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サクソフォーン 2.バリトンでよい音色を出すには?

バリトンは、低音はちょっと気を許すと「ドッカーン」と凄い乱暴な音になりますし、高音は「ひょろひょろ〜」となりがちです。なんて融通の利かない楽器なんでしょう(だから面白いのです)
まず「良い音」をイメージする事が先決です。具体的にどんな音を出したいのか? どういった音が良い音なのか? それを明確に持っていないと、しっかりした音は出ません。
まずは楽器をしっかり鳴らす練習をすると良いでしょう。バリトンを鳴らすには相当な息の量がいります。そのためには、呼吸を鍛えるほかありません。ただし、注意しなくてはいけないのは、あくまでリラックスした呼吸でなくてはならないと言うことです。力まず、たっぷりと息を吸って、たっぷりと吐く。要はこれだけなのですが、「たっぷり」と吐くときに力が入りすぎていたりすれば甘い音は望めません。また息がたっぷり吸えていなければ、たっぷり吐けないのは当たり前ですね。
息の吸い方としては、自分の身体を「風船」だと思って、背中にまで息が入るつもりで(実際腹式呼吸がしっかり出来ていれば背中側も脇腹もどかっと膨らみます)でも力まないでゆったりした気持ちで息を吸いましょう。そして、吐くとき、すなわち吹き込む時も力まないでゆったりと、深呼吸を吐き出すような気持ちで「ホー」と吹き込んでみましょう。
アンブシュアも力まないように。特に顎の力で上下を噛まないように。噛むのではなく、顎は一定のポジションで固定して、上下よりも口の左右の締めに少し力を入れてみましょう。

以上のお答えは、吉田隆一氏からいただきました。



どんなに上手くそのフレーズを演奏したとしても、音自体がよくなくては興ざめしてしまいます。特に欧米では、「サウンドメイキング」は、音楽性と同等に重要なものと捉えており、その専門の先生もいる程です。残念ですが日本はややもすると音楽性のみを語るところも多分にあり、奏法やフィジカルな面がおざなりになっているところもあります。
留学あるいは海外からのアーティストのレッスンなどで決まって指摘されることですが、「音楽は素晴らしい!けれどサウンドをもっと磨きましょう」ってね。周りから「上手い」と評価され夢をもって留学してさあ最初のレッスンで、「最初からやり直しましょう」なんていわれて落ち込む方々が非常に多くいるんですよ。実は。
また、例えば、マウスピースを少し浅くくわえるとか、アンブシャアの横をもう少し強く絞めるとか、リードを一つ上の番号にしてみると多少音をまとめやすくなるでしょう。
さらに、これからは音を出すときには、必ずその音を頭や心の中で歌いながら吹いてください。なんてことないですが、これがバカにならないんですよ。始めのうちは「アー」とその音を実際声に出してから吹くという訓練をするとめきめき効果があると思います。
運指に頼らず、いってみれば運指というのは「その音程に一番近い指使い」位のつもりで、要は身体自体がその音を出そうとしていなければ、けっしていい音にはなりませんし、その人自身の音ともいえません。これは楽器をやる全てに共通していえることです。

以上のお答えは、TWWサックス奏者:松原孝政氏からいただきました。

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