丈比べ






人は人? 自分は自分?
うるさい
やめてよ
比べてくれなきゃ努力する意味がなくなる

初めて与えられた世界には
私とよく似た構成成分の先住者が1人
さぁ戦いましょう
二番煎じじゃ勝てない
正反対にならなくちゃ
「……よりもいい子ね」

同じ向きに歩いて
いつも違うことをした
……がやり逃したこと
やらなきゃいけないのにやらなかったこと
やって欲しがってるのにやってあげなかったこと
勝利条件が転がってる道
ねぇ私を見て ……よりもいい子でしょ
 

……とは違う ……とは違う ……とは違う
言い訳がましい

……とは違う ……とは違う ……とは違う
「違う」だなんて比べてる

ねぇ比べて
絶対値で見ないで
怖いよ

少しずつ分かれた道
それでも
私の道は……よりも偉いでしょ
……は好きな道を行くの
私は考えて道を行くの

書くために書くタイプ
見せるために書くタイプ
自己完結には勝てない

聞いて 聴いて キイテ?
 

「会いたかったから告白したの
口実が欲しかったのよ」
私よりも経験してた?
私よりも苦労してた?
私には及ばない「考え」

知らなかったの

正反対じゃなかった
ただ劣ってただけ
だから違ったの
 

……とは違う ……とは違う ……とは違う
嫌いなうちは良かったのに

……とは違う ……とは違う ……とは違う
私は私のことしか知らないのに

「あなたが羨ましいわ」

卑怯者
いつでも絶対値で生きてるくせに

天賦の才だから羨ましかった
纏う天然を妬めたのに
その裏にある膨大な思考
あまりに恥ずかしかった

妬みから生まれた誇りが
劣等感に変わる
 

筆舌尽くしがたい醜さ
言葉にしたら何て浅くて陳腐
この気持ちを適切に表現する能力があったらいいのに

やっぱり見せるために書くタイプなんだ?



WIZEに捧げた
 記念リクエスト三度目、お題には”コンプレックス ”。自虐れと言うことだろうね、これは。
 
 執筆当時は、当人が見る危険性があったので、”彼女”とか書いたのだけど、はい、うちの姉がモデルです。
 明言どころか作文してもいいくらいに、コンプレックスを与えてくれる人。
 しかも(私の)運が悪いことに、どちらかが死ぬまでの付き合い。
 
 生来、「この女へのコンプレックスに根ざして努力する自分」に陶酔して生存してきたものの、近年に至り、そんな生い立ちが自体がコンプレックスに……ややこしい上に面倒くせぇ。
 
 ”彼氏”が複数いることに疑問を持たず、席を立つときに伝票を持つ習慣がなく、インド人から年金生活者までに幅広くナンパされる、蛇口制フェロモンの女。
 この女が、「勉学努力を惜しまず、趣味をたしなみ、家族の情を知る、”天然ではない”人間」でなかったら、どれほど気が楽だったか。
 
 タイトルは、チマキ食べ食べのアレ。私は童謡に恨みでもあるのか。