戦略労務第309号(2019/2)

イントロダクション

 立春を過ぎて日差しが幾分強くなり日も長くなりました。毎月勤労統計調査で不正が発覚し、政府は国会対応で苦労しているようです。厚生労働省は不正が起きやすいのでしょうか。社会保障費の上昇に連動して不正も増加しているようです。そのうちに厚労省民営化なんてことにならないかと心配です。「戦略労務」第309号をお届けします。

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★年5日の年次有給休暇の確実な取得に関して

 年次有給休暇は、働く方の心身のリフレッシュを図ることを目的とし、原則として労働者が請求する時季に与えることとされていますが、同僚への気兼ねや請求することへのためらい等の理由から取得率が低調な現状にあり、年次有給休暇の取得促進が課題となっています。

 このため、今般労働基準法が改正され、2019年4月から、全ての企業において年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。
 ①年次有給休暇が10日以上付与される労働者が対象です
  ● 法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の労働者に限ります。
  ● 対象労働者には管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。

 ②使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。

 ③使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取しなければなりません。また、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません。

 ④既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。
 つまり、「使用者による時季指定」、「労働者自らの請求・取得」、「計画年休」のいずれかの方法で労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させれば足り、これらいずれかの方法で取得させた年次有給休暇の合計が5日に達した時点で、使用者からの時季指定をする必要はなく、また、することもできないということです。

 ⑤使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません
 時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、当該年休を与えた期間中及び当該期間の満了後3年間保存しなければなりません。(年次有給休暇管理簿は労働者名簿または賃金台帳とあわせて調製することができます。また、必要なときにいつでも出力できる仕組みとした上で、システム上で管理することも差し支えありません。)

 ⑥休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)であるため、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません。

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