ある条件で伸びる木の高さについて考察することで、極限の感覚を磨き、
無限等比級数の理解を深め、興味をもつことが、この教材のねらいである。
校門の脇にある木は、毎年、前の年に伸びた分の半分だけ枯れることなく必ず伸びる。
高さ1mの木が最初の年に1m伸びた。この木はどこまでも伸び続けるのだろうか?
1年後の高さは1+1=2m、2年後の高さは1+1+(1/2)=(5/2)m=2.5m
3年後の高さは1+1+(1/2)+(1/4)=(11/4)m=2.75m・・・
よって、n年後の木の高さは、1+{1+(1/2)+(1/4)+(1/8)+…+(1/2n-1)
=(k=1Σn)(1/2k-1) となる。
よって、この等比数列の無限級数を計算すると、
1+(k=1Σ∞)(1/2k-1)=1+lim(n→∞)2{1-(1/2)n}=1+2=3より、
この木の高さは3mまでしか伸びないことがわかる。