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フルート 4.低音の出し方

低音域を雑音の少ない良い音で鳴らすのは本当に難しいですよね。私も大変苦労した覚えがあります。余計な息の音がする原因は大きく考えられるところで2つあります。

1,楽器に入っていく息の角度が適正でない。
2,息のスピードが速すぎる


角度について
まず、頭部管の代わりに自分の人差し指と中指を口の下に置いていつも自分が低音域を吹くのと同じ洋に息を出してみて下さい。自分の吹いた息がきちんと2本の指に当たりますか?
フルートという楽器は他の楽器と違い、自分の吹いた息を半分楽器の外に逃がしてやらないと音が鳴りません。そしてその外に逃がす息の量は、音域によって変わってきます。高音域の場合、逃がす息の量は多め、中音域は半々、音域が低くなるにつれて逃がす息の量は少なくなっていくと考えて下さい。結局、充分な音を出すのに必要なはずの息が外へ逃げている→その息の音が雑音となる訳です。そこで指の話に戻りますが、息が2本の指に当たらない場合、息の向かっている方向が上過ぎると考えられます。上唇をトーンホールにかぶせるようにして、息が、つま先方向へ流れ込むイメージで吹いてみましょう。(楽器は少し外側に回すような感じで)

スピードについて
再び2本の指を口の下に当てて息を出してみましょう。今度は当たった息の温度に注目してみて下さい。あなたが感じた感触は暖かかったですか?それとも涼しい風の様ですか? 低音域を吹く場合、息のスピードはあまり要求されません必要なのはあくまでも息の量です。指に当たった息が冷たい場合、それはスピードが早すぎる証拠です不必要なパワーは雑音につながります。「フーー」というイメージよりは、「ホーー」のイメージで。冬の寒い日に自分の手を暖めるために息を吹きかける事がありますよね。あの息の出し方が、そのまま低音域を吹くときに役立ちますよ! あとはとにかく体の力(特に指)を抜くことです。右手に力は入ってませんか?楽器を握りしめてしまうと、無意識に顔全体の筋肉も硬直して口の形も小さく硬直してしまい、結局2つの原因を産んでしまいます。

お薦め教材・・・Marcel MOYSE 著 『ソノリテについて』より第2章『低音の柔軟性』

以上のお答えは、TWWフルート奏者:満島貴子氏からいただきました。



低音を出そうとした際、ボーとかヒューとか雑音が混じる時は、音がよく鳴る場所(ポイント)にうまく息が当たっていない状態です。また、唇の力もうまく使えていませんよ。根気の要る練習ですが、がんばってみましょう。

***マウスピースだけのロングトーンを練習します。***
1)管をふさいで低い音が出るようにしてください。低音のAとほぼ同じ高さの音が出ます。
2)必ず鏡を用意してください。唇の形や息の出方をチェックするためです。
3)用意ができたら始めましょう。吹いてみると、反対側に「くもり」ができますね。この形がきれいな二等辺三角形になると、いい音が出る条件になっています(これだけではいい音になっていません)
4)息がまっすぐ出ていないと、「くもり」がいびつな形になります。この向きが、息の出ている方向ということになります。
5)まっすぐ出るように努力してみましょう。どうやったらでるでしょうか?
*例えば口笛。唇はとんがってしまいますが、息はまっすぐ出ています。つまり、穴の形を作ることがとても大切なのです。
*この時、どこに力が入っていますか?何もしていない時と比べながら確かめてみてください。そして、気が付いたことをなんでもメモしておきます。

***これができるようになったら、楽器を組み立てて同じように練習します。***
6)一度に全部の音はできませんから、低音のHから始めましょう。ゆっくり(メトロノームは60で)半音ずつ、3つ下がります。H−B−A、B−A−As、A−As−G、As−G−Fis、G−Fis−Fというように。とりあえず、うまくできるのはここまででしょう。では、ここまでがいい音になるように、繰り返し練習しましょう。
7)これよりも下の音は、フルートの長さをすべて使うようになるので、だんだんむずかしくなります。コツとしては、口の中を「お〜」と発音するようにしてみることです。舌先を引いて、根元はぐっと盛り上がる感じです。

実際はもっと使うところがたくさんありますが、自分で繰り返し練習してみて「うまくいった!」というときの感じをメモしておくことが一番大事です。がんばって練習してください。*
参考教本として、トレバー・ワイ著「いちばんはじめのフルート教本」(音楽之友社)をおすすめします。 

 以上のお答えは、斉藤暢彦氏からいただきました。 



女の子は男の子に比べて腹筋が弱いので、楽器を吹くときは常にいつもお腹の下の方に、ぐっと力を入れて支える事が大事です。
具体的な低音部の練習は、次の方法を参考にしてみて下さい。
もし、家に一升瓶があれば、その口をフルートの歌口に見立てて吹いてみると良いでしょう。その時、一升瓶が、できるだけ大きな音で「びーん」と響いて鳴るように。それができたら、フルートの低音を同じように響かせてみましょう。肩の力を抜いて、楽に息を吸って、低音の「ソファミレド」をゆっくりと吹いてみます。最初上手くいかなくても、何度も何度も繰り返してやってみることが大切です。そうやって、その音が「良く鳴る(響く)ポイント」を自分で探していくのです。コツを掴む為には、1に練習2に練習。毎日楽器をできるだけ響かせるように注意しながら、たくさん練習して下さい。

 以上のお答えは、A.T氏からいただきました。

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