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ユーフォニアム 2.高音の出し方

高音域をきれいに出すには、まず中低音がしっかりと安定したきれいな音で演奏できないといけません。そして、そのアンブシュアを保ったまま、高い音への音域拡大をしてください。 けっして唇の両端を引いた形にはならないように。 たとえば、E-H-e-H-E(2,4) -> Bb-f-bb-f Bb(0)を4分音符=40ぐらいでゆっくりとリップスラーで練習してみて下さい(etudes.pdf参照)。このとき鏡を使って自分のアンブシュアを確認しながら注意深く行うこと。 また、息の使い方(速度や角度など)・支え、ピッチ、マウスピースの唇へのプレッシャー(必要最低限のプレス)等にも注意しながら行って下さい。つまり、最初に言ったマウスピースを必要以上に押し付けたり、唇を引いたりといったことに頼らないということ。そしてE-H-e-g#-e-H-E,〜、E-H-e-g#-h-g#-e-H-E,〜、・・・というように徐々に音域を拡大していきましょう。もちろんロングトーンの音階による音づくりも大事です。 毎日、ちょっときついぐらいの音域まで練習しましょう。そうすることで高音に対する耐久力も少しずつついてくると思います。でも決してむりしてやり過ぎない様にしましょう。変な癖がついてしまっては元も子もありませんから。 無理なくきれいな高音域が出せるようになるには、少なくとも数カ月かかると思いますが、焦らず練習して下さい。

 以上のお答えは、伊東明彦氏からいただきました。



これからお勧めする練習を試みて下さい。私のアドバイスで、これまで数多くのプロを含む金管楽器奏者が高音域をマスターしています。ただし、このテクニックには「誤解を招きやすい秘密(!?)」の要素が含まれていますので、全てをここで披露するわけにはいかないことをご了解下さいね。
台風など強風の時、風が強くなるに従って風がどこかに共鳴する音のピッチ(高さ)が変わることがご存じですね。これは、自然界では普通のことです。金管楽器の場合も原理は全く同じです。息のスピードが変われば音の高さも変わります。どうしたら息のスピードを変えられるのでしょうか。
ここで簡単な実験をします。息の力を十分に使い、声を出さずにひそひそ話の様な息の音だけで「ター、ティー、ター、ティー、・・・・・・」と何度も繰り返します。声は出ていないのに「ピッチが変わる」ことがおわかりいただけると思います。「ター」より「ティー」のほうが高くなりますね。この「チョー簡単な原理」を使って高い音を克服しましょう。
マウスピースで「ター」そして強く「ティー」と言うつもりで音を出してみます。ピッチが変わったら実験終了です。今度は楽器を使います。ピストンの「1−2−3」で、ヘ音記号第3間の実音「E(ミ)」から上に向かって「Gis(ソ♯) −H(シ)−D(レ)−E(ミ)−Fis(ファ♯)」の、6つの「倍音」を出します。深呼吸のようにたっぷりと息を吸って、「ターターターターテーティー」と、1音ずつクレッシェンドしながら最後の「ティー」はアクセントで、最も強く音にします。唇や舌、肩、背中などに力を入れすぎたり、また息の力が足りないと、思うように音がヒットしないので要注意です。吹き終わったら、マウスピースを唇から離して10秒以上休みます。このパターンを「1−3」「2−3」「1−2」「1」「2」「0」で、いずれも10秒以上の休みを間に入れながら続けます。途中で上の音がヒットしなかったり、それまでのように10秒以上の休みを間に入れながら、あと2〜3回「同じ倍音のグループ」にトライします。最後の「0」ポジションまで楽に音が出せるようになったら、あなたは「High C」まで出せることになります。高い音と低い音を吹き分ける仕組みがわかると、スラーによる音の跳躍も容易になりますよ。

 以上のお答えは、TWWユーフォニアム奏者:早川潔氏からいただきました。  

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