2002.3.16 B★E★S★T 名古屋公演初日 一年間、何としても参加したいと思い続けたツアー初日。前夜は興奮して眠れず、結局寝付いたのは3時くらい。が、翌朝は6時に目が覚めて、もう眠れない。今から手がふるえてる。ドキドキしている。ああもう、体が反応しちゃってるよ。 実家から来てくれた母に子守を頼み、出発。名古屋駅にて初のお出迎えに挑戦。2時半頃、お出迎え成功! すっごく嬉しい。その後、遅いお昼を食べに行くと、急に腰が痛くなり、どっと疲れが出てきた。ずーっと立ちっぱなしでしゃべり続けていたからねえ。 会場の名古屋センチュリーホールへ。開場時間までまだ2時間近くあるのに、既に外まで長蛇の列。それが全部物販の行列だと知りびっくり。初日参加は初めてなので知らなかったのだけど、初日はこんなものだそうだ。とても買えるとは思えないが、とりあえず並ぶ。 私の後ろは、初参加の娘さんを連れてきたお母さんメンバー。自分のお下がりを着せたという、中学生の娘さんはPROGRESSのジャージ姿。似合いすぎ。まるで部活帰り。「疲れた」という娘さんに、「学校なんて行って来るからよ!」というお母さん。すごいぞ。 周囲を見回すと、男性の姿がすごく少ない。progressのファイナルの時より、確実に少ない。ちょっと寂しい。 私は3階席だったが、会場で急遽、1階の友人の横に行かせて頂いた。相方さんが急病で来られなかったとか。申し訳なくも、ありがたく移動。席は1階18列。1階はやっぱり近いわ。 私の席の後ろはPA卓。同じ列に、記者らしい人達も座っている。そして通路を挟んで最初の列に、年輩のご婦人三人が座っていた。雰囲気が周囲と全然違う。ライブに参加というより、父兄会的な感じ。もしかしたら、西川君のお祖母様とお母様、叔母様かしらと思ったら、本当にそうだったらしい。ただし、叔母様かと思ったのはハル君のお母様らしいけど。うわあ、よくお顔を拝見しておきたかったわ。 後で聞いた話では、お母様方は本当はもう一つ後ろの列だったが、前の列の人が気を利かせて交代したとか。なんて素晴らしい心配り。ずっと座っていらしたから、前の列が立っていたら、全然見えなかっただろう。えらい! 私からも感謝。 席に落ち着くと、不覚にも飲み物を忘れたことに気づいた。あるのはドリンク剤一本。大丈夫だろうと高をくくっていたが、やはりこれでは足りなかったと後から思い知らされる事になった。 いよいよ開演時間が近づく。ターボコールが始まる。私は妙に冷静だった。朝からあんなに震えていたのに。 ターボコール、元気はあるんだけどすごくバラバラ。それがふと、一つになった。会場中の声が揃い、一つの大きなコールになった。うわあ、と思った次の瞬間、客電がおちた。すごい! 感動! 映像が流れる。宇宙を進んでいる。Out Of Orbitの星に向かっているのだろうか。そして、「LIVE REVOLUTION B★E★S★T」の文字が。思いがけず泣きそうになった。急激に気持ちが盛り上がってきた。ドキドキする。そうだよ、ついにこの時が来たんだ! やっと会えるんだよ!? さあ! 西川君登場! 場内の歓声は、ほとんど怒号。全員が最大の声を出しているのだろう。 最初は『独裁』。この歌、ずっと待ってた私の気持ちだった。デビュー曲だから最初に来るのは順当なんだけど、私達の気持ちを察してくれてるように思えた。 『魔弾』目一杯飛びはね、拳を振って、早くも脇腹が痛くなって我ながらびっくり。体力作りしてたのになあ。 『蒼い霹靂』『WHITE BREATH』と続く。WBは、バンドの音がすごくカッコイイ。ドラムやギターがすごく目立つ曲になっていた。 みんなものすごい声で歌っている。演奏の轟音と西川君の声の他に、ちゃんと客の声が聞こえちゃう。でも一瞬全ての音が消えた時は、本当に何の音もしなかった。すごいよ。なんて息が合っているんだろう。 この辺だったか、西川君が舞台端に行こうとして、勢い余ってかスピーカーにつまづいて転びそうになっていた。どっきり。あんな光景、昔のライブビデオでしか見たことなかったなあ。 『アンタッチャブルGIRLS』では、「からだもちょっと自信ある」で、お腹を出してまさぐっていた。セクシー! そりゃ自慢の体だよね。 この曲は、一緒に歌うよりただ西川君の歌を聴いて、スイングしていたい感じだった。 多分この曲の時、途中で英語詞みたいなので歌ってた。みたい、というのは、日本語かと思ってたら英語みたいで、でも日本語が聞こえてくるようで、よくわからなかった。したい放題してる感じ。 『臍淑女』 バックに、PVが流れてたけど、途中で今歌ってる西川君の映像に切り替わった。嬉しい! ホールサイズでも、西川君の表情が良く見えるようにして欲しかったのよ。 やってくれるわ〜。 『HIGH PRESSURE』 『HOT LIMIT』 夏つながりでヒートアップ! 「恋にかまけて」の所から急に声にドスがきき始めたかと思うと、 「タカノリ的にもオールオッケー!!!」 ものすごく力強く、吠えるように。前の歌詞の印象を消すためというより、彼がこれからのTAKANORI MAKES REVORUTIONの主体であることの意思表明のように感じた。 観客の盛り上がりは、すごいを通り越して暴走状態。気持ち一杯で素晴らしいんだけど、その勢いで、アレンジされた曲もいつも通りに歌ったり、フリをつけたりするので、ちぐはぐさを感じる事も何度かあった。いつものお決まりの両手フリは、合わない曲が多くなっていると思う。私としては「この曲ではこうする」のではなく、あるがままを聴き、西川君の歌声にただ身をゆだねたい。まあ初日で、みんな溜まりに溜まった気持ちが溢れてるんだから突っ走るのは仕方がないけど。むしろ、ちぐはぐさがあっても、高ぶりはちっとも冷めたりしないのがすごいというべきか。違和感など蹴散らして突進しているみたい。 『BOARDING』 バックの映像は砂漠。原曲より、骨太な感じがする。西部劇に出てくるような音楽だな、と思った。…全然違うだろうけど。アコギをジャカジャカやってれば西部劇と言うわけでは無いとはわかってるけどさ。音楽的知識の無い私はそう思ったの! 『THUNDER BIRD』 映像は波。ハードボイルドっぽい感じ。聴いていると、どこかで見た『モノクロ映像の、アスファルトの上で雨に打たれる薔薇』が思い出された。ハードな哀愁的イメージ? これだけじゃなくて、全体に音が骨太な感じになっていると思う。 面白いのは、『BOARDING』とか『THUNDER BIRD』は、今までならじっと聴いているタイプの曲だったが、なぜか今日は体がリズムをとって揺れる。ダンサブルとかじゃなくて、もっと体の芯が揺すられる感じがする。こういうのをグルーブ感っていうのかな? ここでMCだったと思う。すごく楽しそうだった。 「初日からこんなにとばしていいのかと思うくらいとばしてますが、それもお前らが」 お前らがすごく盛り上がってるから、ということを言ってた。 「今日は駅で、かつて無いほど盛大な出迎えを受けました。嬉しかった。 鉄道警察に助け出してもらいました。マネージャーの話では、 俺の後ろに小宮悦子がいて、鉄道警察隊に押しとどめられてたらしい。とんだ迷惑。でも、これで小宮の口から、ニュースステーションでやっぱりTMRはすごいと流れたりすると…。」 「これからも駅の近くで親戚とかいたらどんどん呼んで!」 「今日は朝から、最高の日になりそうな予感がしていたけど、今から的中しそうな気がする。」 「途中から言うのも何だけど、今までのはおいといて、今日は今日の曲を楽しんで欲しい。」 「ベストでキャンペーンに回るアーティストなんて聞いたこと無い(笑)。」 「でもそのおかげで。色々嬉しい話を聞けた。リクエストで1位は、本当に嬉しい。 CDなんてどれだけ売れてもちゃんと聞いてくれてるかわからへんけど、リクエストは単純に嬉しい。」 よかった、やっぱり喜んでくれてる。本人の口から言ってもらえると、すごく嬉しい。みんなものすごくリクエスト頑張ってるもの。思いはちゃんと通じている。 「誰も見たことのない景色を、本当に、見に行こう。それには、俺だけの力ではだめで、みんなの力がないとだめなんで。」 『本当に』という言葉に、とても気持ちがこもっていた。口先とか、夢とかではなく、西川君はこれから、私たちと一緒に新しい何かを、現実に実行する気なんだと感じた。 「みんながいてくれれば、絶対、面白いことができると思う。」 そして、 「お前らにこの曲を贈ります」 『hear』 CDで聞いたときは、あまりにもフィナーレ的楽曲で、こんなのライブで、しかも終盤で歌われたら、絶対泣くと思った。でも、ライブでは、終わりよりも前進の意志を感じた。泣かなかった。 『Twinkle Million Rendezvous』 青いライトで会場中が染まった。蒼一色の世界の中、西川君の上半身だけがシルエットで浮かんでいた。ああ、人魚がいる。波間に浮かぶ人魚。下半身は海の青に溶けて。テレビではサリーちゃんのパパに見えた髪型が、今日は獣の耳に見えて、美しい獣のようだと思っていた。でもこの時ばかりは、人魚のヒレに見えた。 音。シンセのオーケストラ風で、すごく意外だった。今回は生音メインでいくと思っていたから。壮大で、アニメ映画のテーマ曲みたいな音楽。最初、何の曲か全然わからなかった。これが来るとは! 心一杯込められた歌声。これは私達の為の歌だ。泣けた。ビデオで見た、ドームライブで西川君が泣きながらこの曲を歌った光景が思い出された。 この歌の時だったろうか。西川君が一瞬、自分の体を抱きしめた。私も思わず、たまらなくなって胸を抱いた。胸がいっぱい。 幕間、スクリーンに宇宙を進んでいく映像が流れる。もしかしたらこれは、Out Of Orbitの星へ行くというより、私達が新たな世界に進んで行っているということなのだろうか。なら、今私達は宇宙船TMR号に乗っているのね! と思っていたら、小惑星帯につっこんで、右舷損傷! ちょっと、WARNING出てるよ! 被害大きそうだよ! 大変じゃん! 「どーすればいいんですか、西川艦長!? 私達どうなっちゃうんですか!?」 とドキドキしていたら、ポップアップで西川君、画面前に登場。今度は真っ黒衣装。そのまま『JUGGLING』へ。画面には、通路みたいな所を延々進んでる映像が流れている。事態が解決された様子はない。西川君、そりゃもちろん歌ってくれていいんだけど、ねえ、ほっといていいんですか? 艦長、どうにしかして下さーい! と気になって仕方なかった。しかし後になって気づいたのだが、グッズの布バッグにはシャトルからの脱出方法の説明イラストが。…こうなっちゃうんですか? あんな所で? 助かる率、すっごく低そう…。 それはともかく、JUGGLING、すごくかっこよかった! これは実はCDで聞いたときは余りピンとこなくて、多分ライブで聞くとカッコイイだろうなと思っていたら、予想的中! すごくいい。荒々しくて、ドスが効いてて、色気があって、かっこよくて。もう今日のベスト3入りは確実! …あ〜、でもやっぱりベストなんて選べないなあ。どれもこれも良いったらない。 続いて『I.D.』。かっこいいけど、progressツアーの時ほどの衝撃はなかった。私的には、ちょっと印象がJUGGLINGとかぶる。こっちかJUGGLINGの時か、マイクスタンドを後ろ向きに蹴り上げたのがかっこよかった! 『BRIGADE』あー、なんか久しぶりな曲。原曲は、冒頭の『いかにも原始モノ』みたいな、棍棒でポコポコとリズムとってるような部分が嫌いだったのが、今日は気にならなかった。 『WILD RUSH』 この2曲、野生つながりかな。 西川君「聞かせろよ!」と叫ぶ。場内、思いっきり歌う歌う。後半の曲はあまり歌自体にはアレンジを感じず、みんなのびのび大声で歌っていた。 『HEAT CAPACITY』 「君のとてもいいところを」の時は、ついどこを指さすか見てしまうわ。 画面で西川君の顔を映してくれて嬉しいけど、実は結構クセモノ。画面を見ると体全体の動作がわからない。それに、真正面から撮る訳ではないので、西川君本人の向きと、画面上の西川君の向きにズレが出る。画面の西川君の横顔を見ていたら、気が付けば実は自分の方を見てくれていてびっくり、とか。しゃがんで歌ってるな、と思ってたら、実はカメラを覗き込んでて画面ではアップになっていたらしく、見逃した! と思ったり。難しいぞ。 『LEVEL4』 前の曲が終わって、飲み物の方に行って、普通は大人しく水を飲んでいるのに、じたばた足踏みしている。踊っている。勢いが収まらないみたい。そのままの勢いで戻ってきて。煮えたぎってる感じ。猛スピードでエールの応酬! 「まだまだ行けるか!」「イエー!」 「まだまだ行けるか!」「イエー!」 「まだまだ行けるか!」「イエー!!」「行くぜレベル4!!!」 手を付けられないヒートアップ! 限界超えなきゃどうするっての! 『LOVE SAVER』 そしてこれになだれ込む。自殺的曲順。ラジオでも「この曲は大変。つらい」って言ってたのに、自虐的と思えるほど大変な時にこの曲持ってくるよね。それだけに盛り上がれる。みんなこの曲、ほんとに好きだよね! いつも大歓声が上がる。でもほんと、ここでこれを歌いきる西川君、すごいよ。 『Out Of Orbit〜Triple ZERO〜』 「最後だ!」と叫ばれて、すごく驚いた。西川君にまだまだとずっと煽りまくられてて、ガンガンに全力疾走していて、ものすごく短く感じた。あっという間にここまで来てしまった。もう?って感じ。 この歌を、一緒に歌うことができてすごく嬉しい。泣けた。長い道のりを経て、ここまでたどり着いたんだよね。 「元をとれるパーディーはすぐにお開きにゃならない」の時、「そうだろ」と言ったような気がする。そうだよ。その通りさ。 アンコール。すごく長くかかった。でも、みんな頑張ってターボコールし続けた。 後日読んだオフィシャルBBSのなかじーさんの書き込みで、「名古屋二日目。アンコール、昨日よりばててないみたい」とあった。アンコール中、裏で倒れてたのかもしれない。 やっと出てきた時「初日から、これこそアンコールというアンコールだった」と言ってくれた。ほっとした。 野郎チェックでは、すごく力強い雄叫びが返っていた。あんなに姿を見なかったのに、どこにいたんだ? それとも一人一人の気合いがものすごいのか。 この時のだったか、よく覚えてないけど、MC。本当に気持ちよさそうに話していた。 「初日からこんなに気持ちよくていいのかというくらい気持ちいい。これは後の会場、よっぽどがんばらんと、苦労するで」よーし! やった! 「全部の会場の、一人一人と」 「今までと違う、ばっちり決めた名古屋を見せてくれ!」 …テンション低い時も多かったみたいね。 「呼びつけたからには楽しんで行けよ!」 おうともさ! 『呼びつけた』って言葉が、嬉しいなあ。私達の力で引きずり出した、って感じがする。 『HEART OF SWORD』 progressツアーのセンチュリーの時みたいに、ふっと西川君が声を引き、観客の声が歌を引き継いだ。いい感じ。西川君は両手を一杯に広げ、天を仰いで、みんなの歌声を聞いている。会場中から降り注ぐ声を、体中で浴びている。 『VITAL BURNER』 本当に嬉しそう。メンバーと遊んでいる。今回はスナオさんを愛撫するのは無し。「客に見せる為の遊び」じゃなくて、ほんとに楽しくて楽しくて仲間とじゃれちゃってる感じ。プライベートな感じでいい。もう本当にはしゃいでいる。 西川君が右に左に走る。左右の花道の、スポットライトが届かない所まで出てきている。本当は多分、それ以上進んじゃいけない所だったんだろう。精一杯、私たちのそばに来てくれる。 この曲の時だったか、 「いつも近くにいよう!」(ずっと近くにいる、だったかも?) と言ってくれた。今日一番嬉しい言葉だった。『近くに』。西川君は、本当に私達の近くに来てくれている。距離だけでなく、心が。寄り添うほど。嬉しくて嬉しくてたまらない。 退場する時は、ギリギリまで手を振ってくれてたと思う。体が消えても、手だけ見えてた。 当然アンコール2回目。今度もまたすごく長くかかった。でもターボコールはとぎれない。出てきた。本当に嬉しそう。ものすごい大声援。西川君はこんなふうに、怒濤の愛にもみくちゃにされているのがいい。西川君が嬉しそうで、それがまた私を嬉しくさせて。いいよ、いい! 以下、思い出せる言葉。 「マジ最高だったぜ!」 「名古屋、こんなに気持ちいいなら、もっと大きなところでやればよかったかなといつも思うんだけど、でもまだまだ5年10年15年とやっていくんだ。ドームなんて何回でもできるよなあ!」 「こんな方法でしか素直に気持ちを表せない自分の性(さが)を感じている」 そう言って、最後の曲へ。 『LIGHT MY FIRE』 ギターを弾きながら静かに歌い始めた。一部で手拍子が起きたが、西川君が首を振ったら、すぐに止んだ。ああ、ずっと聞きたかったんだよ、西川君のアコースティック。静かに、でも強い思いをこめて響く声とギターの音。あとは静寂。途中で客電がついた。その途端みんな手拍子を始めて。ヘイ! ヘイ!って歌い出した! この息の合い方! 素晴らしいよ! 私も力を振り絞ってジャンプし、拳を振った。 メンバーと手をつないで礼。私達も会場中で手をつないで礼をした。知らない人と、手をつなげる。すてきだ。ファイナルみたいな達成感。 やまない歓声の中、 「これで終わりには絶対にしないから」と言って去っていった。 すぐに客電がついた。三度目のアンコールはできなかった。みんなすぐに席を立って移動を始める。つい、子供のようにだだをこねてしまった。 「やだよう。みんなすぐ立たないでよう。もう一回ターボコールしようよお」 出てくる訳は無いとわかってはいても、もっと一緒にいたいという気持ちを伝えたかった。それ以外は、動きたくもなかった。何も考えず、今の感動に捕らわれていたかった。 でもあの時、既に9時。遠征組は急いで駅に向かわなければいけない時間。切ないのは、席を立たなければならない人達の方だったかもしれない。初日やファイナルのような、遠征組が多いと最初からわかっている公演は、開演時間を早めてくれればいいのに。 私はしばらく身動きもできず、席でふぬけていた。でもスタッフが退場をよびかけていて、のろのろと立ち上がった。私の後ろの列にはPA卓のスタッフがいらした。 『ああ、この人達もみんな、西川君を支えてくれる、大切な仲間なんだ。 大変なスケジュールの中、頑張ってこの初日にこぎつけてくれたんだ。』 そう思うと、ありがたくてたまらなかった。全部のスタッフの方々に、感謝したかった。PA卓に行って、「ありがとうございました」と御礼を言った。そしたら、泣けてきた。友達と抱き合って、声をあげて泣いた。 呆けた状態で、会場を出た。まだ泣けてくる。 本当はアンケートを書くことすらしたくなかったけど、今の気持ちを伝えなければと、震える手で書いた。ライブ中には、凄いと思ったことが色々あったけど、一々思い出せる状態ではなかった。ただ、彼を愛して良かった、こんな人と一緒にいられて良かった、これからも絶対一緒に行く、という気持ちで一杯だった。 帰宅の途につく。なんかもう、こわれていた。たがが外れた感じで、ふわふわしちゃって、人に抱きついたり、大笑いしたり。ほとんど酔っぱらい。そしたら連れが、 「西川君に酔った?」 うわお、いいこと言ってくれる! うん、その通りでしょう。 この友人は私の元々の相方で、3階席だったが、私が空けてしまったスペースは、ヘドバンする彼女と、その隣で激しく暴れる男性軍団に有効に使われたそうだ。よかった。ちなみに3階はあまりの暴れようにユラユラ揺れていたという。 彼女によると、終演直後の私は顔面蒼白で、すごく心配したそうだ。今日の激しい脱力ぶりには、水分不足のせいも多少あったのかも。絶対それだけが理由では無いけど。後でアンティのBBSを見たら、ツアートレーナーのなかじーさんが、水分と食事をちゃんととるように、低血糖に気を付けてと書き込みしていた。一体何のスポーツに参加するんだか、って感じだが、笑い事では無いところがすごい。 今日のライブは、もの凄いとしか言いようのないものだった。 あんなふぬけ状態になったのは初めてだった。泣けた。酔わされていた。地に足が着かない。魂をもってかれてしまった。とてもとても幸せだった。やっと会えた彼に、みんなで最高に熱い思いを送れたことが嬉しい。あの場に居られて、こんな気持ちを味わえて、なんて有り難いことだろう。しかも明日も参加できるなんて、幸せすぎる。子守をしてくれた夫や母に感謝。 ただ、余りに勢いがありすぎて、西川君の新しい音楽に乗り切れてない感じを受ける事も時折あった。でも初日なのだから、それは仕方なかったと思う。むしろそれほどの熱狂で西川君と私達の再びの門出を迎えられて、本当に良かった。会場中、これ以上想像もつかない程燃えていた。みんな西川君の意志に、驚くほど敏感に反応した。少し指先をクイクイっと動かしただけで、「もっと来い!」という意志を読みとって歓声が上がる。私も、どんな小さなそぶりも見逃すものかと集中していた。全霊をかけて西川君に応えることで、私達がどれだけ飢えていたか、その飢えが満たされる歓びがどれほどのものか、叫び訴えていた。会場中が超高圧の思いを西川君に叩きつけていた。そして西川君はそれを真っ向から受けて立ち、叩き返してくれていた。空恐ろしいほど熱い思いがだぎっていた。きっと西川君の魂に、 「私たちは! あなたを! 心底! 愛してるんだよっ!!!」 と、叩き込めたはずだ。 一生の内、こんな熱いライブに参加できるのは希有な事ではないかと、この時は思った。いやでもきっと、すぐにもーっとすごいライブを彼はやっちゃうだろう。そして、西川君と私達の強い結びつきがあれば、困難はあっても、輝くような可能性を勝ち取ることができるはずだと、本気で信じられる。 …きれいごとばっかり言ってるみたいでイヤなんだけど、本当にそう思うんだから仕方ないよね。西川君にはホント、真面目に語るには恥ずかしいようなキラキラした気持ちを、一杯もらってる。心から、ありがとう。 |