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サクソフォーン 6.バリトンでのマウスピースの選び方

マウスピースは吹く人の体格、体力、技術、望んでいる音色等で選択が変わってきます
参考までにメーカー、種類、選び方を書いていきますが、出来れば購入の際、十分な演奏技術を持ち、考え方が柔軟な方(かたよった人だと自分の好みのマウスピースをそのまま押しつけられる場合があります)に試奏してもらうのがベストです。同じメーカーの製品でも大抵「状態のばらつき」があります。それを見極めるには経験が必要です。身近に心当たりがなければ楽器屋さんに相談してみて下さい。楽器店によってはプロに選定を依頼できることがあります。
まず、定番とも言えるメーカー、H・セルマーです。
音にそれほどクセが無く、作りもしっかりしています。種類は「S80」シリーズと「S90」シリーズがあります。S80はティップ・オープニング(いわゆる「ひらき」のことです。以下「T/O」)がアルファベットで表記されています。アルファベットが進むほどT/Oは大きくなります。
アルトやテナーでは「C*(シー・ワンスター)」が一般的です。しかしバリトンの場合「C*」では少し狭いので「D」や「E」の方が良いでしょう。「D」や「E」はジャズ向けと言ったイメージも有りますが、バリトンの場合クラシックでも「D」や「E」が標準と考えていいはずです。バリトンの管の大きさを考えた場合、バランス的には「D」以上の方が優れており、「C*」だと細い音になりがちで、かえって変なクセがついたり、ストレスになったりするかもしれません。しかし、吹く人の技術や体格、体力次第ですが人によっては「C*」の方が良い場合も、もちろんあります。実際に吹いて見るのがベストでしょう。
次にS90ですが、T/Oの表記が異なっています。「190」と言うモデルが「D」、「200」が「E」と同じです。S90の方が少し吹きごたえがある感じです。音もまとまりやすいです。ただ有る程度吹き手にパワーが無いと吹くのがきつく感じるかもしれません。
つぎにヴァンドレンです。クラリネットで有名ですが、サックスのマウスピースも良いです。「V5」というシリーズのモノが現在流通しているモノです。バリトンはT/Oとフェイシング(先端から、リードの接している部分までの長さ。ぱっと見で同じ長さのモノでも横から見るとくわえる部分のリード側のカーブが違うのです。カーブが急で後が直線だとショートフェイシング、カーブがなだらかでリードを乗せている部分まで緩やかにカーブしているモノをロングフェイシングと呼びます。もちろん中間もあります。ショートはコントロールしやすいが音が一本調子になりやすく、ロングは音に表情を付けるのに有利ですがコントロールと、リードの選択が難しくなります)の違いで4種類あります。そのうち型番の大きい「B95」「B75」はJAZZモデルです。内部の形状の関係でジャズ向きな音がしますが、吹奏楽では音が浮いてしまうかも知れません。
「B25」「B27」が良いでしょう。ショートフェイシングでコントロールもしやすいです。とても素直な、クリヤーな音がします。T/Oが狭く、フェイシングが短いため体力的に自信のない方にはちょうど良いかも知れません。
ヤナギサワのハードラバーもとても良いです。作りが丁寧で、非常に鳴らしやすいマウスピースです。これも番手は有る程度大きい方が良いでしょう。
「7番」位が良いと思いますが、体力的に自信が無い方なら5番、6番も試してみると良さそうです。クラシックでもジャズでも使えるマウスピースです。
他にもいろいろ有りますが・・・吹奏楽で使うことを考えると上記の3メーカーがお薦め・・・というより「無難」でしょう。あと個人的には「ユージン・ルソー」のクラシックモデルも薦めたいのですが、お店に実物があまりないので、入手し辛いかもしれません。これも6番、7番が良いでしょう。
とにかくマウスピースは実際に吹いて選んで下さい。最初に書いたように、技術のある人と一緒に、品揃えの良い楽器店に行くのがベストでしょう。いろいろなメーカー、型番の中からタイプを選び、作りにもバラツキが有るので同じモデルを何本か吹いて選ぶ、というのが良いでしょう。
遠出をしてでも、実際に吹いて、選んで買ってください。その際、ご両親や信用のおける方に同行をお願いしましょう。

以上のお答えは、吉田隆一氏からいただきました。



マウスピースは楽器のあらゆるパーツの中でもっとも重要な物なので、かなり慎重に選ぶ必要がありますネ。吹く人の体型・顔の作り・奏法などにもよりますので、一慨にコレとは云いにくいのですが、中学生くらいだと、セルマーのC☆・C☆☆もしくは、Dなどがいいでしょう。比較的ノーマルなもので、まず奏法を安定させましょう。そして注意点ですが、マウスピースは、同じ番号内でも善し悪しの差が激しいので、できれば知り合いのプロの方に選定してもらう事をお薦めします。(近くにいたら聞いてますよね。だから質問したんですものねぇ)
大きな楽器店では、プロの選定品が希に売られていることもあるのでそちらもチェック!してみては。はずれることはないでしょう。自分で選定するときは、自分のいつも使用している楽器を持っていき(重いけどいつもの楽器だから違いがわかりやすい)時間をしっかりとって実際に吹いてみて選んでください。ただ番号だけで選んだり、ちょっと吹いた感じがいいから、で選ばず、じっくりと慎重に休憩をはさんだりしながら選定したほうがいいですよ。意外とその場ではいい感じでも、(いつもと違う感覚を「いい」と勘違いすることがある)買ってから数日後、「うーんなんかしっくりこない!」なんてこともよくありますから。いずれにせよ高い買物なのでくれぐれも慎重にネ。しっくり来なければまた別の日に出直す位、慎重に。運が良ければ、近くの楽器屋さんに学校までもってきてもらうことだってありですよ。

以上のお答えは、TWWサックス奏者:松原孝政氏からいただきました。



マウスピースに関しては、結局は自分の好みでしょうとしか言いようがないのですが、、とりあえず、持論を展開します。私自身、実はマウスピース遍歴は20本くらいですね。やはり、でっかい音が出る系を求めてメタルのマウスピースに凝ってた時期もありましたが、ある時、スポンと考え方を変えてしまいまして、むしろ、小さ〜い音が出しやすいものを求めるようになってしまいました。今は私自身はセルマーのFを使ってます。
セルマーの場合は一般的にはC*、D、Eあたりがお奨めかもしれません。Fは珍しいかもです。私自身は、Eよりも息を入れやすく、高音がヤセないような気がする(あくまでも私自身の場合ですが)、という理由でFを使ってますが。その他のマウスピースについては、他の方々のご意見を参考にしてくださいまし。とにもかくにも、ご自身の生理的好みに合う音が出やすいものがお奨めとしか言いようがありません。

 以上のお答えは、中村春秋氏からいただきました。

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