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サクソフォーン 5.バリトンでオクターブキー使って高音を出すには?

バリトンサックスのオクターブキィを押した音ですが、安定しない場合の解決策は、あります
その前に、まず楽器の状態の確認から。楽器の調整が狂っているといくら奏法を矯正しても意味が無くなります。もっともオクターブキィの開き具合等の非常に細かい部分は見ただけでは判りません。信頼の置ける楽器店、修理専門店にチェックをお願いしましょう。
あとコレは意外と盲点ですが、唾抜きキィのコルクもしくはタンポの劣化、バネの弱まり等もチェックすると良いでしょう。U字管(ネックのすぐしたのクルリと曲がってる部分)の内部の汚れも、ホントに凄いときは音に影響します。音色、吹き心地のみならず音程にも影響が有るでしょう。掃除方法は・・・コレがなかなか難しい。一時都内の楽器店でU字管掃除棒を売ってましたが、工夫すれば方法はいろいろ有ります。ただ、注意して欲しいのは掃除する事によって内部が傷ついたり、掃除するために差し込んだ掃除道具が抜けなくなったりする場合があるので、これも楽器店等に相談する方が無難です。
では、練習方法です。まず確認したいことは、アンブシュアが安定しているかと言うことです。高音を吹くために口を締めすぎてはいませんか? 音域に関係なく、リラックスしたアンブシュアを心がけましょう。さて、アンブシュアとなれば又気になるのがマウスピースとリード
マウスピースの「開き」が広すぎると支えきれずに音程は上に行くほど低くなって行く場合があります。狭すぎる場合、口の閉める圧力が勝ちすぎて音程がうわずったりもします。堅すぎるリードは、息が負ければ低く、無理して力んで吹くと上ずります。柔らかすぎる場合、大抵は口の閉める圧力にリードが負けて、音が細く、うわずった感じになります。これらの症状はオクターブキィを押したときに顕著に現れるモノです。これもチェックしましょう。
さて、アンブシュアは力まず安定して(有る程度の経験年数が必要ですが)マウスピースもリードも問題ないのに音程が合
ここで登場するのがオーバートーンという音を出す練習方法です。例えば一番下の「ド」(実音のEフラット)でオクターブキィを押した「ソ」(実音のBフラット)の音を出す、と言ったことです。コレは文章でどう書いたら良いのか・・・? サックスに限らず全ての楽器は「倍音」と呼ばれる、複数の音の組み合わせで一つの音を出しています。オクターブキィを押してオクターブ上の音をだすというのは、オクターブキィを押すことによって倍音の中の高い方の音を出しやすくする、という行為なのです。知らず知らずの内に皆さんやっていることです。と言うことは、オクターブキィを押さなくても吹きかた次第では倍音の中のどれかを強調することが可能なのです。なんて、金管の奏者は当たり前のようにやっているのですが(出なきゃ金管の場合音階が吹けない)
とりあえずわかりやすいのは、バリトンの場合一番下の「ド」の指使いでオクターブ上の「ソ」でしょう。それを基準に、指を動かしていけば出音も当たり前ですが変化します。それで少し、ロングトーンと音階をゆっくり吹いてみましょう。音の出し方のコツですが、喉を思いっきり開いて、「ソ」の音程のイメージを具体的に持って、狙いましょう。
でコレがなぜ音程の改善につながるのか。先ほど書いたように音は倍音によって構成されているので、それをコントロールすることによって、音程のコントロールがしやすくなる。音色も倍音で決まるので音も良くなる。楽器の抜けにくかった音が抜けるようになる、と至れり尽くせりの話なのです。もっともコレはバリトンに限った話では無いのですが。練習方法はクラシックの初級者向け教則本より、ジャズの、中級者以上向けの教則本に載っていることが多いです。今手元に無いので、具体的に紹介できませんが・・・クラシックでは「サクソフォーン・ハイトーンズ」という教則本が有ったはずです。フラジオ練習の前段階としてオーバートーンが紹介されています。

以上のお答えは、吉田隆一氏からいただきました。



バリサクのオクターブキーを押した音域での音程は確かに難しいですね。考えられる事としてはアンブシャーだと思います。息の圧力を十分にかけ、下唇を少し緩める様な感じで吹ければそこまで音程は上がらないでしょう。
この時のポイントとしては、下唇に吊られて他も緩めてしまわない様に!逆に言えば下唇以外は、少ししっかりめにマウスピースを包んでやると良いでしょう。音程が上がってしまう原因は多々考えられますが、何よりも息の圧力をpでもpppでも保てる事が重要ですヨ。
コンクールがんばってネ!!

以上のお答えは、TWWサックス奏者:松原孝政氏からいただきました。

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