送電線やネックレスなど身近にみられる曲線を分析することで、いろいろな曲線に興味をもち、
その長さを計算することで、曲線の長さについての理解を深め、単元の有用性を感じることが、
この教材のねらいである。
一様な重さを持つ細長い線を2点を固定して垂らしたときに、自分の重みによって自然に
曲がってできる曲線を懸垂線という。送電線やネックレス、吊り橋などに見られる
この曲線は、y=(a/2)(e(x/a)+e-(x/a)) で表すことができる。
例えば、y=(1/2)(ex+e-x)の懸垂線の x=-1 から x=1 までの曲線の長さを求めてみよう。
曲線の長さ s=∫-11√(1+(dy/dx)2)dx
ここで、(dy/dx)=(1/2)(ex-e-x)より、
s=∫-11√(1+(1/4)(ex-e-x)2)dx
=∫-11√(1/4)(ex+e-x)2dx
=∫-11(1/2)(ex+e-x)dx
=∫01(ex+e-x)dx
=[ex-e-x ]01
=e-(1/e) となる。
e-(1/e)≒2.35より、上記の式で表される懸垂線の長さは、
例えば x 方向の長さが2mのとき、約2.35mになることがわかる。