コインを投げて表裏そろう期待値

back

無限等比級数

コインの表裏の出方を無限等比級数を用いて考察することで、この内容に興味をもち、

期待値、数列、極限の有用性を感じるが、この教材のねらいである。

1枚のコインを何回か投げて、少なくとも表と裏が1枚ずつそろう平均の試行回数は何回か?

1回目にどちらかが出るので、2回目以降にもう一方が出るための期待値Eは、

S=1・(1/2)+2・(1/2)2+1・(1/2)3+…+n・(1/2)nとすると、

E=lim(n→∞)Sとなる。Sは(等差数列×等比数列)の和なので、

      S=1×(1/2)+2×(1/2)2+3×(1/2)3+…+n×(1/2)n

-) (1/2)S=       1×(1/2)2+2×(1/2)3+…+(n-1)×(1/2)n+n×(1/2)n+1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

   (1/2)S=  (1/2)+(1/2)2+(1/2)3+…+(1/2)n-n×(1/2)n+1

      S=1+(1/2)1+(1/2)2+(1/2)3+…+(1/2)n-1n×(1/2)n

ここで、lim(n→∞)(n/2n)=なので、

E=lim(n→∞)S=2-=2となり、少なくとも表と裏が1枚すつそろう回数の平均は3回である

ということがわかる。

<参考文献>
[1]古藤怜(1994),「モンテカルロ法の応用」,『CRECER中学校数学科教育実践講座第16巻知的好奇心をくすぐる授業に

  役立つ数学の話』,ニチブン,pp.210‐211.