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百貨店やマンションのエレベーターのように、あるいは一般道のように、市民の足を無料化してしまえば良い、という案です。交通無料化は、エストニアのタリンや丸の内などで実現しています。

「交通民営化」は役所叩きの口実に使われやすい言葉です。しかし、神戸市で必要なのは、民営化の反対で「交通の完全公共化」だと思います。

京都や広島などの観光地、東京や大阪などの会社集積地とは異なり、神戸市内の交通機関、特に南北方向のバスや新交通の利用者はほとんどが神戸市民であろうからです。

例えば、マンションや百貨店などのエレベーターやエスカレーターの運賃は無料です。一般の国道や市道も通行料は無料です。運賃や利用料による収入はなく、一方で、建設費用や管理費用はかかりますから、これらは「交通機関」としては完全に赤字です。その赤字分を、利用者全体で埋め合わせています。

交通の本質を「人の交流」だと考えれば、全体の予算で、交通機関の建設・運行費用をまかなう「完全公共化」を検討すべきでしょう。人の血管の役割を考えれば、よくわかります。血が十分に流れていない血管では無意味だからです。

人は、知恵とお金を持っています。「犬も歩けば棒に当たる」で、人が移動すれば何からの経済的、文化的、生理的な反応が起こるはずです。人を家の中に閉じ込めていては、宝の持ち腐れになってしまいます。孤独ほどもったいないことはない。

交通については、超長期的な費用対効果が大切です。そして、その効果を金額で評価するのは難しい。問題なのは「赤字」ではなく、せっかく作ったのに「利用者が少ない」ことです。

東灘区内では、六甲ライナーを「横に動くマンションのエレベーター」と考えて無料化すれば、六甲アイランドの人口増が期待できる上、六甲アイランドの遊興施設に本土の人が行きやすくもなります。双方向の移動者が増えるでしょう。長い目で見て、人口増による税収増や市民の交流増による経済活性化によって、運賃収入分をまかなう計算です。

エストニアのタリン東京の丸の内などで、無料交通機関の実践例があります。

いきなり完全無料化でなくても、朝の通勤・通学時間帯以外の無料化から段階的に始め、不要不急の外出を増やすことが必要でしょう。お家にいる人たちをお外に出すことで、お金と知恵も一緒に動くことになります。

体育館の夜間利用の拡大と、移動手段の無料化は、人々の遊びを支える両輪です。


(難易度:高、短期的効果:小、長期的効果:大)
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