回転数合わせ

マニュアル操作の基本の一つであるエンジンの回転数合わせについて書いてみました。

■ 回転数合わせ
シフトチェンジをするとき、車の速度とギア比とエンジン回転数が一致していないとガタガタっと車体にショックが発生してしまいます。
半クラッチを使えばショックを抑えることも出来るのですがクラッチの寿命が減ったり焼けてしまったりするのでお奨めできません。

MTはシフトチェンジするとき以下のような操作が必要になります。

■通常のシフトダウン
  1.クラッチペダルを踏み、クラッチを切る。
2.エンジンの回転数を合わせ(アクセルを吹かす)、シフトダウン。
3.クラッチを一気につなげる。

ギアとエンジン回転数が車速とピッタリ一致するものならばクラッチ一気につなげてもショックがまったく起こりません。

この回転数合わせはMT車の基本的な操作の一つです。MT車の基本なのでスポーツ走行のテクニックで有名なヒール・アンド・トゥの基本になるものでもあります。
是非覚えましょう。
 
練習の仕方
※公道で練習する場合は回りの迷惑にならないよう空いている道で練習しましょう。

回転数合わせはシフトダウンの時に多用しますのでシフトダウンで練習されると良いでしょう。
ギア比の差が小さい4速→3速で練習すると回転数を間違ってもショックが少ないのでお奨めです。

練習の例
まず4速〜3速へシフトダウンの練習をすることにしましょう。
前提条件として60キロで走行したとき4速は2,500rpmで3速は3,500rpmだったとします。
4速で60キロ走行しているとき、3速にシフトダウンするとエンジンの回転数は3,500rpmに合わせてあげなければいけません。

では細かく手順を追って見ましょう。
  1.まず4速60キロ巡航まで持っていきます。(4速 2,500rpm)
2.クラッチペダルを踏みクラッチ切ります(4まで踏みつづけます)
3.アクセルを吹かして3500rpmに合わせます。
4.シフトレバーを4速から3速へ変更(下から上なので楽チンですよね?)
5.クラッチを一気につなぎます。
6.シフトダウン終了

どうですか?出来ましたか?
センスがイイ人じゃないと一回ではできないと思いますので何回も練習してください。

4速から3速が出来るようになったら3速から2速・・・という感じで行っていってください。
それも出来るようになったら4速→3速→2速と連続してシフトダウンしてみましょう。
最終的には5速〜2速までスムーズにシフトダウンできるようになります。
1速は・・・ギア比の関係でエンブレが大きいので、よっぽど低速でない限りやらないほうが無難です。
スポーツ走行(特にジムカーナ)などされる方は多用するでしょうが・・・。私は加速時以外、1速は使っていません。
ま、馴れたらちょっと試してみてください。

シフトダウンがスムーズにできるようになればシフトアップも自ずとスムーズにできるようになるはずです。
さあ、頑張ってください。
 
ヒール・アンド・トゥ
ヒール・アンド・トゥ(heel and toe) はその名の通り、足のツマサキ(toe)カカト(heel)で操作するテクニックです。
具体的にはツマサキでブレーキを踏みながらカカトとでアクセルを吹かして回転を合わせシフトダウンする。
コレはスポーツ走行でパワーバンドを確保する(素早く再加速に備える)為に必要なテクニックです。

さーて、練習する前に操作方法について説明しましょう。

まずヒール・アンド・トゥという名前に圧倒されて難しいと思ってしまいますが回転数合わせができるならば操作自体はそんなに難しいものではありません。
何故ならばブレーキを踏みながら単に回転数を合わせるだけですから。そう考えるとそんなに難しいという感じはしなくなると思いますが・・・どいうでしょ?


※実際スポーツ走行時に使うときは限界領域で行うのでちょっと大変かな?(笑)

とりあえず操作を覚えて、その後に使用する場面で使っていきましょう。

【操作の練習】

■操作の手順
  まずこの手順を覚えておきましょう。
1.速度まで加速します。
2.足のツマサキでフルブレーキ(最後まで踏みっぱなしです)
3.クラッチを切る
4.カカトでアクセルを吹かし回転数を合わせる。シフトダウン。
5.クラッチをつなぐ。
6.ブレーキを戻す。

※ブレーキ以外は全て一瞬で操作します。


■イメージトレーニング!
  いきなり操作するのもいいのですがやはりイメージトレーニングしてからのが良いでしょう。
イメージトレーニングは車が無くてもできますからね。


もう少し細かく言うと・・・ブレーキを踏む場所は足のツマサキ親指の根元〜中指の根元あたりで踏みます。
アクセルを踏む時はブレーキを踏んでいる箇所を支点にして逆時計回りに足を回してカカトをアクセルの方向へ持っていきます。
アクセルをカカトで踏むのですが実際は足の外側(土踏まずの逆の)あたりで踏むことになると思います。
アクセル操作するときもブレーキの踏力は変えてはいけません。踏力は常に一定を保ちます。(※操作で一番難しいのはココだと思います。)


■エンジンを停止している状態で練習
  まずエンジンを停止している状態で練習します。
停止していればミスしても全然問題ないですからね。
ブレーキは何回か踏むと踏めなくなってきます。一度エンジンを掛けて元に戻して再度練習です!
エンジン掛けたままですとシフトチェンジは出来ませんよ(笑)


■実際走行して練習
  周りに迷惑が掛からないような状態で練習しましょう。前後に車がいないような状態が望ましいです。
失敗して前突っ込むような状況下では練習しないように。
もちろん練習は直線で行いましょう。コーナリング中は完璧に使いこなせるようになってから・・・むしろサーキットで練習すべきかな?
公道で練習する場合はブレーキは軽く踏む程度でやっていくと急停止にならないので良いと思います。
もちろん踏力は常に一定ですよ!


■使用する場面
  操作を覚えられましたか?次はその操作を必要な時に行うということです。
ヒール・アンド・トゥの使用する場面は荷重移動、並びに再加速をする時だと思います。
つまりコーナリング・・・の時に使うものですね。
コーナーにもよりますが進入するときフルブレーキします。つまり減速なのでエンジンの回転数も落ちてしまいます。
荷重移動に必要なアクセルコントロール、もしくは再加速するときパワーバンド(エンジンが最も効率よく力を発揮できる回転域)が外れていると
再度パワーバンドまで持って行くのに若干のタイムラグが発生してしまいます。
そこでパワーバンドを外さないようにするためシフトダウンする・・・つまりヒール・アンド・トゥを行うのです。

ちなみにパワーバンドは最大トルクと最大出力の間です。
MR-Sですと最大トルクが4,400rpmで最大出力が6,400rpmなのでこの間の2,000rpmがパワーバンドになります。

実際使用するのは限界領域付近ですので公道ではあまり使わないと思いますが、稀に使う場面があったりします。
私も無意識でヒール・アンド・トゥ使っている時があります。
ココまで書きましたが、私のやり方・・・間違っているかもしれませんのであしからず(おいおい)

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