欲を浄化して大なる自己の欲とせよ

『人間はどない申しても、近欲ざから、先見えんから欲ばかり申しているが、神は持ち切れないほどの物与えているではないか。いくら貧乏だとて、犬猫とはケタ違うがな。それで何不足申しているのか』
〔草木や動物は決して悪いことはしない、たいしたわがままはない、計画がない。他人をだましたり、他人を倒したりしてよろこぶ性質はごく少ない。どうなりこうなり自分が伸びていけさえしたら満足している。虎や狼でも、食べ物さえあればものを獲らない、ごろりと寝転んでいる〕
『禁欲は神の御旨でないぞ。欲を浄化して、生めよ、産めよ。今の人民、欲の聖化を忘れて御座るぞ。欲は無限に拡がり、次々に新しきもの生み出すぞ。欲を導けよ。自分だけなら五尺の身体、五十年の生命であるが、霊を知り、宇宙の意志を知り、神に融け入ったならば無限大の身体、無限の生命となるぞ。マコトの嬉し嬉しの喜びとなるのであるぞ』
『他を愛するは真愛ぞ。己のみ愛するは自己愛ぞ。自己愛を排してはならん。自己愛を広げて、大きくして親愛と合致させねばならん。そこに新しき道ひらけるのであるぞ。自己愛を悪魔と説くは悪魔ぞ』
『それはそなたの自己欲から出ているぞ。自己欲もなくてはならんが、段々浄化して行かねばならん。浄化して大き自己の欲とせよ。自分のみの欲となるから弥栄えんのぢゃ。弥栄えんもの神の御心に逆行』
『一升桝もってきて一斗入れよと人民申しているが、神は一斗も二斗も入れてやりたいなれど、一升桝には一升しか入らん。大き桝もってこい』
『そなたはまだ欲があるぞ。欲を、小さい自分ばかりの欲を捨てなされ。そしてマコトの大深欲になりなされよ。その気持ちさえ動いてくれば、何事も見事成就するぞ』
『欲、浄化して喜びとせよ。喜び何からでも生まれるぞ。広い世界に住めば広く、深い世界に住めば深く向上する。物の世界から霊の世界へ、無限の世界へ入るから無限の生命が与えられるのぢゃ。無限の喜び得ること出来るのぢゃ。無限世界とは、物(○)と霊( )との大調和した限りなき、光の世界ぞ。信仰に入ることが無限を得ること。マコトの神をつかむことぞ』
『先づそなたの中にいるけだものを言向け合わさねばならんぞ、よく話し、教え、導かねばならん。けものを人間と同じにしようとしてはならん。けものはけものとして導かねばならん。金は金。鉛は鉛ぞ。鉛を金にしようとしてはならん。鉛は鉛として磨かねばならんぞ。浄化とはそのこと』