ノートパソコンの液晶の
インバーターを交換する
数年使っていたノーパソが突然映らなくなった。しかしよく見るとうっすらと画面が映っている。ためしに外部のモニターに接続してみるとそのモニターには普通に映った。以前にバックライトは交換したし、どうも液晶を光らせるバックライトの電源であるインバーター故障のようだ。
さっそくノーパソのカバーを開けてみた。
開け方は(バックライトの交換)のページを見てください。(以前にカバーを開けたのに、その順序を忘れたのでまた時間をとってしまった。それで今回はツメのある場所にマジックペンでうっすらと印を付ける事にした。これは今後の修理にかなり有効だと思います。)
バックライトへの電気の出力をテスターで測ってみると、電圧が0Vで出力されていません。
(間違って、直接手を触れると、ピリピリと感電しますので気をつけてください。ただし元はバッテリーの12Vから取っているくらいなのでので、電圧は高くしてありますが、電流は弱いので、感電しても冬の静電気と同様、命には別状無いと思います)
一番簡単なのが、オークションやパソコンショップで同じ型のパソコンの「BIOSが表示される等液晶が使用可能」の状態のジャンク品を探して、そこからインバーターを取り換える方法です。しかし意外と同じ型のパソコンが見つからないことも多く、その時は下記の方法で修理します。
まずは、インバーターについているヒューズが何かの過電流で切れた場合、ヒューズを交換すれば何割かの確率で直ることがあります。
インバーターの基盤の中にヒューズを探します。「F」という表示がある2ミリほどの四角いチップがそうです。
真ん中の黄色いチップがそうです。よく見ると2A(アンペア)と書いてあります。
テスターで調べてみるとやはり切れていて、導通がありません。
できれば同じような小さなチップヒューズを買えばよいのですが、専門の店しか売っていません。
それで簡単に手に入る2Aのガラスヒューズを50円で買って付けてみました。
うまくいけばこれだけで直ります。
さっそく取り付けて電源を入れてみると、なんとインバター基盤がメラメラと火を出して燃えてしまいました。
匠の手によって世界に二つとない、みごとな焼きの入ったインバーター基盤ができあがりました・・・・
アホカ!
それでいよいよ、別のインバーターを探して直すことにしました。
その@(インバーター 285-332使用)
インターネットのYahoo(ヤフー)オークションで検索すると、ECダイレクト社から「即決 ☆ インバーター 285-332 1灯 1500円」ほどで売られていましたのでさっそく購入しました。
バックライトの差込ピンに合うように、銅線(抵抗やコンデンサーなどの切れ端)をZ字状に曲げて差込をハンダ付けします。短い方が基板で長い方が差し込みになります。
このインバーターは12Vで動くので、テスターで測りながら+12V電源を探します。そこから電源を取ります。-(マイナス)はアースから取ります。12V以上の電圧で作動させると、明るくなりますが、熱をもってきて故障しますので、14Vぐらいまでに収まるように電源を探してください。
今回はCPUファンの下の電源ユニットから12Vを探しました。または機種によってはインバイータの配線から取ることもできます。
+-を間違えないようにインバーターにハンダ付けします。
壊れたインバーターの場所に新しいインバーターを取り付けます。
ボディーとの間に、弁当などのフードバックの薄いプラスチックをハサミで切りコの字状に曲げてカバーを作り両面テープで固定しシャーシとの絶縁をさせます。
インバーターの部品の足が基板から出ているので、ハンダゴテで余分な出っ張りを減らします。
そうしないと、カバーの厚みに収まりません。
小さなサイズのノーパソでは、隙間が狭いので中に収めるのは難しいかもしれません。その場合はボディーの外付けにします。
コードを接続します。電源を入れると液晶が映りました。
カバーをセットして無事終了です。
ちょっとカバーがうきぎみでしたが、ちょうど前のインバーター固定用のネジ穴があったので、ホームセンターで直径2.6mm長さ1cmのネジを買ってきて、ネジ穴の位置を測ってカバーの上から取り付けたらうまく収まりました。
そのA(TDKインバーター使用)
今度はYahoo(ヤフー)オークション「♪お探しのインバーターが見つからない時はこれで修理できます」という見出しでTDKのインバーター(12V)が1000円弱で手に入ったので、それを使って修理してみました。ちなみに名古屋の大須の電気街パーツ店で同じものが870円で売られていました。たぶん大都市のパーツ店なら手に入ると思いますが、交通費を考えればオークションも有りですね。
今回のインバーターは上記「その@」のインバーターより少し大き目なので、液晶画面ケースの中には納まりません。
それでノーパソ本体に空きスペースを探して、そこに取り付けます。
ノーパソのキーボードをはずして中を見ると、CPUクラーのとなりが空いています。今回そこにTDKのインバーターを取り付けます。
TDKインバーターが少し大きいので、ニッパでインバーターの片側を削って小さくしてサイズを合わせます。
透明のフードパックを切ってインバーターが本体金属部(シャーシ)に接触しないようにカバーを作ります。
インバーターに付いてきた配線説明書を見ながら、プラスマイナスの電源と、液晶への出力配線を接続します。
特に、液晶への出力配線は高圧なので、シャーシに近づくと勝手に放電して、出力が落ちて画面が暗くなります。
それで、少し太めのビニール皮膜の配線を使います。しかし出力側でも、もう一方のアース線は細くてもかまいません。
電源を入れると無事液晶が映りました。成功です。
ちなみに、「その@」のように、液晶側にスペースが無い場合、または本体側に小さなスペースしか無くTDKインバーターが入らない場合、
やはり「その@」のインバーターを使ってください。
追伸
これとは別のノートパソコンのインバータを修理した時、やはりヒューズが飛んでいたので、近くの電気パーツ店で相談したら、ブレーカーチップ(正式名不明)を勧められました。
これは規定以上の電流が流れた時、チップが通電を切り再度電源を入れ直すと元に戻るブレーカーの役目をするものです。100円だったので2A用のものを使ってみました。1cmほどの小型なので便利です。
切れたヒューズを取って、右のチップを付けました。