─────────耳朶に燻り続けるその余韻に
深く深く息を潜めて
ただ鳴り止むのを待っている
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悲しくないわけじゃない
なんでわざわざそんな言葉を選ぶのって思ったり
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────────────────耳に残るもの
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ほんのりとだけの熱さを感じるに留まる喉とか
もう足掻けない絶望感とか
プライドを置き去りたい焦燥感とか
ああもう、すがりたいな、とか
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──────────────────耳の奥
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なんで私 ”まだ”って思ってるの
なんでこの人 ”もう”って思ってるの
未来の不在を理解しているくせに だらだらと現在
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─────────────脳の近くで燻ってる
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穿った乙女チックなんて大嫌いで
悟った台詞しか吐けない口が
”おねがい”を意味してるって知って
何度も吐き気がした
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─────────火気のない世界の焼け木杭
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でも それよりもずっと
すこんと 抜けるような
開放感
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──────これでもう新しい花火は上がらない
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今更でも初めての
形式に忠実な明言
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──────あとはただ少しずつ減っていくだけ
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嫌悪感のするいとおしい努力が
余地をなくして
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────────どれほどのものだったとしても
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タイミングがつかめなくて続けた
受動態ぶった言い訳が
絶望の一言で
逃げ道をなくして貰える
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──────────その方向性の揺ぎ無さが
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”どうしよう”と”これから何をしよう”の
表裏一体
漠然とした躍動感
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─────────涙を呼ぶほどの救いなのだと
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その余りの嬉しさに涙が出た
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─────────二度と上がりようのない花火
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無駄な活性化のない時間の経過
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─────────────深く深く息を潜めて
ただ鳴り止むのを待っている
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