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クラリネット 5.太くて丸い音の出し方

音の丸さや音の太さといった音色は吹く人の個性による所が多いと思いますが、楽器を吹くときの口の形や息の状態によっても少しは変えることが出来ます。また、マウスピ−スやリ−ドによっても【丸い音】や【太い音】を追求することが出来ると思いますが、ここでは触れないで、奏法に限らせていただきます。

■【丸い音】の反対は【平らな音】です。
 【丸い音】を出すには口の形を「ア」や「オ」にしましょう。 逆に口の形を「イ」や「エ」にすると【平らな音】になります。
■【太い音】の反対は【細い音】です。
 【太い音】を出すには歯と歯の間隔を広くとりましょう。 逆に歯と歯の間隔を狭くすると【細い音】になります。
■そのほか【丸い音】【太い音】を出すための助言としては、
 楽器の中に吹き込む空気の角度を下方向にする。 口に力を入れない(咬まない、硬くしない)

【丸い音】【太い音】は良く【鳴っている音】または良く【響いた音】とも言えるでしょう、息の量を多く、息の通り道を広く、息の到達距離を遠くイメ−ジして吹いてみて下さい。【大きな音】や【強い音】と似てはいますが、同じ大きさ、同じ強さでも、より【丸い音】や、より【太い音】を求めることは不可能ではありません。

以上のお答えは、OGI氏からいただきました。



クラリネットの音色は楽器の仕掛け(マウスピースとリードの関係)で大分変わります。マウスピースのカットの長さや開きのバランスによって付けるリードの厚さも変わってきます。ヴァンドレンのマウスピースで代表的な5RVから始める方は多いと思いますが、これはどんなリードでも音が出やすいように設計されているからだと思います。このマウスピースで太くて丸い音を出すには、厚めのリード(4番〜)が必要です。それでもフォルテや高い音がつぶれて、息が入りにくいようでしたら、5RVのライヤーというモデルをおすすめします。
5RVとはタイプが違いますが、ヴァンドレンのB40というモデルに3番〜3半のリードをつけて吹いてみて下さい。こちらの方が太くて丸い音に近いかもしれません。クラリネットデュオの僕のCDで共演している遠藤文江さん(アンサンブル金沢)は、クランポンのR13にヴァンドレンのB40のマウスピースに3半のリードで演奏しています。是非聴いてみて、参考にして下さい。
どんなマウスピースでも、吹き方でも大分音色は変わります。のどを固く締め付けず、肩の力を抜いて楽に吹きましょう。音作りは、一人で耳を自分の音に集中させてじっくり作っていくものです。
あせらずに、いい演奏をいっぱい聴いて、出したい音のイメージを固めて目標を持って下さい。

以上のお答えは、白川毅夫氏からいただきました。



「太くて丸い音」。見るからによさそうな音ですが、言葉から実際の音色を想像するのはかなり難しいですよね。
まず、消去法でいきましょう。太くい丸い音の逆、細くてぎすぎすした音とは具体的にどんな状態を指すのでしょうか? たとえばリードを口で押し殺しすぎて「ジージー」とか「チーチー」という雑音が入ってしまう状態。これは誰が聴いても悪い印象をもつと思います。逆にこの音を避けて「もわぁ〜〜」とした芯のない浮いた音を出すのもダメです。どんなリードやマウスピースの組み合わせでも、必ず中間のちょうど良いところがあります。「ちょうど良い」というのは、言い換えれば一番効率が良い場所です。それを探し当ててみてください。
それから、音の出はじめに「キョッ、キョッ」とか「コッ、コッ」などの変なアタックが付いてしまう例、これも耳に残って音の印象を悪くしてしまいます。
また、一つの音を伸ばしているときはけっこういい音をしてるのに音符を吹いていくと崩れてしまう例、これは音の高さが変わったときにいちいち息の流れ・量スピードなどが変化してしまい、均一性がなくなってしまうことによるものです。まっすぐ延々と伸びた丸い棒、のような息の通し方ができるといいです。
こういう一つ一つの問題をクリアしていくうちに、気がついたら「太い音」「丸い音」と聴いている人が感じるのではないでしょうか? 太い音を出す練習、などがあったら僕もどんなに楽なことでしょうか(笑)。慎重に繊細に自分の出した音を聴いて、毎日地道に頑張ってください。

以上のお答えは、TWWクラリネット奏者:大友幸太郎氏からいただきました。

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