液晶ディスプレーを修理する

会社で使っていたNECの15インチ液晶ディスプレー2台が、たて続けに故障した。



 それで、いろいろと修理する方法を探してみた。

たまたま、ノートパソコンの液晶を何度か修理していたので、それほど難しいとは思わなかった。それで修理をしてみることにした。

 まず、故障の原因別に修理する方法を説明します。

{1}電源が入らない
   @電源部のヒューズが切れた場合
ヒュースが切れた場合なら、交換すれば直ります。もちろん内部回路がショートしていないかテスターで調べます。たいがいは一時的な負荷電流のため切れる場合が多いので、怪しくなかったらヒューズを付け替えれば直ります。付け替えても再度ヒューズが切れるなら回路に問題があるので、テスターで電解コンデンサーやダイオードがショートしていないかテスターで調べて、部品交換してください。
 ヒューズの交換ですが、たいがい小型のチップヒューズが使われていますが、簡単には手に入らないので、5アンペアの小型ガラス管ヒューズで代用します。

 
後ろの足台をはずします。


足台の中には12V電源(ACアダプター)が」収められていました。これでコンセントを抜かないかぎり、常時12Vを供給しているわけです。

 
表カバーをはずします。そして裏カバーもはずします。


中には、左に液晶を光らすインバータ部と中央に電源と映像部、下にスイッチ部があります。

 
電源部のこの5Aのフューズが飛んでいましたので、5アンペアの小型ガラス管ヒューズで代用しました。ヒューズの両側を電線でハンダ付けします。

     A電源部や映像部が壊れた場合
電源部であれば、テスターで電解コンデンサーやダイオードがショートしていないかテスターで調べて、部品交換してください。もし映像部本体が故障していれば、今の私には修理は出来ませんので、次回に回します。


{2}電源は入るが画面の映りが暗い
   @蛍光管(バックライト)が劣化している場合

インバーターのある本体左側の上下に、蛍光管ホルダーが刺さっています。それをホルダーごと引き抜きます。

 


上下2本づつ蛍光管があるので、両脇のゴム止めを蛍光管から抜いて、ハンダゴテで電線をはずします。
 yahooオ-クションなどで1本300円ほどで売られていますので、はずした蛍光管と同じ長さの蛍光管を4本買ってください。
 新品と交換すれば、見違えれ程きれいに映ります。

{3}電源は入るが画面が映らない
   @インバーター部のヒューズが切れた場合
やはり小型のチップヒューズが使われていますので、代替品の3アンペアの遮断チップ(100円)で代用します。


インバーターの中央のオレンジ色の平たい部品が、遮断チップです。

   Aインバーターの部品が壊れた場合

その1、インバーターそのものを交換する

@他社のインバーター基板にそのまま交換する。

配線は主に+12V、+6v、アースG0V、ON/OFFの信号線の4本からなっており、コネクターの配線が10本ぐらいあっても、+12V、+6V、アース線Gが重複しているだけですので、プリント基板を良く調べれば、たいがい使えます。今回シャープインバーター基板を使いましたが、綺麗に映りました、しかしサイズが大きいため、ディスプレーの蓋カバーができすにあきらめました。



A小型インバーターを取り付ける。

TDKの小型インバーター(800円くらい)を4個接続する。
インバーターのあったスペースに収まるように、プラスチックの下敷きを作り、そこに両面テープでインバーターを4個固定します。電源は12Vのみですので、本体の電源部から12Vを取り出します。
 
2400円から3600円ほどかかってしまうのがちょっと難点。また、電源を入れるとON/OFFスイッチに関係なく、蛍光管(バックライト)が点灯するのも難点かな。


その2、インバーター回路を修理する

修理する部品としては、ダイオードとFETなどです。

 今回は、テスターでいろいろなところの電圧を測っていると、FET周りの部品にテスター棒がさわると蛍光管が光ることに気が付きました。
 今回の場合は蛍光管を光らす高圧電流を発生させるためのスイッチとなるFET周りが故障しているようです。本体のスイッチを入れてもFETにその信号が伝わらないためFETが働かず、高圧電流を生じないため画面が光らないのです。
 FETを交換すれば直るのでしょうが、品番などがよく分からないので別の方法を試しました。
 それで本体の電源を入れると、電流信号が流れるように、電解コンデンサーを取り付けてみました。手元にあった470μFの電解コンデンサーを使いました。2000μFでも可能でしたので適当で良いようです。

 
 電源を差し込むと、本体のスイッチを入れなくても液晶が光っています。このままパソコンに繋ぐと、画面に映像が表示されました。

 ですから、スイッチ付きのテーブルタップコンセントを使って、直接液晶ディスプレーの電源をON、OFFにしました。


 それが出来ない場合、本体にスイッチを付けて、そこで電源をON、OFFにしました。
  

まず先日ホームセンターで買った980円の電気ドライバー(ドリル)セットでディスプレー本体の空きスペースの穴を開け、ニッパやカッターナイフで余分な部分を切り取って、ヤスリで穴を綺麗にしてスイッチを取り付けます。
 ヒューズ周りから電線コードをひっぱりスイッチに繋ぎました。これで完成です。