『めもあある美術館』とは
「ぼくは、気がくさくさしていました。姉さんのかみの毛を引っ張って泣かして、しかられたのです」ではじまる童話。
家をでたぼくは古道具屋の片隅に自分の祖母の描かれた油絵をみつけてびっくりしていると、そこへのっぽの男があらわれてその絵を買っていってしまう。「ぼく」は男にふしぎなめもあある美術館へ招待される。
するとそこには……。こういうお話です。
だれでも《めもあある美術館》に行けるんです。そこにはかならずあなたの名札のかかった部屋があります。どんな人でもいつでもそこに行けるのです。不思議な美術館でしょう? 行きたくなってきたでしょう。
作者の大井三重子さんはミステリー作家の仁木悦子さんとして活躍されましたが、もうずいぶん前になくなっておられます。この物語が収録されていた単行本『水曜日のクルト』(偕成社刊)も品切れ、再版の予定なしだそうです。
図書館で検索してリクエストすれば読めるはずです。
このおはなしが載っている小学校の教科書が今でもあるかどうかは、現在調査中ですが、どうも掲載されてはいないようですね。本屋さんの棚にならんでいないなら、出版社に企画書持ち込んで本にしちゃえばいいじゃん、って思いまして「『めもあある美術館』補完計画」が進行してしまいました。
版元は岩手県遠野市に事務所をかまえる一人出版社の風琳堂さん。
絵は郵便局の簡易保険のチラシでご存じの、はせがわゆうじさんが描いてくださるとの内諾は得てあります。
残るは著作権を継承された仁木さんのご遺族との折衝あるのみ。補完計画にご賛同のかた、もしくは一度このお話を読んでみたいというかたは今すぐ、みさきあてにメールを
昭和50年代後半のものですが、教科書のコピーなら差し上げられます。