赤い |
時間は甘い味がする 口を閉ざすのは怖いこと? 一度囀りを拒んだカナリヤが 同じ歌を思い出すとは限らない 耳を塞ぐのは怖いこと? 必死で閉じこめたあの言葉が 変わらないとは限らない 記憶は少し曖昧なもの 思い出は少し弱いもの 忘れられない? 忘れない? 赤い 目を閉じるのは怖いこと? 悲劇はいつも視界の外 再び目を開いたとときに 世界が同じとは限らない 動けない? 動かない? 赤い 世界が終わらないように 繰り返すことのないように 都合良くは見えないように 瞼の裏は 忘れない? 動かない? 赤い 時間は甘い味がする 時間は少し残酷 |
ekonさんに捧げた
リクエストは「inthestyle(a)」。(原寸大は作品名押下) 正確には、意向は「hybridimage(当時の同氏サイト)掲載作品いづれかに言葉を」。 氏のイラストは、命題提示系芸術(が多い)。 私の文章は、リアルにだるくてエグい文字情報。 躊躇いつつ モノクロ世界に、そこだけ。 ほんのりと赤みを差した目が、印象的。 そんなところがそそる。 美化されゆく過去には浸らない。 経過を捉え、現在を見据える。 集中的継続的目視。 少女は見つめ続ける。 集中的継続的目視。 眼精疲労により目が充血。 充血と芸術は本来かみあわない。 でも、いいよな。 |