朝日新聞 2004年6月6日(日) 朝刊
授業で事件と向き合う
各地の教室で
「命」をもっと知りたい
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埼玉県の小学校では、4年生が総合学習の時間に作文を書いた。事件の翌日、男子が女子に「お前なんか消えちゃえ」と言い、言い合いになった。担任の増田修治先生(46)は「ちょっと危うさを感じた。インターネットの怖さや命の大切さについて考えてもらいたいと考えた」と話す。
「悪口を言い合って殺すなんて変だと思う。ひきょうだと思う」(男)
「殺した後、ごめんねと言っても遅い」(男)
多くの子が「なぜ」という疑問を抱えていた。
「なんでまだ6年生なのに人を殺してしまったのだろう? 6年生なんだから首を切ったら
死んじゃうなんてわかるんじゃないかな」(女)
自分に引きつけて、どうすればよかったかを考えた子もいた。
「あやまればいいのにと思った。すごくおこった時はむしすればいいのにと思った」(男)
「口で話してかい決すれば、自分の暗い気もちもはれる」(女)
ある女子は
「殺してしまった子は『命』というものが、ただ体のなかにあるものにしか見えていないん
じゃないかと私は思う。私も、もっと『命』について知りたい」
と思いをつづった。
増田先生は「子どもたちは事件に大きな関心を持ち、事件像を自分なりにとらえようとしている」と話した。