第一回・谷根千散歩    2006,9,23



谷根千(やねせん)とは、谷中・根津・千駄木のことである。というのは後日知ったことだが。
大都会・東京砂漠と呼ばれても、ここらへんはまだまだ下町情緒の残る地域であり、江戸時代から私たち昭和の時代までの歴史をうかがえる町だ。しかし、キッカケは私らしく食べ物に惹かれて立てた企画、それだけをキチンと決めた以外は気ままなそぞろ歩き。散歩はそうでなくちゃ、ね。
地元であるKeさん(去年のイタリア旅の相棒)とAさんのお二人と一緒で、実に心強く頼もしく楽しい散歩だった。



散歩マップ ぎんざ 猫 中野屋 築地塀 間間間 スカイ ザ バスハウス 下町風俗資料館 井戸 はん亭 コムム

コース順序 〓ピックアップして読みたい人は地図中の赤丸を(時には写真や文字も)クリック〓
千駄木駅(14時)→いせ辰→よみせ通りから谷中ぎんざ→夕やけだんだん→中野屋→築地塀→間間間→
SCAI THE BATHHOUSE→下町風俗資料館→言問通りから路地散歩→はん亭→COMUM→デニーズ→
根津駅から(0時)御茶ノ水へ


濱松屋  最初に入った、1864年創業のいせ辰は江戸千代紙専門店。
和紙のレターセットや小物入れ、紙ナプキンは和テイストのプリント柄。老舗の伝統を守りながら現代に合った小物も取り揃えている。
そしてよみせ通りをブラブラ歩きながら谷中ぎんざへ。
ここらへんに来ると、駅周辺では見られなかった“昔ながら”の建物が多い。
首を左右に振るだけで、両側の店が見られるほどの路地にギッシリと並んだ商店街。
濱松屋には可愛い鼻緒の草履も店頭に並んでいた。しかし、履く人はいるのだろうか?

中野屋

商店街を抜け、猫天国の夕やけだんだんを上る。
“夕やけ”と名前がつくからには、昔はここからの夕陽は綺麗だったんだろう。遠くの山まで見られたであろうこの場所も、今は四角いビルに遮られている。
上りきって少し歩くと佃煮屋があった。店の造りを見ると、昔ながらの味を感じる。並んだ大皿に引かれ、葉唐辛子と小海老の佃煮を買う。
いかにも散歩らしい買い物に、ちょっとホクホク顔。


菊寿堂いせ辰
東京都台東区谷中2-18-9
TEL;03-3823-1453 FAX;03-3823-1458
営業時間;10:00〜18:00 定休日;なし
http://www.tctv.ne.jp/miyakyo/tenpo/kikujudoIsetatsu/index.html
中野屋
東京都荒川区西日暮里3-2-5
TEL;03-3821-4055
 水曜定休
http://www.ntv.co.jp/burari/031129/info01.html


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猫1

夕やけだんだんでの一コマ。
石段下で日向ぼっこをしてた猫が上ってきた。男の子は友達になりたがってるみたいだけど、彼女は気まぐれ。
急がず焦らず、少しずつ距離を縮めていきましょう。
そのうち心を開いてくれるかもね。





猫2



人と猫で賑わっている階段と聞いたのに、圧倒的に人のほうが多い。どうしたのだろうと思っていたら、今日は草むらが遊び場のようだ。
昼寝から覚めたさっきの猫が上ってきた。 私も思わずレンズを向ける。
いつの間にか男の子も隣でシャッターチャンスを狙っていた。

大きな背中と小さな背中のツーショットはKeさんのシャッターチャンス。





後藤の飴
 夕やけだんだんから谷中ぎんざ商店街への入り口。
入ってすぐ、壁に絵が貼ってる右側の建物は創業84年の後藤の飴。三代目を継いでいるのは後藤ではなく伊藤さん。

空を縦横無尽に切り取っている電線も、これからは貴重な風景になるだろう。

後藤の飴
東京都荒川区西日暮里3-15-1
TEL;03-3821-0880
営業時間;10:30〜20:00(日・祝祭日 19:00まで)
定休日;水曜日 不定休(7月8月は連休多し)
http://www.yanakaginza.com/koten/gotoh/index.html


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築地塀
 谷中霊園方面の小路に入ると左手に朝倉彫塑館、その先を歩いていくと右手に観音寺がある。
ここは元禄の間、しばしば赤穂浪士の密談場所となった寺だ。観音寺の正面より左脇の路地を入ると、この築地(ついじ)塀があり昔の面影をそのまま残している。思ったより小ぢんまりとした、50mほどの塀だった。
近寄ってみると、土壁の間に挟まって層を成しているのは屋根瓦で、それが塀に味わいある表情を持たせている。


築地塀


谷中は寺町といわれ、私たちが歩いている道を挟んで霊園とお寺に分かれている。お彼岸の中日のこの日、大通りの渋滞を逃れるかのようにこの小路に車が流れてくるので、歩くのがチョット大変なことも。

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お茶をする店を探しながら歩いてたら、古い柱時計の架かった雰囲気のいい店を見つけた。
広い間口を開け放した“和風オープンカフェ”的な造りに惹かれ、ここで休むことに即決定。頼んだ飲み物も三人とも“温かい蕎麦茶”というシブめ嗜好。Keさんは最初、冷たいのが飲みたかったようだけど・・・。

間間間1 築85年の民家を保存するために二階は居住スペース、一階は週末だけカフェ(食事も)をやっているそうだ。
家具や窓も当時のままのものであると一目でわかる。その中に新しいオブジェもあるが、それらともうまく調和されていた。

間間間2







店の名前も確認しないで入ったお店だったが、実はKeさんが雑誌を見て気になっていた店だった。
結果オーライ。

間間間3
私の実家も、大切に使ってあげればまだまだ長持ちするかな。
目指せ、先ずは60年!

間間間
東京都台東区谷中5-2-29
TEL/FAX;03-3821-9118
週末営業
http://www.sankenma.com/index.html


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銭湯  誰がどこから見ても、外見は銭湯である。
江戸時代に建てられた「柏屋」という銭湯を改装し、ギャラリーとして生まれ変わった。中にも入ってみたかったのだが、休館日のため外観の観賞のみ。

“内風呂”という言葉が死語となり葬られてしまった今、別の役割を持たせて大事に使うことも、私たちの大切な役目なのだ。

スカイ・ザ・バスハウス
東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
TEL;03-3821-1144 FAX;03-3821-3553
日・月・祝日 休廊
http://www.scaithebathhouse.com/


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資料館1 上野桜木町の交差点に出て、小路の散歩は終わる。
この交差点にある下町風俗資料館は、明治時代に建てられた旧吉田屋酒店で、当時の典型的な商店を残している。

階段は上れないので一階の土間のみの展示場だが、薄い水色の瓶や昔の秤などは今では滅多に見られないものだ。
下町風俗資料館
東京都台東区上野桜木2-10-6 TEL/FAX;03-3823−4408
開館時間;9:30〜16:30(日・祝祭日 19:00まで)
休館日;月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
http://www.taitocity.net/taito/shitamachi/husetsu.html


資料館2



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井戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

民家

 交通量が多く歩道の狭い言問通りを根津駅に向かって歩く。

消防署(谷中出張所)を過ぎたあたりで、また路地へと入り込む。ひっそりと、でも何かが待っている感がたまらなく好きだ。そして面白く懐かしい発見。
相変わらず方向感覚はチンプンカンプンだが、今日は大船に乗っている。しかも水先案内人は二人。

小路よりもっと狭い通路の真ん中にいるのは井戸、手押し式ポンプだ。Aさんがハンドルを上下に動かすと、手ぬぐいで覆った口から水が出てきた。

いつからここにあるのか分からないが、今でもこの界隈の人たちと生きているのだ。

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はん亭
 ぶらぶら歩いてるつもりでも行き先ははっきり決まっている。
食の目的その壱、はん亭の串揚げ。
だがここは、明治時代の建物自体にも興味があった。元は下駄屋さんだった、木造三階建ての店舗や蔵は指定文化財になっていて、不忍通り側は甘味処として営業している。
写真を撮っていたら、のれんが出たので早速入店。

はん亭







入り口の隣にかかってた看板。
ダブルクリップで留めてあるところに、少し下町の香りが。




料理








料理



私たちは一の膳(海老、栗、谷中生姜、ホタテ、茄子、秋刀魚の六串)のみ。
次のためにここは軽く抑えて。

はん亭


店を出ると、辺りはすっかり闇に包まれていた。
外の灯り、中から漏れる灯りが和の心を照らし出しているような、優しい夜の顔を見せてくれる。

はん亭
東京都文京区根津2-12-15 TEL/FAX;03-3828-1440
開館時間;11:30〜15:00 17:00〜22:00
定休日;月曜(祝日の場合は翌日)
http://www.hantei.co.jp/


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さて、次はガラッと変わってイタリアンが本当の夕食。
このために串揚げを早く切り上げてきたのだ。言問通りを来た方向に引き返し、オステリア・コムム(KOMUM)へ。
カウンターは3席、テーブルは6卓ほどの小さな店でモダンな感じ。
前菜二品をつつきながら、夏の旅行の写真を見せてもらう。料理が美味しいと、なおさらイタリアへの望郷が強くなる。
次に来たミートボールのトマト煮のあとは2本目のワインとチーズを頼み、パスタを食べ損ねてしまった。残念!
しかし一番残念なのは、デジカメのご機嫌が悪くなったため写真が一枚も撮れなかったことだ。
この店はHPがないので、住所のみ記載でご勘弁を。あとはTOPの地図を参照されたし。

オステリア・COMUM
東京都台東区谷中1-2-18 マツダフラットビル1F TEL;03-3823-4015
営業時間;14:00〜22:30(LO)食事は17:00〜 定休日;火曜



 初の谷根千散歩、まったりと下町情緒に触れた一日だったが、当然まだまだ見尽くしてない。
今度はどの季節に会いに行こうか・・・。

もしかして、みんなの住んでる町にも昔ながらの日本情緒が息を潜めているかもしれない。
時間がないのか気がつかないだけなのか、その前を忙しそうに行き来してるけど、時には足を止めて小さな息遣いに耳を傾けることも必要なのだ。散歩は、そんな何気ない風景にも小さな発見をさせてくれる。

最後に・・・Keさん、Aさん、本当に有難う。またヨロシクね、と、この場で図々しくもお願いしてしまう私だ。

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------参考書籍:るるぶ・谷中 根津 千駄木 上野 浅草「江戸東京の下町を歩く」(関東67)------
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