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狭山丘陵 トトロの森歩きに参加して(平成22年2月28日催行)
狭山白門会 副幹事長
田口丈夫
(写真撮影・提供:益子隆雄)
狭山丘陵 トトロの森歩き
当日は朝から雨が降っていました。
休みの日だが、9時すぎの西武球場前駅頭には、雨具装束の我々
11人以外は人影はまばら。
自分は毎日の散歩実行がこの道行きで大丈夫かを確かめたくて、
また近場の観光地なのに近年は行ったことが無いため、参加をしたのでした。
リーダーの先導で、駅から歩いて狭山不動尊境内に登る。
由緒ある山門やら増上寺から移設してある石灯篭がずらり並んでおり、
このような所にこれだけの構築ができる信仰心と財力に驚きました。
そこから狭山貯水湖まで歩く。対岸は煙雨にけむっており、おぼろげな景色でした。
湖岸の説明看板には、多摩川の小作から水道管で地下を通し水を引いていること、都民の4日分の飲料水となる
ことなども記され、初めて知ったことも多くありました。
未だ開花していない桜が数万本この辺りに植えてあるとのことで、さくらの名所になっているそうだが、
残念ながら時期が早く、開花は見られませんでした。
ここには小学生時代の遠足で来て、堤防の芝の上で弁当を食べたことを思い出しました。ユネスコ村から湖をめぐるのが
定番コースだったのです。
同行の新宿育ちの Sさんも、やはりここら辺りに遠足で来たとのことで、昔は子供足で行ける観光地などなかったので、
大都会?の新宿あたりからでもこの辺が遠足のコースだったのかと感嘆しました。
真直ぐな石畳の堤防を歩きトトロの森1号地に入りました。
木々は芽吹きのために水を吸い上げており、根元はあわを吹いていました。
もうしばらくすれば、若葉におおわれてくるのでしょう。
転ばないように土のぬかるんでいる山道を落葉の上を踏んで、手
には傘をさして、登ったり降りたりして歩きました。
途中で道に迷い、みんなで、「あっちだ」「こっちだ」と試行錯誤でやっと山口公民館まで到達しました。
公民館の管理人さんからロビーの使用許可をもらい遅い昼飯。メンバーから漬物やら、饅頭、アメ、
チョコレート等がふるまわれ、有り難くいただきました。
更に、公民館の管理人さんが熱いお茶を出してくれました。
深謝、感激、飲んで身も心も温まりました。そして、薄日もさしてきました。
満腹になり再び遊歩開始。
西武園ゴルフの傍の荒幡富士に登山して周りの景色をながめました。
富士山頂に浅間神社があるが、この「浅間(センゲン)」はアイヌ語で「火を吹く山」というのだそうです。
リーダーからの解説で、これも初めて知りました。(ホントに勉強になる)
山頂からは小手指、所沢あたりの初春風景が眼下にひろがっていました。
山を降り、トトロ2号地から水天宮へ。
ここのお宮を、自分が住んでいた入間郡入間村大字北入曽の古老達は、訛り表現で「くめのすいてごさま」と呼んでおり、
安産の神様として崇拝していました。この神社も懐かしいところでした。
子供の頃親に連れられ、所沢駅から開発されていない野道をここまで、何度か来たことがあります。
当時は相当な田舎だったように記憶しているのですが、現在は高級な住宅街です。
Yさんご夫妻は所沢の出身だとのことで、このあたりに関し種々説明してくれました。
水天宮祭礼の日(正月5日)は入曽から近所の人が社務所に詰めていて、その人からお札を受け取ったことも
思い出しました。当時、所沢と入曽は神社間での交流があったのです。
遠い昔は楽しみが少なかったから、祭りが最大の娯楽だったのでしょう、60年くらい前の話です。
ここまで来て、時間が遅くなったので、東村山駅へのルートを所沢駅に変更して、
道順を土地の人に尋ねながら歩きました。
電車で所沢駅から狭山市駅まで移動して、恒例の下山祭。
新たに Oさんも加わって大盛り上がり、「次はあそこだ」「ここだ」で議論が沸騰。
経験乏しい自分はなにも話せませんでした。5月頃バスで行く会が予定されているようです。
後日、「武蔵野」という作品が、〔国木田独歩〕にあることを思い出し、市の図書館で借りて読みました。
この最初の部分に、武蔵野の面影に関して「久米川」や「小手指」の地名を出して「武蔵野」を褒めちぎっているの
です。あぁ、独歩もこの辺りを遊歩したのかな…と思ったりしたのでした。
さらに「武蔵野に散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない。どの道でも足の向く方へゆけば必ず其処に見るべく、
聞くべく、感ずべき獲物がある。」とありました。
おそらく独歩も道に迷い、この文章をひねりだしたのかなとも思ったのでした。
山岳と違って起伏のないところでは方向感覚が希薄になるようで、雑木林の中では特に方向の目安が出来ず、誰でも道に迷
ってしまうようです。それを弱音を吐かず、プラスに解釈するのは相当な前向きの心意気なのかなとおもったのでした。
※狭山白門会は埼玉県狭山市在住・在勤の中央大学OBで構成されています。