老若男女のこころをわしづかみにし、大興奮のうずに巻き込んだオペラ『ロはロボットのロ』(99年初演)、オペラ『まげもん-MAGAIMON』(02年初演)に続く、新作オペラ第三弾!

今回はネズミが主人公。舞台は縁の下の戦場か?あっちこっちの前線を旅して回るテンジクネズミの‘天竺一座’。座員は、父親マンガン、母親スズ、息子チタン、娘リンのたった4人の家族だけ。野ネズミの軍曹、娼婦のネズミもまきこみ演じるのは、ご存じ「西遊記」。気弱な野ネズミの兵隊はリンに惚れて旅回りについてくる、チタンは軍隊へ入り、一座と離れてしまう。戦争は続く……家族の悲しい歌も増えていく。それでも‘天竺一座’愛と笑いと涙の舞台は続く……

そんな鄭義信の描く色濃い世界をオペラに仕上げるのは、萩京子の音楽。サムルノリ(朝鮮半島の4種の伝統打楽器を使った演奏スタイル)もとりいれ、パワフルに展開します。
そして、豊富なキャラクターのこんにゃく座歌役者たちによるダブルキャスト!どうぞ、東も西もご覧いただけますよう。寒い2月、こんにゃく座のオペラを観に、劇場へ足をお運びください.
座員一同、お待ち申しあげます。  

2008年冬

オペラシアターこんにゃく座

鄭義信CHONG WISHING)/劇作家・脚本家・演出家

93年に『ザ・寺山』で第38回岸田國士戯曲賞を受賞。映画『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』『血と骨』などの脚本でも数々の賞を受賞。さらに芸術祭賞大賞を受賞した『僕はあした十八になる』(01年NHK)などテレビ・ラジオのシナリオでも活躍。084月、新国立劇場とソウル・芸術の殿堂による日韓合同公演で作・演出をした『焼肉ドラゴン』は、歴史に残る大評判の舞台となりました。