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クラリネット 4.高音の出し方

<<高い音を出すには、パワー(=息の量 X スピード)が必要です>>

◇マウスピースを強く噛む事でも息のスピードを増すことが出来ますが、息の量は増えません。(圧力が一定なら通り道が狭くなると息のスピードは増すが量は増えない)
この場合、リードの自由な振動を阻害してしまうので、音質(音色)は硬く、細く、貧弱なものになってしまうでしょう、また口の痛みも伴います。

マウスピースを必要以上に噛まないで(マウスピースとリードの隙間を狭くしない)
息を送り込む圧力を高くし、スピードのある息を多く楽器に送り込むことによって楽に高い音を出すことが出来ます。当然、豊かな響きを持った良い音質(音色)が得られます

◇力に頼らず楽に高音域を吹くにはオーバーブロー(下の譜面をクリック!)の練習が効果的です。低音域からレジスターキーを使って中音域、高音域に移行する練習で、口を変えずに(噛まずに)クレッシエンド(息の量とスピードを増す)で良く音を聞きながらゆっくり練習する事によってアンブッシャーとブレステクニック(息を吸う事と吐く事のコントロール)の関係が理解できるようになると思います。

オーバーブロー 〔←オーバーブローの練習〕

◇息の量、スピードだけでなく、息の距離感を感じる事によって良く通る、良い音が得られるでしょう。また、口の中の形も共鳴や音色に影響があると思われます、違う母音(ア・イ・ウ・エ・オ)をイメージしてその違いを感じ取って下さい。

以上のお答えは、OGI氏からいただきました。



左親指のドまでだったら、オクターヴキーを押さないで、最低音のミをロングトーンして、その息の流れを変えずにオクターヴキーを押すと、シの音に綺麗につながると思います。このとき、口は特別に噛まないで、息の流れを損なわないことです。
同様に、最低音のファからドへ、ソからレへ、ロングトーンの最中に、オクタアーヴキーでなめらかにレガートをかける練習(跳んだ音にアクセントがつかないように注意)をして下さい。
左親指のドより上の音域は、倍音の構成も複雑になってくるので難しくなりますが、口を上下にプレスして噛んでも音がキツクなるだけで苦しいだけです。まず、息のスピードを速くすることが必要です。上下の圧力よりも、口の両端を少し横に引き上げてスマイルし、小さなエクボができる位にします。くわえる深さは気持ち深めの方が音は安定します。でも深すぎると、音が開いて、リードミスの原因にもなりますので、ちょうどいい場所を耳をたよりに見つけて下さい。息は、水のじょうごみたいに、集める感じで流しましょう。肩の力を抜いて、ノドは締め付けずに楽にして下に広げる感じにします。
以上のことに気をつけて、焦らずのんびりと響きを確認して下さい。

以上のお答えは、白川毅夫氏からいただきました。



クラリネットのアンブシュアは、基本的に上から下までどの音域でも変わらないと考えて良いでしょう。

・どの音域でもまずリラックスしたアンブシュアが基本です。ではリラックスしたアンブシュアとは?
・まず、楽器を支える支点がちゃんとしてないといけません。それは楽器を持つ右手の 親指と、マウスピースの上部にあたる前歯(勿論上の歯ね。)の2箇所です。
・そして、下唇はやや内側に巻いてそのまま閉じる。添えるといった感じが良いでしょう。決して「噛む」という風に考えないように!(噛んでしまうと下唇がリードを 締め付けてしまい、リードの震動を殺してしまいます。)楽器を持った右手の親指 から前歯の方に少し圧力をかけると安定するでしょう。
・そして、唇の左右両側からマウスピースの形に合わせるように少し内側に締めてやる事で、まとまった空気を送り込む事が出来ます。

以上アンブシュアの基本ですが、どんなに高い音域でも余計に「噛む」とか圧力をかけるとかという事はしません。

有名な練習の方法ですが、ロングトーンでレジスター・キイを使った練習があります。例えば、最低音Miの音をP(ピアノ)からクレッシンドしてF(フォルテ)になったらレジスター・キイを押さえてSiの音に。そのままデクレッシェンド。空気を上手くコントロールして滑らかに音が移行できるように注意する。この時アンブシュアは勿論動かしません。この方法でMi(全部ふさいだ指)→SiからFa(左手の親指)→Doまで練習しましょう。
次の段階ですが、低音La→Miは先程書いたとおり。クレッシェンドしたままMiから今度は左手人指し指を外してDo♯の音に移ります。人指し指を下方向にずらしていくと滑らかに移行できるでしょう。アンブシュアは勿論そのまま。空気のコントロールのみです。この方法でRe→La→Fa♯まで練習しましょう。

以上の練習方法で、アンブシュアのリラックスを心掛けて取り組む事で、余計に噛む事なく空気のコントロールによって高音を出せるようになるでしょう。
リラックスしたアンブシュアがあってこそリードの震動を妨げる事なく効率良く響かせることが出来るのです。 

以上のお答えは、TWWクラリネット奏者:木原亜土氏からいただきました。

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