19. とどめの一撃













 やっぱり、反則だと思うのだ。



 真っ直ぐで、長くて、サラサラの、綺麗な金色の髪。
 晴天の青空をそのままうつしとったみたいな、蒼い瞳。
 つきすぎではないけれど、筋肉のついた、それでいて均整のとれた体。
 端正な顔に浮かぶ、優しい笑み。
 男のくせに長い髪が良く似合う、そのすべて。

 出来すぎなんじゃない?
 こんなに揃っているなんて、反則以外なにものでもない。

 その代わり頭の中身は決して良くはないのだけれど、それでも余りある。


 おかげであたしは、いつも心臓が走ってる。
 ほら、今も鎮まらない。

 笑顔なんて浮かべないで。
 離れられなくなる。
 どきどきが止まらない。

 でもね、あたしは今機嫌悪いの。
 怒ってるんだから。

 だからね、そんな顔をしたって無駄なの。
 捨てられた犬みたいな情けない顔しても、駄目なのよ。

 …駄目なんだってば。

 情けない声。
 でも、綺麗な声。

 あたしのために、あたしのせいで、発せられるその声。
 嬉しいじゃない。それでもやっぱり、腹は立つんだけど。

 ああもう。





「好きだよ」




 ………なんて、なんでそう臆面もなく言えるのかしら。

 とどめの一撃。
 あたしの機嫌は、治されるしかない。





 あたしのどきどきは、ずっと止まらない。














うわぁすみません、乙女ちっく…(汗)
誰ですかコレ。





プリーズ ブラウザバック。