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ユーフォニアム 1.跳躍する音の出し方

高音域の音を吹くには、息の支え・スピード、口の中の容積、アパーチュア(息の出る穴)の大きさ、等色々な問題をクリアしなければなりません。水道につないだゴムホースを想像してみて下さい。ホースの口を押さえて穴を小さくすると勢いよく水が飛び出しますよね。これが高い音を出している状態だと思って下さい。息の支えとは水道から絶えまなく供給される水、それがアパーチュア(ホースの口)を小さくすることで、勢いよく(スピード)でるのです。この時あなたはホースの口をどうしてますか? 決してホースの口の両端を指でつまんで横に引っぱって穴を小さくするなんてことはしないですよね。そんなことしたらすぐに疲れてしまいますよね。あなたはきっとホースの口のまん中を指で押さえるはずです。高音域のアンブシュアも同じなのです。Etudeゆっくりと、息の支え、アパーチュアの大きさに留意して、唇の両端を決して引くことなく(常にしっかりと固定されていること)、またマウスピースも押し付け過ぎることなく、鏡を見ながら注意深く、辛抱強く練習して下さい。1がきれいに出来たら2、2ができたら3・・・というように徐々に進んで下さい。時間がかかるかも知れませんができるはずです。がんばって下さい。

 以上のお答えは、伊東明彦氏からいただきました。



練習方法としては、一度オクターブ低いところで何度も確実に吹けるように練習してみて下さい。
そこでB-Gの間隔をしっかりつかんでください。歌ってみるのもいいと思います。そのまま力を入れないように同じ間隔でオクターヴ上で吹いてみて下さい。
より確実にするためにはリップスラーの練習をたくさんすることをお勧めします。

 以上のお答えは、石橋美奈子氏からいただきました。



跳躍と言うのは簡単ではありません。日ごろの基礎練習(リップスラー)を大切にして、音域を広げてゆく必要があります。
たとえば、最初は、チューニングのB♭とその上のDのリップスラー、次に、チューニングのB♭とDとその上のFのリップスラーと言う風に音域を拡大してゆくことも重要な手がかりになります。また、高い音を吹こうと思えば、低い音もより練習して、音域を広げることも大切です。
それから、高い音を演奏するときは、息のスピードや角度などにも十分注意してみましょう。高い音は「Ti」という、発音で、息のスピードも速くなり、角度も真下に息は流れてゆきます。(低い音は「To]という感じで、息のスピードは遅く、角度も前になります。)

 以上のお答えは、福田昌範氏からいただきました。



2つの対策を用意しました「その1」は具体的な方法と練習メニューです。「その2」は替指(かえゆび)で、さらに音を出しやすくするための方法です。

対策 その1
高い音は声を出さない強いひそひそ声の「ティーッ!(Tee!!/Tea!?)」に似た舌の形で音になり、低い音は「ターッ!(Tah!!)」で音になると言う簡単な原理を利用して、チューニングの「B♭」⇒すぐ下の「F」を「ティーッ」⇒「ターッ」と言うつもりでしっかりと出します。大切なことは高い音(B♭)はアクセントで強く鳴らすこと。はじめは2つの音の間にすきまを作っていちいち吹きなおすことを繰り返します。その後はテヌートにして2つの音をつなぎます。高い音(B♭)はアクセントだと言うことを忘れないでくださいね。これができたら、今度は「G」への跳躍の練習です。例えば、「B♭」⇒「G」の跳躍が難しいのでしたら、半音階で「B♭」⇒「G」までの練習をしてみましょう。無理のない速さで焦らずに「B♭⇒H⇒C⇒C♯⇒D⇒E♭⇒E⇒F⇒F♯⇒G」としっかりアタック(タンギング)をしながら上がっていきます。ひとつずつ、でも少しずつ強くしながら上がっていきます(クレシェンド)。一番上のGはアクセント(!)です。そして「ティーッ!」と言う発音でしっかりと音を鳴らします。「G」まで上がったら「最低10秒間」は、「マウスピースから唇を離して」休みます。これはあとで述べますがとても大切なことなので忘れないでください。これを2〜3回繰り返したあとで、「唇」等が疲れを感じていなければ、次の練習を開始します。今度は問題の「B♭」を間にはさみながらの跳躍練習です。つまり「B♭⇒H⇒B♭⇒C⇒B♭⇒C♯⇒B♭⇒D⇒B♭⇒E♭⇒B♭⇒E⇒B♭⇒F⇒B♭⇒F♯⇒B♭⇒G」となります。この課題は、誰でも紹介できるごく当たり前の練習メニューですが、どうやって音の高さを変えるのかという具体的な「方法」がわかっていないと上手くいきません。これから述べることに細心の注意を払って練習してください。まず、「B♭」以外の「H、C、C♯、D、E♭、E、F、F♯、G」のそれぞれの音は強く(アクセント)鳴らすこと。しかも、半音階の練習の際に述べた通りに「B♭の音以外のみクレッシェンド」すること。そして、一番上のGは「ティーッ!」と最も強く鳴らすことが大切です。注意点をもうひとつ申し上げます。途中でブレスしたくなるとしたら、直ちに中断してください。「マウスピースを唇から離して」もう一度ブレスをし直して止まった場所あたりからスタートします。とにかくそれぞれの音を正しく響かせるための練習ですから、細かいことまで注意を払うことが大切なわけです。この練習を上記した通り間違いなく、無理のないテンポ&ペースで休みながら続けてみると、必ず楽に音域をコントロールできるようになります。これまで何回も「鳴らして」とか「強く」と述べましたが、そのためにはブレス・コントロールが大切だということを忘れないでくださいね。息をしっかり吸ってしっかり吐く。このしっかりしたブレスがあってこその跳躍ですから。

対策 その2
ここでは「対策 その1」が出来てから、さらに完成度を高めるための方法を述べます。チューニング「B♭」のポジションは、一般的には開放(0−0−0)ですが、倍音システムを利用した替指(かえゆび)の(0−2−3)でも出すことができます。そして「G」は、通常の(1−2−0)の他に、(0−0−3)や(0−2−0)でも一応出ます。替指を使うのならば、ピストンヴァルブを利用した息の流れは、できる限り無理のないようにすべきです。したがって今回の「B♭」⇒「G」の場合は、替指では(0−2−3)⇒(0−0−3)となります。この組み合わせを採用するだけでも「多少は」楽に出せるのではないかと思います。音程が良くない場合、演奏する曲の中の重要な箇所の音程合わせを、主管&各ヴァルブのチューニングスライドの長さを変えながら調整します。

 以上のお答えは、TWWユーフォニアム奏者:早川潔氏からいただきました。  

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