美 笛 川                    

 雨の後に濁ってしまう川が多くなってきまし

 たが、いつでも美笛は清流です。ここを住処

 にしているヤマメたちは、幸せ者ですね。

 次々にだめになり壊れていく川を見てきまし

 たが、心や安らぐ渓相です。

 しかし、近くを道路が通り車が走る。とても

 原始の自然とはいえません。

 峠の道が難所でなくなったときが、渓流の

 危ういときです。

  生きの良いヤマメを並べて写真を撮るのは

  難しいことです。飛び跳ねてちっともじっとし

  ていませんね。

  先日、ヤマメ料理が売り物の料理屋さんに

  いってきました。大きな水槽にたくさんのヤ

  マメが泳いでいました。尾の跳ね上がった

  塩焼きをいただきましたが、「生きが良い」

  というのと「美味い」というのは、同義語で

  はないのです。

  水槽であえいでいる魚より、釣り上げたら

  すぐに血抜きをして冷温保存したものの方

  が美味しいのです。

  と言うことは、

  やっぱり、川原の焚き火での串焼きですね。

  これに勝るものナシ。

  せせらぎと紅葉と小鳥のさえずりの中で過

  ごす贅沢。

  ただし、クマと共存できそうな人に限ります。

  実は、幼い頃から漁師になりたかったので

  す。今の職業も成りたくてなったのですが、

  今でも漁師になりたいと言う気持ちが半分

  程生きています。

  マレさんは、休日に渓流の漁師になる。

  漁師は、魚との駆け引きと読みのなかでプ

  ロの仕事をします。時、場所、天候、波、色

  風、潮・・・全てを見ながら。