スプライス奮闘中
 
 
 
 始まりはヤフオクだった。
 9月某日,何となくヤフオクを眺めていたところ,シャープスのダブルハンドロッドが出品されているのを見つけた。
 12フィート#8のインプリグネイテッド,しかもスプライス!シングルティップだが入札開始額50,000円っと結構お値打ち価格。グラファイトのダブハンでも50,000円ではなかなか買えない時代に骨董バンブーダブハンが50,000円ということでさっそくウォッチリストに追加した。
 50,000円というのは手が届かない額ではないが,あまり早くから入札し,他の入札者との競争で高騰すると買えなくなるため,ギリギリまで様子を観て入札することにした。
 そして,オークション終了間際,まだ誰も入札していないことを確かめて50,000円で入札し落札できました。
 
 
 
 代理出品だったようだが取引はスムーズに進み,数日後には納品した。
 現品はグリップにかなりの補修歴があり,ガイドは殆ど新品に付け替えられていた。。。しかも2番ガイドはすこしねじれて付いている。まあ使えんわけじゃないし,,ええか!。ちなみにこの竿、ロッドエンドがスクリュウになっており、外してみてびっくり!なんとダブルビルドではないか!
 しかし,この古くさいロッドがここまで修復されているとは,,,何人の手を渡ってきたのかは知るよしもないが実戦で使われてきた証拠だろうということでしばらくはこのまま使用してみることにした。
 問題はスプライスをどうやって留めるか?昔は豚革で巻き留めていたことまで解ったが巻きはじめはイイとしても巻き終わりをどうやって留めるのか解らない。
 出品者に問い合わせてみたが,前使用者はビニールテープで巻いていたとのことだった。
 う〜ん,バンブーにビニールテープは似合わんの〜。
 インターネットで検索してみるが,なかなかヒットしない。
 [EmergerのFF瞑想記]というHPを見つけたのでemergerさんにメールで質問してみたが,やはりビニールテープで巻いていたらしい(しかしビニールテープはブランクの表面を痛めることがあるらしい)。またemergerさんの知人が革布を自作しているが,どのようなものかは現物を観ていないので分からないとのことだった。
 まあとりあえず試行錯誤しながら作ってみましょう。
 
 
 
 まずは素材探しをしなければならない。
 とりあえず,市内の某SSKつりぐへ行き相談してみたら,なんと牛の半端革(結構薄い)を分けてくれた。ちょっと堅いが,うまく鞣せば使えそう。
 しかし,家ではなかなか作業がはかどらない。
 そのうち,TKHンズで手頃な半端スウェードを見つけた。(450円+Tax)
 幅約5cmで長さ1m弱,黄茶色に染色されており,曲がってはいるがうまく半分に裂くと2本作れそうだ。
 さっそく購入し家に帰って半分に裂いてみる。
 定規でまっすぐに切ると幅の広いところや狭いところができるので,スウェードを縦半分に折りながら折り目部分にナイフを入れて慎重に割いた。
 もともとが幅にムラのあるものだったので仕上がりもムラムラの革布になったが,巻いてみた感じかなりしっくりと巻けた。
 しかしスプライスする作業って結構大変!,何が大変かっていわれても手のひらの中で起こっている微妙なアンバランスな感じは言い表せない。
 巻き終わりはとりあえず端っこを徳利結びで簡単に留めて素振りしてみた。
 お〜,フェルールが無いのが解る〜。
 FFを始めて20年以上経つが,スコット,フィッシャー,ダイアモンドバック,UFMとスピゴットフェルールのロッド ばかり作ってきたため,オービスとかセージのいかにもフェルールがありますって感じのアクションが嫌いだった。SaltWater用の道具が増えるに従ってセージもオービスも購入したが,フェルールの違和感はやはり感じていた。
 スプライスに関しては,いくらフェルールがないからと言っても外側に革を巻くわけだからフェルールに相当する部分の重さとか違和感があるのではと思っていたがそれが殆ど無い。。。(っていうか,ロッド全体がかなり重たいので感じられないだけかもね!)
 しかし,このロッド,かなり重量があり,しかも純潔なスペイアクション。ジェントルに振らなければロッドを止めた時の反動でこっちが投げられそうになる。
 
 暫定スプライサーができたので,とりあえずは一区切り。次はこの竿に似合うリール探しに入る。
 ハーディーの古いのはコレクターズアイテムで高いし,,フルーガーを購うて塗装はがしてクラシカルな感じに仕上げるんがええかの〜。っと思いながらヤフオクをチェックしてみると,なっなんとフルーガーメダリスト1496のセカンドモデル(ダイアノライトラインガード,メタルのスプールリリースカバーでスプール軸がピラーじゃないヤツ)がヤフオクに出てるではないか〜!しかも出品者はなんとキャスティングノートで有名な楽漫さんでないか!
 Kimooさんが掲示板に1595CRを持っているという書き込みをしてくれたが,1496を終了5分前の滑り込み落札!8,000円でした。
 楽漫さんとは以前メールさせてもらったことがあり,安心して取引できました。
 楽漫さんのHPでは18,000の価格で掲載されていましたが,その半額以下で落札できるとは,ラッキ〜!しかしファーローのDH(60,000円)も気になる品物だ。
 
 リールも手に入ったし,次はラインか〜。やはりシルクかね〜とか考えたが,よく考えてみると,昔は釣りから帰るたびにラインのクリーニングをしていたが,ここ10年以上ラインの手入れなんかしたことがない。こんなグ〜タラが身に付いた私にシルクラインは手に負えないだろうと言うことでまだ買ってません。
 
 しかし,大事な問題が未だに解決していなかった。
 革布の最後をどうやってスマートに巻き留めるのか????
 とりあえず再びTKHンズへ行ってみる。ここで「ふしぎテープ」なるものを発見した。
 テープ同士はくっつくが他のものへはくっつかないという代物。なんか使えそう!さっそくget!ついでに予備の革布をget。。色は前回と同じ色がなかったので赤茶色を購入した。
 とりあえず「ふしぎテープ」だけでスプライス可能かどうか確かめてみた。
 うんっ行けそう!。。。。と思ったのはつかの間,巻き留め部分がはらりとほどけ・・・やっぱ使えんか〜。
 しかしこの「ふしぎテープ」で仮止めをしてその上から革布を巻けば作業が楽になりそうだとひらめき,早速借り止めリングを作成した。作業した感じはグドグド!格段にスプライスの作業が楽になった。保護棒の固定もこれで楽々になった。でも肝心の革布巻き止めが解決せんのよね〜。マジックテーップにするか両面テープにはしるか・・・悩む。
 
 なかなかいい素材が見つからない中10月中旬になって再びヤフオクでいい出物を見つけた。シャープスのバンブーDH・13’・#9・インプリ・スプライス・ExtrTip付・No.刻印ナシ・38,000円から開始。13’になるとかなり持ち重りしそうだが,エクストラティップが付いてこの価格なら買いじゃねってことでしばらく様子を観る。。しかし,オークション終了日,次男に離乳食を食べさせたりしている間に終了時刻を迎えてしまい,結局入札せずじまいで42,500円で他方の手に落ちてました。
 しかし,まだ出物があって,再び楽漫さんが例のファーローをまたまた格安でヤフオクに出品してるではないですか〜!,十分手の届く価格なのですが,前回フルーガーメダリスト1496を格安で落札しており,再び私が買いたたくというのはちょっと気が引けるので遠慮しました。しかし,あのフェルールも魅力あるね〜。
 
 
 
 革布の巻き留めに関しては未だに満足行く素材は発見できていません。
 誰か,「私はこうしてます〜」とか「こんな物あるよ〜」とか「これ使えんかね〜」とかあったらどしどし情報下さい。
 
20031022:up
20031024:ダブルビルドの写真を追加
 
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