君の一番暖かい場所


君に出会うため生まれて来た もしそうならどんなにいいだろう
この想いが決して叶わぬなら どうして君と出会わせたのか
 
あどけない君の笑顔を見たら あふれ出してくるこの愛しさを
片思いにすら出来ないから 身を刻まれそうなほど苦しい
 
この胸の中歪んでいる本当の僕を見せたなら
汚れのないうるませて君はどんな顔するだろう

無邪気に陽だまりの中ではしゃぐ君の 背中で揺れる天使の白い翼
君の姿が隠れるほど羽が降りそそぐから 触れたら壊れてしまいそうで
眩しすぎる春の日差しに目を細め 僕は「優しいお兄さん」のまま立ち尽くした



君に合わせて少しかがんで 伝えたい気持ち口にしても
罪のない笑顔で何も知らず 意味の違う「好き」を返してくる
 
まだ幼い頬の温かさに 留め金が外れそうになって
無垢な瞳が僕を見上げてなければ この手を離さなかった
 
真っ白な君を汚しそうな心が行き場失う
君を壊す前に早く誰か僕を処分してくれ

新しい制服が眩しい君のそば 僕はもう慣れてしまったスーツ姿
君と同じ頃に制服を着れたら 君の中僕の位置は変わっていたのか
君は舞い散る桜吹雪の向こう側 何だか遠く感じるから手が届かない



もしも生まれ変わったら今度は結ばれるだろうか
それが待てる位ならこんなに愛おしみはしない
 
あふれ出してくる切なさこらえ切れず まだ幼すぎる体そっと抱き締めた
怯えたように僕を見る泣きそうな 抱き締めるまでわからなかった細い肩
君が大好きな木漏れ日よりもずっと 君の一番暖かい場所になりたかった


 
 lubieを上回る幻想娘・華雅嬢のリクエスト「源氏的年の差設定」。
 平安時代の防犯意識の薄さを逆手に取った作品。
 楽しいけど、犯罪です。