ホルンの歴史を考えると、さまざまな調があるのが当たり前であって、楽器の発達によって、inFが主流なってきたのです。少し考え方をかえましょう。
ハイドン、モーツアルトなどの古典派時代には、今のようなバルブがありませんでしたので、演奏する曲目によって、楽器を換えたり、クルークと呼ばれる延長管を使っていました。当然、今のように音階や細かいパッセージを吹くには、右手で音程を換えなくてはなりませんでした。ですから使われている音・奏法も今と比較するととてもシンプルです。たとえば、モーツァルトの交響曲第40番のように、inGだったら、B♭管で12を押さえるだけで、全部吹けます。ベートーベンの交響曲第7番は,inAですから、B♭管の2の指で(理論上)全部吹けます。
つまり、inFでない調が指定されている場合、理論上その指で吹けばいいのです。(inE=F管2、inE♭=F管1、inD=F管12、または3のように)ロマン派以降、楽器が改良途中は、確かにそれだけでは、うまくいかないことがありますが、それでまず練習してみては、いかがでしょうか。そこでやりにくいところは他の指にしてみると言う風にするとそんなに頭を悩ませなくてもいいはずです。またこのような考えでアンサンブルをやると、管が同じ長さなので音程があわせやすくなります。
、ピアノを習ったことはありますか? ト音記号はinCと思えば大丈夫です。in
Cが大丈夫だったら、その半音下(in Bナチュラル=ブラームスの交響曲第2番)、半音上(in
D♭)も大丈夫です。また、ヘ音記号が読めれば、inEが大丈夫です。そうすると、その半音上、半音下(in
E♭)が大丈夫ですね。という風に考えるとそれだけで6つ出来ます。
あと余裕があったら、実戦に備えて、ホルンの教則本のやさしい曲や小学生の音楽の教科書にでてくるような簡単なメロディを、半音づつ下げたり上げたり練習してみましょう。これでかなり自信がつくはずです。
以上のお答えは、Lime氏からいただきました。
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