戦略労務第297号(2018/2)

イントロダクション

 先月、草津の本白根山が水蒸気噴火し、大きな噴石により死者が出ました。観光客の多い白根山と違って本白根は静かな山で、夏になればコマクサなどの高山植物がたくさん咲き乱れます。三千年ぶりの活動ということですが、これで機嫌を直して再び永い眠りについてもらえればと思います。「戦略労務」第297号をお届けします。

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★有期契約労働者の無期転換制度について

 無期転換ルールとは、労働契約法の改正により有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。契約期間が1年の場合、5回目の更新後の1年間に、また契約期間が3年の場合、1回目の更新後の3年間に無期転換の申込権が発生します。
 例えば、2013年4月1日からの有期雇用契約が継続されていた人の場合、2018年4月1日~2019年3月31日までの間に無期転換希望を申し出ることで、2019年4月1日から無期労働契約がスタートすることになります。
 無期転換ルール適用を避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません。また、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、雇止めをすることは許されない場合がありますので、慎重な対応が必要です。

★無期労働契約=正社員ではありません

 勘違いされる方がいますが、無期転換ルールでは有期契約が期間の定めのない契約になるだけでそれ以外の労働条件は通常変わりません。したがって正社員にしなければいけないというわけではありません。もちろん、正社員にすることや、正社員待遇にすることは望ましいことですが法律ではそこまで求めていません。
 それでも、有期契約労働者にとっては契約期間の更新を心配することなく、安心して職務に打ち込むことができるようになります。ただし、有期雇用契約では雇用期間の終了までの雇用は保証されますが、無期雇用では期間の定めが無いため、正当な理由があれば解雇されることがあり得ます。
 有期契約労働者は派遣労働者のように雇用の調整弁としての役割を担っている場合が多いわけですが、「同一労働同一賃金」が制度として運用されるようになれば、今後徐々に浸透していきます。そうすると合理的に説明できない待遇の違いはより排除されることになります。やはり経営者は、いつでも社員を切れるといった考えを持つべきではありませんね。

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