CDの売上げ分析

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2次関数・指数関数

関数を用いて過去のCDの売り上げデータから傾向を分析し、今後のCDの売り上げを予測

する活動から、数学と日常生活との関連性と数学の有用性を感じることが、この教材

のねらいである。

①2次関数への近似

次の表は2003年4月以降の森山直太朗の「さくら(独唱)」という曲のCDの売り上げ枚数の推移

を表したものである。

週数1234567
売上(万枚)2.45.17.59.410.89.97.8


これをグラフにかくと図1のようになる。このグラフ

はどんな関数に近似するかを求める。

売り上げ枚数の差を計算してみると、

5.1-2.4=2.7 ⇒ 7.5-5.1=2.4

   ⇒ 9.4-7.5=1.9 ⇒ 10.8-9.4=1.4

となり、傾きがだんだん緩やかになっていて、

頂点があることから、2次関数に近似できると予測できる。

そこで図1のグラフを、2次関数に近似して、最小2乗法で回帰曲線を求めてみると、

y=-(1/2)x2+5x-(5/2)のグラフに近似できる。これを平方完成すると、

y=-(1/2)(x-5)2+10となり、図2のようになる。

この式を利用して、この曲の8週目の売り上げ

予測する。計算によると、

y=-(1/2)(8-5)2+10=5.5となり、

実際の売り上げは、5.4万枚だったため、

かなり近い予測ができたといえる。

ただし、この2次関数はx=10のときにyの値が負に

なるため、局所的な近似になる。

CDの売り上げが分析できると、来週の売上げの予測や、次に同じような曲を出すときの

売り上げの推移が予測でき、CDを何枚作って何枚出荷すればよいかなどの目安になる

と考えられる。

②指数関数への近似

次の表は、2003年3月以降のSMAPの「世界で一つだけの花」という曲のCDの売り上げ枚数

の推移を表したものである。

週数12345678
売上(万枚)63.038.030.014.010.08.06.15.5


これをグラフにかくと図3のようになる。このグラフを

指数関数に近似して、最小2乗法で回帰曲線を求めて

みると、y=59.4×(0.61)x+3.6のグラフに近似できる。

図1の曲のように、徐々に売り上げを伸ばすCDは

2次関数に近似できると分析できるが、

図2の曲のように、発売1週目から売れるCDは

指数関数に近似できると分析することもできる。