免震とは
免震が、耐震や制震に比べ安全な理由
一言で言えば、大地震で
1番安全なのは、「免震」です。
「制震」と「耐震」は同じレベルで、「免震」は1ランク上です。ただし、3種類の構造ともに耐震等級は同一の等級3であるとします。
詳しくは以下に説明しています。また、免震とはどんなものかは、いろいろなホームページで紹介されていますのでそちらを見て下さい。
(例えば、日本免震構造協会)
■耐震
「耐震」と言っても最近では、等級1、等級2、等級3の3段階に分かれています。家を建てるときに特別に注文しない限り等級1になります。
等級1では震度7の地震で倒壊する危険性が高いので注意が必要です。
【耐震等級】
等級
等級の基準
地震力係数
倒壊率 %
1
建築基準法の地震力で設計した建物。
0.2
28
2
建築基準法の1.25倍の地震力で設計した建物。
0.25
8
3
建築基準法の1.5倍の地震力で設計した建物。
0.3
4
地震力係数:建物の重量にこの係数を掛けると設計地震力となる
倒壊率 :震度7の地震で倒壊する確率(参考HP)
(文献参照)
■制震
「制震」とは、耐震等級を上げるための新しい技術です。
耐震構造で等級を上げるための手っ取り早い方法は壁を増すことですが、窓が塞がったり、その他にも色々と厄介なことがあります。
壁を増やす代わりにダンパーと呼ばれる制震装置を設置して、等級を上げるのが制震です。
ただし、新しい技術で建築基準法に明確な規定がないため、制震装置を取り付けても耐震等級が上がったと認められない恐れがありますので注意が必要です。
制震ダンパー
■免震
免震等級というものはありませんが、免震は、耐震等級3と決められています。耐震等級3の耐震、制震、免震の3種類の構造の建物があった場合、免震が1番安全です。制震と耐震は安全性は同じです。
建築基準法の免震構造の基準は「震度6強の大地震でも建物に被害が生じないか、ごく僅かであること」を目標にしています。
一方、建築基準法の耐震基準は「震度6強の大地震で人命に危害を及ぼすような倒壊などの被害を生じないこと」を目安にしています。平たく言えば、「大地震で建物はどんなに壊れても仕方がないが、ペシャンコになって人が下敷きになるような事態は避けること」を目標にしている。」となります。
従って、目標とする安全のレベルに最初から格段に差があって、免震の方が遙かに安全性が高いのです。
【参考文献】
「被害発生確率を用いた耐震等級の説明の有効性」、佐々木健人、小檜山雅之、日本地震工学会論文集 第7 巻、第6 号、2007