「受験生の必勝お守り」を買いに行く

湯ノ山山頂にある「日本カモシカセンター」が作っているカモシカの合格お守りが、受験生の間でブームになっているらしい。

「カモシカはどんな険しいガケっぷちでも、決して落ちない!」という事から、受験生には必携なのである。

たまたま車でラジオを聞いていたらその話が出て、実は私の息子が高三でちょうど受験なので、親ばかですが、これは何とか手に入れようと思ったわけです。しかもそこは私の住んでいる四日市の近くの湯ノ山だ。行くしかない!。

 湯ノ山の御在所岳は、我が家の近くからでも良く見える。
 山頂には雪があるが、麓は全く雪なしの良い天気だ。
これなら楽に行けそうだ。

 とりあえず「日本カモシカセンター」に電話してみた。「そのお守りはそこでしか買えませんか?ふもとでは売っていませんか?いくらですか?」「はい、ココでしか売っていません。ロープーウェイに乗って山頂で降りていただいて、雪の中を15分ほど歩いて来てください。1つ500円です。」 
 500円なら安いな・・・と思いいざ湯ノ山に車で出かけた。道には雪もなくスイスイと楽勝の感じでした。
ロープーウェイの乗り場まで来て気が付いた。駐車場が有料しか無い。乗り場まで上がってしまうと目の前の有料駐車場に入るしかないのである。狭い1本道をくねくねと登ると後ろから車が来るのでバックできないので、そのまま駐車場に入った。「1000円です」「すぐ戻るのですが・・」「1回1000円です。1日でも1時間でも1000円なんですよ」「・・・・」
ここから引き返して、車の停めれそうな空き地を捜して、またふもとから急な坂道をてくてくと歩いて登る気にもなれないので、しかたなく1000円払って駐車する事にした。
 そにてロープーウェイの窓口に行った。なんと乗車券2600円・・・思った以上に高い。合計するとお守りを買うと4100円かかる。しかし息子のためだしかたない。国立でも入ってくれれば安いものだ。

 ロープーウェイは山頂に向かって緑や茶色の木々の上を順調に登り始めた。
 しかし途中から周りの景色は雪景色に一変する。
 しかもその雪の急な斜面を登山家たちが登っているのだ(白い雪の斜面にある黒い点が人間です)。
 いざ、山頂に着いたら、回り一面が樹氷の極寒の世界。冬山を甘く見ていた!後悔先に立たず。私の服装は車を運転していたスニーカーに普通のズボンにセーターに軽いジャンパーという町中の軽装だったのだ。周りを見ると冬山登山の人やスキーの服装をした人しかいない。
 しかしここまで来て引き返すわけにはいかない。しかたなしに日本カモシカセンターまで歩き出した。手袋もしていない手でバッグを持ち、耳たぶが寒さで痛い。夏なら5分もかからないかもしれないが、15分以上歩いた。
そしてようやく雪に埋もれた
日本カモシカセンターに到着した。
これがその合格のお守りです。カモシカの絵馬と、実際のカモシカの足型を押したお札です。
 ようやく買ったぞ、これで少しはごりやくがあることを祈りつつ、山頂をあとにしたのでした。
ちなみに後で分かったのだが、日本カモシカセンターに電話で申し込めば730円で郵送してくれるとの事。
TEL:0593-92-2028
FAX:0593-92-2033

後日(4月に)、三谷直人君からメールがあり、カモシカのお札は山麓のゴンドラ乗り場でも発売しているので、その旨を駐車場の係員に言っていただければ料金はいらないそうです。

おかげさまで、息子は無事、関西の医大、愛知県の医大、関東の医大の3医大に合格しました。うれしくてうれしくてこれからの6年間の学費や授業料やアパート代などの仕送り費用を思うと、涙が出てきそうです。
(実を言うと、息子が医大を受けたいと言うので、我が家業は医者とは関係ないのですが、望みは大きいほうがよい、そのつもりで勉強すればそこそこの良い大学に入れるだろうと思い、軽く賛成したのですが、本当に受かるとは思わなかったんです。我が家業は誰が継ぐんや?・・・お父さんは息子達のために家業をがんばって大きくしてきたのに・・・・・めちゃ複雑な心境です)

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