21. かいだん
















「階段の怪談?」

 心底呆れた表情でそう言うと、アメリアはうんうんと頷いた。

「………なんなの、その洒落みたいな怪談は」
「知らないわよー、わたしも聞いただけなんだから」
「で、どんな怪談なの?」
「よくある話。本当は15段なはずなのに、10段だったり20段だったり17段だったりするんだって」









 くだんの階段の前を通りかかって、あたしは足を止めた。

「どーした、リナ」
「んー。……ねぇ、ここの怪談知ってる?」
「怪談?」
「階段の怪談」
「何だそれ?」
「あたしに聞かないでよ」

 階段の向こうは緑のある公園で、もう夕暮れ時なので子供の声は聞こえない。
 あたしは階段の前に立ったまま、下から段数を数えてみる。
 アメリアの言ったとおり、15段だ。

「段数が増えたり減ったりするんだって」
「この階段の?」
「そう」

 あたし達は顔を見合わせた。

「……登ってみるか?」

 そして、1段目に足をかけた。












さて何段あったんでしょう。





自力で戻りましょう。