◆ファイル保存のたびに、自動で古いファイルを追加保存してくれるツール
◆PDFで校正作業をする
ミル『代議制統治論』の翻訳で初めて、プリントアウトの校正刷ではなく、PDFを使って校正をすることを試みました。
紙の校正刷に赤ペンで校正するという昔からのやり方だと、いったん赤ペンで記入したものをあらためて修正すると、とても見づらくなります。修正をくり返すのに限度があることで、作業が妥協的になるのは嫌だな、と思っていました。
版組修正の担当者の方にとっても、ごちゃごちゃして見づらくなり、作業全体の遅れにもつながります。
Acrobatの【注釈】ツールを使ってみました。これなら、追加・消去・再修正が、納得のいくまで何度でもできます。PDF-XChange Viewerを使ってもいいと思います。
これからも、機会があれば、校正作業はこれで行こうと思っています。
◆紀要論文のコピーなど、見開き2頁分が1画面になっているPDFを分割するツール
紀要論文や本をフラットスキャナで記録すると、見開き2頁の文書になりますよね。
ところが、横書きでも縦書でも、見開き2頁分のものをふつうの横長ディスプレイで表示すると、「字が小さすぎて読めないっ!」ということになります。
なるべく大きく読めるようにするためには、ディスプレイの画面全体に1頁分を表示するのがいちばんです。横書文書は、これで対応できます。しかし、縦書では、読みやすくするために行末まで表示させると、字は大きなってくれません。仕方がないので、私は、ファイルをタブレットPCに移し、ディスプレイを縦にして読むようにしています。
また、横書と縦書のいずれにしても、ページスクロールをしやすくするには、見開き2頁分になっているデータを1頁表示のものに変える必要があります。この変換をしてくれる Briss というアプリは、たくさんのページがあっても一挙に処理できるので便利です。
ファイルの置き場所は、"Briss" で検索してください。
使い慣れれば便利なアプリですが、英文表記で、しかも、かなり「無愛想」です。最初は取っつきにくいので、説明を少し加えておきます。
左上の【File】で、処理するファイルを指定すると、右下のウィンドウが出てきて、「何をすればよいのかわからなければ、取消ボタンを押せ」(このアプリを使うな)と言ってきます。
こんな台詞にひるまずに、何も記入せず、【OK】ボタンを押します。
すると、見開き2頁の文書イメージの画面が出てきます。
たくさんのページを含んだ文書の場合、位置のずれ方のタイプごとに、このイメージが複数、縦にならんで表示されることもあります。
このあと、「どうしろ」という指示・説明は何も出てきません。
画面上で、マウスの左ボタンを押したままドラッグすると、薄紫の四角形が数字つきで出現します。縦書の場合は、右側のページを【1】とし、左側のページを 【2】とします。逆にすると、2頁→1頁→3頁というおかしな順序になってしまいます。(横書の場合は、左を【1】、右を【2】にします。)
この四角形の上で、マウスの右ボタンを1回クリックをすると、メニューリストが出ます。【select】の文字が入っているところを選ぶと、四角形のサイズが表示されます。
四角形の上で、マウス左ボタンを押したままドラックすると、四角形が、サイズはそのままで移動します。右上・左下の色の濃くなっている小さな四角形をドラッグすると、サイズが変わります。切り出したいサイズや位置を考えて調整します。
左右のページで、同じサイズにしておきます。
左右見開きのイメージが画面の下に出てくる場合には、そこにも四角形を設定します。数字が出ていて、【select】の状態になっている四角形を左シングルクリックでメニューを出しコピーし、貼り付けたいところでペーストすれば、作業が簡単になります。
あとは、左上のメニューの【Action】のところから、【Crop PDF】を指示すれば、1頁ごと表示の別ファイルに書き出されます。
最初は、やりにくく感じられますが、何度か練習するとスムースにできるようになります。練習の前には、元のファイルのバックアップを忘れずに。