐことができる経営資源である。

③経営資源の引継ぎ先

 従業員の引継ぎ先は同業種がほとんどであり、販売先・顧客についてもほぼ同様である。設備については過半数が同業者への譲渡であり、中古設備業者への売却は多くないようだ。不動産については半数近くが売却しているが、過半数の企業で理由は様々だが売却には至っていない。

以上、今回は廃業に伴う経営資源の引継ぎについて見てきました。

 次回では中小企業白書から離れまして、事業承継を行う際の人事制度の重要性について考えてみたいと思います。

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