音が「ブツッ」っと切れてしまう原因は2つ考えられます。
@音を切る瞬間、舌で息の流れを止めてしまっている。
音の終わるその瞬間、舌の先端が口の中の何処かに触れてしまっていませんか?
A音を切る瞬間、唇の穴が完全に閉じてしまっている。
一番大切なことは、音が鳴り終わっても、しばらくの間息が出ていなければならないと言うことです。
そのことを念頭において、ロングトーンから練習してみて下さい。意識的に音が鳴り終わっても息をはき続けるようにして! 初めのうちは、「シュゥゥゥ〜」っという雑音が非常に気になると思いますが、第一段階としては、そこはあまり気にしないこと!!!
音が終わっても息を出し続けられる習慣が身についてきたら今度は雑音を無くす訓練です。「シュゥゥゥゥ」っという雑音が鳴ってしまうということは、要するに今鳴っている音量に対して息の量とスピードが大きすぎるからです(これは通常の音を鳴らす時にも言える事ですが)。音が割れてしまうのもそのせいだと思われます。その辺の息の量とスピードのバランスは時間を掛けて研究、工夫していかなければなりません。楽器の角度、腕の角度、顔の角度を微妙に変えてみる事も雑音を無くすのに効果的です。ちなみに私の場合、右腕をほんの少し右下に引き、それと同時に顔をほんの少し左上に動かしています。本当に、ほんの少しです。
でも、あくまでも息の力だけで行ってください。顔や腕の角度は音程を安定させる為の効果が主ですから!
初めのうちは、音が美しい形で完全に消えていくまでに相当長く音をのばしていないと消せないと思います。でも、毎日少しずつ短い時間で消せるように努力していけば、「スーッ」っと音を消す時間も自在に操れるようになります。操れるようになった時に、それをそのままスタッカートの奏法に生かしてみてください。鳴っている時間は短い、でも音はスーッっと消えていく・・・。最高のスタッカートですよね。
マルセル=モイーズ著『ソノリテについて』第3章「アタックと音の連結」を参照してみて下さい。これを使って練習するときは、メトロノームは使わず、テンポは自由(もしくは極めてゆっくり)で、初めは音の処理のみに神経を集中させて。美しい音の処理が出来るようになったら、今度はタンギングです。舌先を歯の裏にあててみたり、舌先を唇の外に出してみたり、色々試してみると良いでしょう。様々なニュアンスのタンギング(スタッカート)が出来るようになりますよ。
私は15年間、この「アタックと音の連結」の練習を欠かしたことがありませんよ!
以上のお答えは、TWWフルート奏者:満島貴子氏からいただきました。
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