お父さんのうんこ この前家族で出かけようとしたら、 お父さんが、 「ちょっと家にもどる」 と言ってもどってこなかった。 ぼくが、 「なんでおそかったの?」 と聞いたらお父さんが、 「パンツ、洗ってた」 と言った。 「なんで?」 とぼくが聞いたら 「うんこ、もらした」 と言った。 お父さんは子どもっぽいなー 埼玉県朝霞市立朝霞第二小学校の四年生教室。担任の増田修治先生(46)の前で、32人の児童が自分の書いた「ユーモア詩」を読み上げると、次々と笑いがわき起こった。 お母さんが鼻くそをポトリと落とした話、顔の前でおならをして「むしゅう(虫生)だ」と言うお姉ちゃん、寝ている弟のへそに落書きした話…。ある男児は内証で母親のブラジャーを付けた話を書いた。 増田先生が「みんな品がないなあ」とおどけると、児童たちは「先生の下品がうつったんだよー」とやり返す。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ クラスでは週2〜3回、児童が専用ノートにユーモア詩を書いて提出し、先生がプリントにまとめて配布。家族の笑い話も多いが、発表はすべて保護者が同意している。 「お母さんはおしとやかな女性で通してきたのに!」と苦笑しながら、詩を送ってくる親もいる。 「互いに恥ずかしい部分をさらけ出すことで、子どもたちに一体感が生まれる。親も巻き込んで非常に関係が近くなる。当初はここまでの効果を期待していませんでした」 増田先生がユーモア詩を始めたきっかけは、前任地の小学校で直面した「学級崩壊」だった。 (中略) 「もう教師をやめようか」と自信を失いきあけた時、プリントに載せた「ぼくはやさしいお嫁さんをもらいます/うるさいのと文句を言う女は/お母さんだけで十分です」という児童の詩が、子どもや保護者に予想外の評判を得た。 “ダメもと”の思いで「くだらないことも下ネタもOK。自由に書いて」とユーモア詩を始めると、児童同士が「あいつは勉強はだめでも結構、面白いじゃん」と驚異間を持ち始め、クレームが多かった保護者も協力的になった。 「まじめな詩を書かせていた時は考えられなかった。一緒に笑い合うことで『友達っていい』『学校っていい』という原点を感じてくれた」 五月には児童の詩をまとめた『小さな詩、大きな力』(柏艪舎)を出版。自閉症や不登校の児童が詩を通じて心を開く過程もつづっている。 (中略) 愛知産業大学の橋本慶男教授が三重県内の複数の学校で、六百人の生徒にアンケートをした。「ストレス度」と「ユーモア度」の関係を調べると、ストレスの高い生徒ほどユーモアが少ないことが分かった。「笑いというと『ふざけている』という意識が強いが、学級運営を良くするには笑いの活用が必要」と指摘する。 笑いは点数にならないが、心の偏差値はアップする。