2002.3.16 名古屋駅・初お出迎えレポ

 ツアー初日、生まれて初めてお出迎えをしてしまいました。何もかも初体験のひとときでした。

 初日前夜、西川君のお出迎えの話がBBSで出ていた。明日は、珍しく母が午前中から子守に来てくれるので、お昼頃なら行けない訳ではない。もっと何年も後、子供が手を離れてからでなければチャレンジできないと思っていたお出迎えができるかも。
 でも西川君の予定がさっぱりわからない。5:45開場で、駅から会場までは車で20分くらい。だから、2:00くらいに名古屋着かと思ったけど、初日だからもっと早いかも。午前中かもしれないし、もしかしたら前夜の内に来名していて、ハル君と呑んでいるかもしれない。わざわざ母に子守をさせておいて作った時間を棒に振るかもしれないと思うと、やはり止めようかという気持ちが起きる。でも、BBSに去年のセンチュリーの話が出ていて思い出した。そうだ、あの時、西川君は、駅に出迎えが無くて寂しいと言っていたっけ。そうだったよ。…じゃあ、行こう。会うだけならライブでいっくらでも会えるけど。駅では会えない可能性の方が高そうだけど。西川君が喜んでくれるなら。行くしかないでしょう。折角のチャンスなのだし。ということで、初お出迎えに向かうことにした。

 朝、夫と長男を送り出し、母を駅に迎えに行って、家に帰って申し送りして、またすぐ駅にとんぼ返り。さあ、出発。
 11:50に新幹線ホーム着。さてどの辺にいればいいのだろうと心細く思いながら進むと、なじみのBBSの皆さんが! うわあ、会えるとは思ってなかった。すごくほっとした。場所は南出口へつながる階段前。なぜそこかと聞けば、グリーン車で、喫煙車両が止まる辺りだからとか。さすが経験者は読みが深い。予想では12時頃着ではないかという話だった。いずれにせよ、14時には決着がつくだろう。
 ホームのその辺りにはお出迎えに来た大勢の女性がいる。見渡すと「やっぱり年齢層の幅が広いわ」と思う。十代から四十代位まで、いろんな年代の人たちがいる。
 しばらくすると、キャー!とう歓声が聞こえ、私達から少し離れた階段に大勢が叫んで走っていった。思わずみんなで追いかけたが、ハズレだった。なんとV6の岡田?とかいう人だったらしい。知らないなあ、そんな人。
「なあんだ、V6かあ」
などと、恐らくは一般的感覚からかけ離れた感想を言い合いながら戻ると、待ち人数が半分くらいに減っていた。年齢層は高い方にジャンプしていた。十代、二十代がごっそり抜け落ち、十代位の子達6、7人と、あとは三十代以上がほとんどという感じ。うーん、西川君がおねーさま方に愛されているのがよくわかる。
 しかし、できればお出迎えは整然と、粛々とやりたいと思っていたが、今の様子ではとても無理みたい。遠くに西川君が現れちゃったら…やっぱり走るだろう。公共の場をお騒がせしたくは無いのだけど。ちゃんとお出迎えできるか、少し不安になる。
「大体、何時頃、何号車に乗って来るってわかってれば、雛壇作って待ってるのに!」
と思いはするけど、そりゃ、いつ来るかわからなくても待っててくれる方が嬉しいだろうねえ。
 来る前は、何時間も待つのはすごく大変そうだと思っていたが、行ってしまえば、ずーっとおしゃべりしている内に楽しく時間が過ぎていった。何時間も立ちっぱなしで、我ながらすごい。他じゃできないよ。ライブ前から喉がかれてしまった。
 名刺交換したり、最近の西川君のセクシーショットの事などをおしゃべりしていると、つい盛り上がっちゃって、
「シーッ! シーッ! 『シリエクボ』とか『チクビ』とか、そんな単語を大声で話しちゃダメー!」
なんてことになったり。危ない危ない、TMRの品性を疑われるようなマネは、厳に慎まなくては。でもこういう話、楽しいんだよね。
 何時間も大勢がたむろしているので、ふと気がつくと売店のお姉さん達がこちらを見に来ていた。構内清掃のお兄さんも、誰が来るのか聞きに来た。さぞかし何時間もご苦労な事だと思っただろう。
 のぞみかひかりが着くたびに、遠巻きにして車内をうかがう。十代くらいの子達は、黄色い線ぎりぎりのところで車内をのぞき込んでいたが、それはやっぱり車内の人たちに失礼なので、良くないよね。ここで注意する勇気が…必要だったかなあ。
 12時台には現れず、本命は1時か1:30ののぞみだろうと皆予想して、どきどきして待っていた。でも、それにも乗っていなかった。もう会場に行っちゃってるのかもしれない。もしかして早朝に来たのではとも思ったが、夜行バスできた人が、6:30からはっていたと言うので、それはなさそう。でも前日に来てしまっていることも考えられるし、このまま「次の便まで」とのばしていると、きりがなくなってしまう。だんだん待ち人数が減っていく。
 これで来なければ行こうと思って待った2時ののぞみ、西川君は乗っていなかった。これより後ということは考えにくい。仕方無くホームを出ようとしていたら、さっきの便にバンドメンバーの山田さんとすなおさんが乗っていて、電車に乗り換えて会場へ向かったという情報が! バンドメンバーが西川君の後に来ることはないはず。なら、西川君はきっと次の便だ。ということで、2:34ののぞみまで待つことにする。そして改札口に来ていたフィガロさんから、ガードマンぽい人たちがいると情報が。フィガロさんもホームに来て、合流。この時点で、ホームの人数は大分減っていた。私に見えた限りでは、十数人だったのでは。

 そして2:34。人だかりが動いた。私達が予想していた喫煙車両ではなく、別の階段そばの禁煙車両の方。あわてて移動する。人混みの中、キャスケット、赤い髪、白い肌の後ろ姿が見えた。いた! 西川君だ! 車両から出てきた所だ。行っちゃう! やだ、後ろ姿しか見えずに終わるのはいやだ。急いで追う。ごめんなさい、ホームで走っちゃってごめんなさい。歓声が聞こえる。ガードマンが「下がって!下がって!」と叫んでいる。西川君一行が階段を下りていき、それを追う人と一般客とで階段は一杯。これをかき分けては行けない。階段横のエスカレーターを下りた。西川君の一歩前に出た! うわ、西川君だよ! そこにいるよ! 階段を一緒に下りるよりは距離があるけど、それでも3mは離れていない。少し下から西川君を見上げる。嬉しそうだ。微笑んでいる。なんて白い肌。ピンクの唇。白い肌。ピンクの唇。もうそればっか。その他の服やら何やらなんて目に入らない。
 「タカノリー!」と叫んでいる人もいる。声をかけたいけど、公共の場で大声を出していいものか。それを西川君はどう思うか。少し迷ったけど、「ようこそ!」って叫んじゃった。絶対聞こえた。いやな表情はしなかった。喜んでくれてるはず。
 駅構内を大騒ぎでみんな追いかけて行く。私も内心で駅員さんに謝りながら追いかけたが、さっき階段で西川君を見て、結構満足してしまった事もあり、改札口の大混雑で引いてしまった。西川君の影も見えない後の方から追いかけていく。
 下にはもっと大勢の人が待っていたようだ。ふくれ上がった群衆が通り過ぎた後、周辺の店から店員さん達が何ごとかと出て来ていた。一般の人達もビックリ顔で立っている。そしてタクシー乗り場へ。すごく大勢の人がいる。何十人も。黒山のひとだかり。すごい歓声。バンが来ていて、既に西川君は乗り込んだ後だった。車内は見えないようになっていたので、もう西川君の姿は見られなかった。それでも車が出る時、みんな盛んに手を振って「さよならー!」「いってらしゃーい!」と見送っていた。西川君は、あの一生懸命振られる何十本もの手を見ただろうか。見てくれてたらいいな。
 そして車が去った後も、みんなさっさとそこを去るのではなく、その場で歓びあっていた。会えた幸せをかみしめている。とても暖かい光景だった。
 この大騒ぎに偶然居合わせた人々の声も聞こえてきた。通りすがりの女子高生達が、
「すごい小さい人がいると思ったら!」
「女の子かと思った!」
「きれいだった!」
「えー、いたの!? 見なかった! やだ悔しー!」
と言いあっていた。何時間も待った人もいれば、たまたま出会っちゃう人もいる。見られた通行人さん達、キミたちはとってもラッキーなのよ。私達の西川君、ステキだったでしょ。

 絵に描いたようなスターのご到着だった。それもとても暖かい。どう、西川君。嬉しかったでしょ! と思っていたら、ライブ中にちゃんと言ってくれた。嬉しかったって! 私もすっごく嬉しかった。これからもどんどん来てくれって! も〜、ほんとに愛されたがり屋さんなんだから。
 やっぱり行って良かった。綺麗な顔。嬉しそうな表情。間近で見られた。そして何より喜んでくれた。
 普通、「ファンの出待ち」なんて、マンガや小説では迷惑行為として扱われてる。でも、西川君は喜んで呼んでくれる。これって、ファンを信頼していなければできないことだよね。ファンのことを大して好きでもなく、群衆になったら何をするかわからないと思ってたら、集まれなんて言えないだろう。西川君は本当に、私達のことを信頼して、愛して、愛されたくて、会いたいと思ってくれているんだ。こういう関係でいられるって、なんて幸せなんだろう。彼に愛されるに値する存在でありたい。

 まだまだこれから本番のライブだというのに、とっても満足してしまった。ちょっと腰は痛いけど。白い肌とピンクの唇が頭から離れない。あー幸せだった☆