PBM用語の懐古的基礎知識
[あ]
『アウトプット』
リアクションがコンピュータ処理によって出力されたもの。
リアクションと同義にみなすこともある。
リアクションを「ぷっと」と略すとオールドタイマー。
『アクション』
PBMにおいては、プレイヤーが自分のPCにおこなわせようとする行動のこと。
たいていプレイヤーの思い通りにいかないもの。
『亜人類』
エルフ、ドワーフなど人間によく似ているが、遺伝子的に別種の存在。ただし、作家・吉岡平の説によると、犬にいろんな種類があるみたいなものだそうだ。
人間との間に数多くの差別問題が発生しても不思議はないのだが、PBM等でそれが描写されることはマレであり、普通は単なる職業や技能と同列に扱われている。
『アラベスク』
ホビーデータが主催する異世界ファンタジーPBMのシリーズ。広がる砂漠と群島が浮かぶ海がメインのアラビアンナイト風の世界を舞台としている。
なぜアラビアンナイトの世界をそのまま使わなかったかは言わぬが華。
さまざまな派生シリーズが誕生している。
『有坂純』
遊演体の設立メンバー。ネットゲーム'88のメインマスター。人によって評価は異なるが、その守備範囲は広く歴史・軍事から鬼畜・パロディまで多彩を極める。
ゲームデザイナー。代表作「黄昏の天使」はクトゥルフRPG日本語サプリメントの代表。ウォーゲーム全盛期には雑誌『TACTICS』でゲームの背景となる歴史の解説記事なども書いていた。
現在は歴史関係の著作を主な活動領域にしている。著作に『世界戦史〜歴史を動かした7つの戦い』(学研M文庫)等。
『イヤボーン効果』
それまで無力と思われていた少年少女などが危機に瀕し、「いやぁっ!」と叫んだらボーンっ!!と爆発し、それをきっかけに超能力にめざめること。
安直な物語の盛り上げ方の代名詞。
『ウォーロック』
すでに休刊したゲームブック専門誌。T&Tやゲームブック関係のフォローを中心におこなっていた。
ゲームブックの隆盛と共に興り、衰退とともに消えた。
『噂』
憶測や推測がいかにももっともらしく伝わり、根拠のない誹謗中傷が大手をふって歩くこと。
「僕の周りではみんなそういっている」が隣のたった1人のあいづちだけだったりするもの。
この用語事典も所詮は“噂のかたまり”にすぎない。
『気をつけよう!らしい、だそうだ、ということだ』
『エーアイスクエア(AIS)』
商業PBMのオフィシャル。大百会のメンバーを中心に設立。
個人プレイでも集団プレイでもそれなりに楽しめるPBMを目立った遅刻もなく運営していたが、ある一時期を境に遅刻等のトラブルが相次ぐようになった。
現在、PBM活動は事実上休止。
代表作は『蒸熱狂走曲』『ホワイト・ウィスパー』。
『映画祭殺人事件』
遊演体主宰の懸賞金付推理PBM。
映画祭が開かれた寒村で起きる連続殺人の謎を解く。
紆余曲折あったものの、最後の謎解きで「確かに本格推理であった」と愕然とした一作。謎解きPBMの完成品。
『エム・ツー(M2)』
商業PBMオフィシャル。オリジナルのPBMとスポンサー付きのタイアップ企画もののPBMを交互に運営し、上手いマスターには小説書きや雑誌ライターの仕事を与えているのが特徴。
リアクションは、キャラが多く登場し全体のストーリーを簡単に紹介する「ドキュメント」と、重要なシーンを少数キャラだけ登場させて描写する「ノベル」の2本立。キャラの功績に応じてポイントを与え、それによって能力をあげたりアイテムを購入するシステムが特徴。
アイテムの共同購入や情報収集などグループ参加者に評判の良い作品が多い。
代表作は『アルダイン』『卒業』『真・女神転生』など。
『オフィシャル』
公式なもの。
PBM界においては、通常、商業PBMの主催会社をさす。
オフィシャルが発行する刊行物は便宜上オフィシャル誌と称する。
『オフイベ』
オフィシャル・イベントの略。
PBMを主宰する団体が会員を集めて親睦をはかったり、ゲームに奥行きを与えようとするイベント。
[か]
『GODDESSレーベル』
商業ベースでアダルト向けPBMを企画。独特のスタンスで多くのファンを集めたグループ。
面白い企画が多かったが、管理運営に難が多く、リアクションの遅刻は月単位・年単位で計った方が良いのが残念。
代表作は『朧月都市』。
『機械処理式PBM』
リアクションがコンピュータによる自動処理で出力されるタイプのPBMを本稿ではこう称する。
かつて「テンプレート方式」として提唱されたもの。幾つかのパターンを事前に用意しておき、PCの能力やアクションの選択などによって組み合わせを変え、名前だけ差し替えてリアクションとして打ち出すもの。
人によっては「なんか無機的でつまらなそう」という声も聞くが、イメージの問題に過ぎない。機械処理でも面白いものは面白い。つまらないイメージがあるとしたら、つまらない作品しか送り出せないクリエイターの責任である。
アクションがコンピュータによる自動処理で出力されるタイプのPBMを本稿ではこう称する。
雑誌の読者参加企画の主流。
『草の根』
同人。または同人の主催するゲームやイベントのことをかつてはこう呼んだ。
今では単に「同人」と呼ぶことが多いが、「草の根」という言葉には参加者の「自分たちがこのジャンルを底辺から支えるんだ」という意気込みが感じられて好きである。
『グランドマスター(GM)』
PBMにおいては複数のアシスタント役のマスターを統轄して、1つの大きな物語をまとめあげる最高責任者。
その性質上、何から何まで1人で采配をふるうスーパーマンか、他人を操ることに長けたものにしか務まらないと言われている。
「グランドマスター」という単語を使わなかったり、グランドマスターの上位に「演出」とか「総括」を置くなどすることも多く、そのPBMの顔という要素は小さくなってきている。
『クレギオン』
主に人類が地球から銀河系全体に広がった時代を舞台にしたスペースオペラ。ホビーデータ社主催のPBMシリーズで全9作に加え、それらのエピソードを再びシナリオとして活用した『クレギオン・エンドレス』がある。
もともとはテーブルトークRPGのシステムであり世界観であり、これを世に広めたいがためにPBMを始めたようなものである
『ゲームグラフィックス』
かつて大日本画報社が発行していたゲーム雑誌。RPGからサバイバルゲーム、ダーツまで幅広い内容を扱った。休刊。
誌上読者参加企画ゲームをもっとも初期に取り入れた雑誌でもあり、その企画『イングリッズ・レース』や『フィクショナル・トルーパーズ』は未だに根強いファンが多い。
『K&J企画』
PBMオフィシャル。
初期のパンフレット等を見ると、本当に同人PBMが雑誌上で参加者を募集しているだけ…くらいにしか見えなかった。
『ゲムル』
遊演体を退社したメンバーを中心に結成された商業PBM会社。95年冬結成。
一般的となった現在のPBMの形式にとらわれず、広くゲームを楽しもうというポリシーが前面に出ていた。業績不振もあってか現在休止中。
代表作は『平成偉人伝ガリレイザー』。
『コアプレイヤー』
将軍とか大臣とかいったPBMにおける重要職を、NPCに任せきりにするのでもなく、誰かPCがゲームの中で頭角を現すのを待つのでもなく、そういった役職のNPCをプレイヤーに持ち回りで担当させるシステムのこと。またはそのプレイヤー。『鋼鉄の虹』において遊演体が採用した。
発想的には『VIPシステム』のベース。
『小泉雅也(コイズミマサヤ)』
遊演体の設立メンバー。「88」では月読神のエピソードを、「蓬莱学園」では研究棟のエピソード等を担当した。
98年には遊演体の社長に就任する。
『鋼鉄の虹』
遊演体の架空戦記ファンタジーPBM。通称“パンツァー・メルヒェン”。
第二次大戦前の欧州を舞台に、2つの小国が人型戦車を使って繰り広げた戦争の顛末を、地上世界と表裏一体で存在する妖精領域での冒険と平行して描いた。
戦闘結果をプレイヤー代表を呼んでシミュレーション・ゲームをプレイさせて決定したり、パートナー・キャラクターを採用したりと意欲的な作品だったが、序盤のシステム混乱でも有名。
『交流誌』
PBMの同人誌においては、ゲームの情報よりその世界、または身内で楽しもうとする目的で出される同人誌を指す。住所名簿も交流誌だし、読み物中心も交流誌。漫画中心もまた然り。
『ごきげんミコちゃん』
主婦と生活社「アップルミステリー」掲載の漫画。神社の娘の小学生がさまざまな事件に巻き込まれる。しのらさとし作。中学生編もあり。
作者が商業PBMにイラストレイターやプレイヤーとしていて参加していたこともあり、PBMなどで見かけたキャラがあちこちに顔を見せ、(ホラー雑誌なので)たいてい不幸な目に遭遇する。「あ、おれがこんなところで無惨に死んでいる!」
『コスモエンジニアリング』
北海道のPBMオフィシャル。テーブルトークRPGも出版しているが、いずれも本業ではなくサイドビジネスだそうだ。
システムの特徴はログ(パスポート)方式を多用すること、幾つかのシナリオをグループ化してその間でシナリオリンクさせること、エントリー時に複数以上の初期シナリオを提示してプレイヤーに選択させること、全国各地でイベントを開催しマスターとプレイヤーの交流を重視していること、会費面での女性や中高生の優遇などである。
関連会社『不動舘』や『テラネッツ』を作り、PBM事業を移管したり引き戻したりしている。
[さ]
『サークル工房山』
同人誌の発行からイベントの主催まで幅広くこなしていた関東のゲームサークル。ネットゲーム88のプレイヤーを中心に結成。
スタッフの就職等を契機に、およそ3年ほどの活動の末に解散するまで、月刊ペースのPBM情報誌刊行から500人規模の宿泊イベントまでこなす行動力は特筆に値する業績を残した。
『サイコマスターズ』
『コスモエンジニアリング』〜『不動館』〜『テラネッツ』のメインとなるPBMシリーズ。
近未来の地球を舞台に、サイボーグやエスパーが登場するSFアクションPBM。
その第1作目においては、たくさん出てくると困る超能力者は、絶対数の少ない女性プレイヤーしか演じられないという画期的なシステムを採用した。
『サイバーパンク』
SFの1形態。人体の機械化(サイボーグ化)が当たり前になった世界を舞台にした小説のこと。あるいは人体の機械化をテーマにした作品。最近ではこれに意識のデータ化が加わることも多い。
単なる「サイボーグ・テーマ」と異なるのは、「パンク」つまり既存の秩序や常識を根底から覆すことに重点が置かれている点。
『シミュレーション・ゲーム』
20世紀初頭からドイツ参謀本部でおこなわれていた机上演習と、古くからヨーロッパで親しまれていた鉛の兵隊を使った戦争ゲームがミックスして生まれたゲーム。実際の資料から過去にあった、もしくはありえた、あるいは将来ありうる戦争についてゲーム盤上に再現し、それを追体験したり、結果の可能性を追求する遊び。
その性質上、歴史(戦争の経緯や当時の世界状勢など)を知った上でプレイするところに醍醐味があったと思われる。しかし急速に普及したため、その部分がなおざりにされてアニメやファンタジーもののシミュレーションがあふれた結果、あっという間に衰退した。アニメやファンタジーなら当時普及し始めていたRPGやパソコンゲームにかなうはずもない。
パソコンの普及とともにコンピューター・ゲームとして生き残る一方、昨今はボードゲームにおいても復活の兆しが見える。
つい「しゅみれーしょん」と言ってしまうと莫迦にされる。
『シミュレーター』
シミュレーション・ゲーム情報誌。ゲームの戦術研究から戦史の背景説明まで豊富な内容を誇った。誤植が多かったことでも有名。廃刊。
後期にはRPG記事も増え、ルールの解説よりはプレイの仕方・楽しみ方を多く伝える記事を掲載した。日本のRPG黎明期を支えた1冊でもある。
読者投稿欄には見た事のある名前がちらほら。
『修行の旅』
PBM『夜桜忍法帖』におけるサイドゲーム。通常のアクションの
代わりに
選択すると、ランダムで他のPCやNPCと対戦し、その勝敗によってキャラクターの能力値があがったり、必殺技を覚えることができるというもの。結果によっては鍵となるアイテムを手に入れたり、交流誌掲載のコミックに登場できた。
しかし能力値だけが上がっても本編のPBMの判定ではほとんど考慮されなかったので、大多数の者にとっては「マスターのための口減らし」という意味しか無かった気がする。私は相手より能力値の高いキャラを敵より多くたくさん揃え、それなりに作戦を練って臨んだ戦いを、「おまえらとは背負っているものが違う」の一言で完敗させられたことを今でも忘れていません。
同様のシステムは『朧月都市』『斬影夜葬曲』などでも採用されている。
『商業PBM』
本稿では、ネットゲームやらメイルトークRPGやら会社毎にバラバラな呼び方をされる、商業ベースで主催されるPBMをこう総称する。
儲かって困っている会社が利益減らしの為に手を出そうとすると、たいてい予定通りうまくいくもの。テーブルトークRPGのサポート手段として、広告宣伝費の延長のつもりで手を出すところもある。
『小説型PBM』
リアクションの結果が主に小説の形式で提示されるものを、本稿ではこう呼ぶ。現在のPBMの主流。
プレイヤーのアクションの判定は、マスターの解釈によって判断されることが多く、その結果がどうして導き出されたか、プレイヤーが納得できないことも多い。
『消費者センター』
劣悪な商品を企業から売りつけられた消費者を救済する、または事前に評価をおこないそれを防ぐための団体。
商業PBMに関するクレームが持ち込まれ評価対応に苦慮したという噂もあった。真相は不明だが、いかにもありそうなことである。
『情報誌』
PBMにおいてプレイヤーが互いの情報交換のためにつくる同人誌のこと。
同人PBMであっても、プレイヤーが盛り上がれば発生することはままある。
『処理システム』
同人PBMの処理システムなど、やっていくうちに変わっていくものである。「ファジー」「アバウト」「カオス」が処理システムの御三家。
商業ゲームにおいてもシステムの変更は頻繁。
『資料』
ありとあらゆるクリエイターが、その制作作業を進行させる上で欠くべからざるもの。
何故か「集めるだけ」になってしまうことが多いもの。
怪しげなアイテムや無用の長物を抱え込むための免罪符。「まあ、この美少女写真集は何!?」「あ、それは資料です」
『水晶の王者』
創刊したての「マル勝PCエンジン」に連載されていた、読者参加PBM。
デザインは遊演体、シナリオは小泉雅也、イラストは中村博文。ユルセルームを舞台に分裂した世界を修復する物語。
これ以後、読者参加PBMが有効な販促アイテムとして認知されるようになった。その効果は、PCエンジンを持っていないのに2冊3冊と買う者が続出したほど。
『推理小説』
もともとは「探偵小説」。戦後の一時期「探偵」という言葉が排斥されたため、ミステリー小説の訳語として「推理小説」が使われるようになり、それが一般的となった。現在では謎解きがストーリーの中心となる「本格推理」はもちろん、「冒険小説」や「犯罪小説」「スリラー」までミステリー小説の仲間と見なされているが、それで何の支障もない。
推理小説的な要素を扱ったPBMは遊演体の『蓬莱学園の冒険!』と『映画祭殺人事件』くらいか。
『数値型PBM』
リアクションが数値によるリスト形式で提示されるPBM。機械処理式PBMの原点。
今では滅多に見られないが、1980年代の終わりくらいまでは、リアクションが数値とアルファベットの羅列でしかないPBMは普通だった。技術も進歩したものである。
『スターウェブ』
宇宙を舞台にした外交・戦略級PBM。12人ほどのプレイヤーが各星系の支配者となり、星々を征服していくというアメリカ製のゲーム。複数のゲームが随時走っており、ときおりベテランゲームなども開催された。長く続いたが、主宰者の変更などがあり、現在運営されているという話は聞かない。
各プレイヤーはそれぞれ「帝国建設者」「宗教家」「美術品収集家」など多数の中からキャラクターを選ぶが、それぞれに勝利条件や特殊能力が違うため、戦闘以外にも同盟や取引など交渉の余地が多かった。
リプライは数値の羅列したアウトプット1枚だけだが、贈賄工作から強行偵察、宗教戦争とさまざまなイベントがプレイヤーの選択により発生する。PBMの原点であり一見の価値あり。
『スチームパンク』
SFの1形態。蒸気機関や歯車やバネを使った細工が異常に発達し、電気による動力機械が発達しなかった世界を舞台にした小説のこと。
もともとはビクトリア朝を舞台に時計仕掛けの人造人間や半魚人が登場する小説『悪魔の機械』の宣伝文句を考える際に、“サイバーパンク”の名前をもじって宣伝したことが始まりらしい。
コンシューマゲーム『サクラ大戦』によって日本でも馴染みが深くなったが、テーブルトークRPGなら「ギア・アンティーク」、PBMなら「蒸熱狂走曲」がその代表。
『スペースオペラ』
広義には、気軽に読める、宇宙を舞台にした冒険活劇のこと。通称スペオペ。
SFの1ジャンル。もともとは西部劇(ホースオペラ)のストーリーをそのまま宇宙にもってきただけのような陳腐で粗製濫造された作品群をさす。
作品自体の出来不出来は別として、「この話なら別に宇宙が舞台でなくても、幕末日本でも中世ヨーロッパでも成立するじゃないか」というような、ストーリーと設定が不可分でない作品はすべてスペオペといえる。
『そして誰もいなくなった』
岡村亮デザインのカードゲーム。遊演体より発売。
連続殺人犯捜しのマーダー・ゲーム。川原由美子のイラストがマニアに受けた。
おまけのライブゲーム・バージョンは凶悪である。単なる「闇はりせん」という噂も。
[た]
『退魔戦記』
コスモエンジニアリング系主催の商業PBMシリーズ。
現代〜近未来を舞台に、復活した妖魔と政府の特殊部隊との戦いを基軸にした物語。
『たかまぁ亭』
サークル工房山主催の宿泊イベント。
PBMプレイヤーによるPBMプレイヤーのためのお泊まりイベントとしてスタート。やがてRPGとPBMのイベントになる。
今はもうないが、毎年のように関東で100人単位のイベントを主催するのは空前絶後。その反面、同人の悲しさで熟練スタッフが入れ替わり抜けていくので、規模の拡大にたいして企画運営のレベルは向上せず、不手際が目だつのが残念であった。同人の可能性と限界を同時に教えてくれた。
『TACTICS』
シミュレーション・ゲーム情報誌。ゲームの追加ルールから戦史の背景説明まで豊富な内容を誇った。
RPG紹介の草分け。やがてRPG記事の比重が増え、RPG関連の部分がRPGマガジンとして分離。本誌は廃刊となった。
『朝朝ジャーナル(チョーチョージャーナル)』
88におけるオフィシャル交流誌。朝日ジャーナルの装丁を真似たリアルさが売りモノで、これを目印にしてみんな駅やデパートに集まったものだ。
おそらく遊演体の交流誌の最高峰。
読み物だけでもかなりのもの。復刻の価値は大いに有ると思う。
『築地俊彦』
作家。代表作は『まぶらほ』。
88にプレイヤーとして参加。後にホビーデータのマスターとなり、グランドマスター職も含め長く勤める。21世紀になって独立。作家業に専念する。
著作がファンタジーPBMのノヴェライズ『ライトセイバーズ』や「ラブコメと魔法」の『まぶらほ』などファンタジーばかりなのでそちらの人かと思いきや、マスター時代の属性はミリタリー。囚人部隊とか収容所などの話で盛り上がっていました。その名残がけっこう人がシリアスに死んでいったり、女性キャラがひどい目に遭うとこなんかにあるかも。
『テーブルトークRPG』
かつては「RPG」といえば言うまでもなく「テーブルトークRPG」のことであったが、コンシューマ・ゲーム機やパソコンのRPGの方が有名かつ一般的となったため、「テーブルトーク〜」と付けて区別するようになった。
みんな買うだけ買ってタンスの肥やしにするもの。
当時のテーブルトークRPGといえば、でっかい箱にペラペラの冊子が1,2冊にサイコロが2つ入って5800円。しかもシステムはバグだらけでアフターケアも無し…。こんなゲームばかり出していては、ジャンルが廃れるのも当然。
『Team root T』
遊演体がインターネット上で展開した実験PBeMの第2弾。現代の横浜を舞台に、犯罪を引き起こす超能力者(タレント)を追いつめるために結成された、少女ばかりのタレント・チーム<ルートT>の活動を描く。
プレイヤーはNPCにたいして捜査の方法を指示する捜査官という設定で、インターネットを媒介に捜査報告を受けたり、NPCと文通や日記による交流をしたりする。とことん不利な状況にプレイヤーを追い込んでいく厳しいシナリオ、ライブ性の強いシステムが特色。
インターネットを単なる郵便の代替品としてではなく、双方向インターフェイスのツールとして活用しきった意欲作。
『手紙』
鮭の放流みたいなもの。すべて返事が来ると思うことなかれ。
eメールの味を知ると滞りがちになるもの。
『テキスト・ファイル』
パソコンなどを利用して書いた文章のうち、倍角、中央寄せ、行間変更などの各ワープロソフト特有の編集処理をおこなっていないもの…と考えれば良い。
Wordしか使わない人の中には「イラストや色文字を使わなければテキストだろ」と思う人も多いが、変換無しで他のプログラムで読めない文書はテキストではありません。Wordのドキュメントファイルは無条件で書式データが挿入されているのでテキスト・データではありません!
[な]
『内容証明郵便』
差し出し内容を郵便局に証明してもらう郵便物の形態。高くて面倒くさい。
さまざまな役所への訴状の提出や裁判書類の提出に用いられる。
プレイヤー同士のトラブルが起こったとき、訴訟になる1歩手前の最後の手段。
『人間ワーパー』
日本各地のイベントに神出鬼没の登場をするPBMゲーマーのこと。
「あれ? あんた一昨日は仙台、昨日は東京のイベントに出てたじゃないか。今日はなんで大阪にいるんだ!」「それを知ってる貴方はなーに?」
インターネット等の情報網が普及していない時代、情報交換が必要なPBMが多い時代に出没した。現在は絶滅の危機に瀕している。
最近はエルスウェアのゲームや無名世界観のイベントにて観測されている。
『ネットゲーム』
ハイパーRPG、ロール・パフォーマンス等のなりもの入りで始まった、郵便を媒介にしたRPG。商業PBMの元祖。
遊演体の主催するPBMの総称。その特性は「常に実験」であり「プレイヤーに他プレイヤーとのコミュニケーションを要求すること」である。
『ネットワークRPG』
ホビーデータ社が主催するPBMの総称。
その特性は「プレイヤーにかける負担は最小限に」「参加したプレイヤーが常に満足できるように」を目標としていることてあり、ネットゲームとは対照的に「プレイヤー同士の交流はあってもよいが、それが必要条件であってはならない」という点に大きな相違があるように思われる。
『野尻ジャーナル』
88における情報誌。野尻抱介主宰。1年間で15冊発行。最大部数は200部。
オフセットという言葉を当時の若いプレイヤーに教えてくれた。表紙をつなぎあわせると1つのマンガになるのがミソ。
最初、オフィシャルのアイテムと信じた人も少なくなかった。
『野尻抱介(ノジリホウスケ)』
SF作家。最近作『太陽の簒奪者』はハードSFの名品。星雲賞なども受賞している。他に著作は『ロケットガール』『ふわふわの泉』など。
コンピュータ・プログラマー時代から同人ゲームを作ったりしていたが、ネットゲーム88にプレイヤーとして参加。同人PBM『ポスタル☆テイル』を経由してホビーデータの設立時にはマスターとして参加。クレギオン#2までマスターを務める。後にクレギオンをノヴェライズして作家デビュー。ホビーデータを退社して作家専業。ハードな設定を楽しく読ませるSF作家として活躍しているが寡作なのが難。
テーマは「宇宙」と「女子高生」との本人談(どちらも“未知なるもの”だとか)。
[は]
『パッチワーク世界』
何らかの理由で時間と空間が混乱し、過去や未来、あるいは我々の歴史では存在しなかったような世界まで、地続きで移動できるようになった世界のこと。小説ではファーマーの「リヴァーワールド」シリーズが有名だが、ベースとしてはボイルの「10月1日では遅すぎる」あたりだろうか。
サムライのいる日本や太平洋戦争期の英国、あるいはロボットが支配する世界まで一度に展開できるので、「超時空世紀オーガス」「クォ・ヴァディス」など商業PBMでも何回か舞台として使われた。
『88マフィア』
88でネットゲームにのめり込み、いまだに足を洗えない人々のこと。なにかにつけ「88の頃は…」と言い出すので、若手プレイヤーにうるさがられる。
プレイヤーからマスターに転進した者も少なくないが、さすがに昨今では数は減っている。なんといってもまだまだPBMだけで食べていくのは難しいから。
『Bローズ』
「ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード」のこと。国産初のテーブルトークRPG「ローズ・トゥ・ロード」の改良発展型。
「88」を開始するにあたり、予想される赤字をこれの売上で補填するという前提で遊演体が設立された。いわばネットゲーム生みの父。
『悲劇のヒロイン』
悲劇的な過去や運命を背負った美少女ないし美女キャラのこと。
マスターがシナリオを盛り上げるために安直に登場させ、プレイヤーから主導権を奪う存在として揶揄されることもあるが、本当はみんな好き。
『ファジー』
「あいまいな」とか「ふわふわ」といった意味で、機械やコンピュータに人間的なあいまいさを盛り込む理論や手法の概念としてもてはやされた。
PBMにおける処理システムの基本。プレイヤーがキャラメイクに3時間かけて、体力が何ポイント、剣技能が幾つと設定しても、マスターの判定時においてそれが厳密に適用されることは希。せいぜい「体力があるか無いか」「どちらが剣が上手か」の参考になる程度。厳密に適用されたと思えるものは少ない。
ある引退した商業マスターによれば「1D6で十分」とのこと。
『ファンタジー』
幻想的な虚構の物語の総称。幻想文学やホラーまで範疇に含まれることもあるが、神話が含まれるかどうかは微妙。本来は「ドリトル先生航海記」も「ジェニーの肖像」も「不思議の国のアリス」も「たつのこ太郎」もファンタジーに分類される。たとえ「剣と魔法の世界」に限定しても、「野蛮人コナン」と「エルリックサーガ」の世界では大違い。
一般的に「神様や怪物が右往左往していて、人間が剣を振り回して暴れ回っている世界を舞台にした小説、コミック、PBM」等をさす。作者の勉強不足をごまかす便利な言葉でもある。
PBMの場合、「RPG風ファンタジー」というのが正解に近いだろう。
『不動舘』
コスモエンジニアリングがPBM専門の子会社として設立。何作かのPBMを主催した。
『プライベ』
プライベート・イベントの略。PBM界では参加者によるオフィシャル以外のイベント全てを指す。
当初は喫茶店やファーストフード店などでおこなっていたが、参加者の増加に伴い公共施設で開催するパターンが主流となった。
初期はただ集まって情報交換するだけのもの。やがてライブRPG形式を取り入れたり、ネクタイ着用のパーティー形式にしたり学会形式にしたり、ついには結婚式プライベまで登場。しかし最近はゲーム会形式がほとんど。
参加者の住み分けが著しい最近では、来たものの、話が通じずに終わるパターンが多い。
『プロ』
プロフェッショナルの略。辞書的には「専門とする人」「それを職業とする人」であり、「それで稼いだお金で食べている人」ということになるが、その定義だとプロのマスターはほとんど存在しなくなる。
ものの本でいうには「その仕事について他の人よりは詳しく、生活がその仕事を中心に回っており、その仕事から逃げない者」だそうだ。どれだけ稼いでいるかというより、精神的な自負心が大切なのかもしれない。
『平成偉人伝ガリレイザー』
ゲムル主催のPBM。1996年作品。PBMにパーティーゲームの要素を取り入れたもの。
プレイヤーは平成の世に出現した偉人としての前世を持つ者となり、誰がより早く完全に覚醒するか競うゲーム。
各人に配布される単語の記されたカードを3枚組み合わせてアクションをかける。カードはイベント等でも配布され、交換も可能。組み合わせたカードにどういう意味を持たせるかはプレイヤー次第。たとえば『銀河』『消滅』『発見』のカードから「1つの銀河系が消滅するのを発見した」とアクションをかけるのも、「発見した銀河を消滅させる」とするのも自由ということ。その他にもライブゲームやパフォーマンスの要素を取り入れたシステムも特徴的だった。
『返信用封筒』
初めての人に手紙を出したり、同人誌購入の問い合わせをするときなどに使用するもの。特に指定されない限り、定形最大の封筒に自分の住所氏名を記入して、料金分の切手を貼ったものをさす。
一旦、文通を始めれば、相手から求められない限り同封する必要はないが、まれに「返信用封筒を同封しないとは無礼です」などと非難されることもある。お互いゲーマー。互角の条件で文通するのなら問題はないはずだが…。
『蓬莱学園の冒険!!』
遊演体が88に続いて送りだしたネットゲーム。南海の孤島の巨大学園を舞台にした冒険RPG。後のS−NET版や小説版等と区別するときは、蓬莱90と称する。
テーブルトークRPGや小説にも進出し、いまだに人気が高い作品。
『蓬莱学園の冒険!!〜インターネット版』
遊演体がシステムとシナリオを用意し、ハドソン主催で運営されたPBeM。蓬莱学園を舞台にした夏から秋にかけての物語。プレイヤーは蓬莱学園の生徒とインターネットを通じて知り合ったという設定で、彼らにアドバイスする形で学園の日々を体験する。
1日1ターンで3ヶ月3000円という低料金。アクションはすべて選択肢から選ぶだけのものでありながら、豊富なリアクションやメーリングリストを使ったプレイヤー同士の情報交換などによって評判は上々だった。
その後「iモード版」に移行するが、システム的には別物。
『没』
PBMにおいては、自分のアクションが採用されないこと。またはキャラクターの出番がないこと。
初期のPBMにおいては、アクションが失敗すればキャラの出番そのものが無かった。最近は顧客サービスの意味で失敗しても「失敗した描写」など最低1カ所の出番を保証するものが主流。
「没」の認識1つでPBMの評価は変わる。没をなくすことによって、プレイヤーが優れたアクションを考えようとする動機の1つまで奪っているのではないか…という不安もある。精進せーよ。
『ホビーデータ』
横浜が拠点のPBMオフィシャル。テーブルトークRPGをデザインしていた同人グループが、同人PBM活動を始めていた遊演体プレイヤーをマスターに取り込んで設立。ネットゲーム88でのプレイヤーの不満を解消させる方向で動き始めた。
業績不振である日突然会社が消えた。まだ進行中であったPBMの幾つかについては、(給料未払の)マスターがボランティアで対応して終了させた。プロがここにいた。
[ま]
『マスタリング』
PBMのマスターが、プレイヤーのアクションを処理すること。
文法的にはおかしいかもしれないが、とにかくこれで通用している。
『マル勝PCエンジン』
PCエンジンのゲーム紹介誌。読者参加ゲームを主催する雑誌のはしり。
「昔、PCエンジンというゲームのハードがあってな…」というところから説明する必要もある昨今。
『みやかわたけし』
ホビーデータのマスター。RPGが国産はおろか、ろくに翻訳もされていなかった頃からの筋金入りのゲーマーでもある。
PBMに関する理論や考察をホームページで講評するなど啓蒙活動にも力を入れていた。その思想に共感できるかどうかは別として、PBMに関の運用その他について、これだけ体系的に多くのレポートやメモを公表している商業PBMのマスターはいなかった。
『名刺サイズ』
ビジネス界においては「優れたアイデア」は、その要点を名刺サイズにおさめられることが条件という。それくらい簡潔に他人に説明できないアイデアはダメという鉄則。
PBMも同様で、本当に優れて面白いアクションは、たいてい名刺の裏にその要旨を書けるものである。書ききれないとしたら、そのアクションはまだ練り込み不足である。
だいたいどこでも別紙参照が認められているが、そんなものは付け足しであることをプレイヤーは忘れてはいけない。
『メイルゲーム』
対戦者同士が自分の行動を、郵便を利用して伝え合うゲームの一形態。古くはチェスの郵便対局からネットゲームまで、すべてメイルゲームである。
別名PBM(プレイ・バイ・メイル)。
滅入るゲームと云われる事もある。
『メイルトークRPG』
コスモエンジニアリング系商業PBMの呼称。
「テーブルトークRPGをプレイする感覚で楽しめる」というのが基本コンセプトということらしい。
[や]
『野猿堂』
岡山が拠点のPBMオフィシャル。
近未来中華戦記「風雲湧起」を主催するも中断。再開のお知らせがあったまま21世紀に突入した。
リアクション等の発送にクロネコメイルを使用。そのためプレイヤーの手元に届くまでの時間に1週間程度の格差が生じた。
『柳川房彦(ヤナガワフサヒコ)』
遊演体『蓬莱学園の冒険!』のグランドマスター。後にエルスウェアを立ち上げる。
架空世界の構築、特に言語方面に力を入れており、『蓬莱学園の冒険!』でも舞台となる宇津帆島方言や地底世界「月光洞」での風習・言語にその一部を見ることができる。
現在は作家活動に重点。新城カズマ名義で『星の、バベル』『屍天使学園は水没せり』『蓬莱学園の魔獣』などを発表している。
『遊演体(ユウエンタイ)』
商業PBMを最初に始めた会社。現在はPBMからは手を引いており、iモードなどで簡易型ゲームの発表をおこなっている。
遊演体の主催する「ネットゲーム」は文字どおり商業PBMの代名詞であり、さまざまな意欲的な試みを取り入れた作品を発表し続けた。
『予定調和』
予定された結末に向かって物事の流れが動いていくこと。物語の王道。
PBMにおいて、マスターが話を自分の最初の構想通りに終わらせるため、プレイヤーの意志やアイデアをねじ曲げたり黙殺すること。
プレイヤーが自分のアクションが通らなかったときに「結局、予定調和なんだ!」と文句を言うことが多いが、実際に楽屋裏を覗いてみれば、マスターが物語の流れが調和しているように見せるために四苦八苦していることが多い。うまくつながなければ「筋道が通っていない。矛盾がある」と批判され、うまくつながれば「予定調和だ!」と避難される。マスターとは辛い仕事である。
[ら]
『ライト・ファンタジー』
ファンタジーのうち、剣や魔法で人々が魔物や怪物と戦うような話で、なおかつ世界設定の細かい部分まではかっちりと創り上げていないもの。設定を変えても違和感無くストーリーをそのまま移し替えられるもの。
設定の構築については、ストーリーの背後に言語、風俗習慣、気候、歴史などの違いが感じられるかが決め手。たとえばエルフやドワーフといった異種族と人間との関係が、単なる得意な技能の違いがあるだけで、人種的対立とか生活習慣・考え方の違いなんかほとんど無いよ…といったらまずライト・ファンタジー。
PBMに登場するファンタジーはほとんどこれ。主な理由は「多数のプレイヤーがライトな方を望むから」。
『リアクション』
プレイヤーのアクションにたいしてマスターが返すリアクションのこと。
リアクションがアウトプットされたもの。
『リプライ』
プレイヤーがアクションを決定し、マスターに提出すること。
提出するアクションのこと。
「リプライ」という言い方をするのは、よほどのオールドタイマーか、遊演体直系のPBMに参加しているプレイヤーであることが多い。普通は素直に「アクション提出」と言う。
『竜創騎兵ドラグーン』
コスモエンジニアリング系のファンタジーPBMシリーズ。アニメ「聖戦士ダンバイン」の世界さながらのワールドが売りもの。
リアクションが全編コミックのみというシナリオを用意したり、スタートセットに全エリア別の初期情報を掲載したりと、現在のコスモエンジニアリング系の基本システムを完成させた作品。
『レターノベル』
M2のPBM処理システムの1つ。数値処理メインによる判定が特色。プレイヤーに選択肢から行動を選ばせ、数値処理によってその成否を判定。そのうちマスターが任意に選択したPCをミニ小説に登場させるというもの。
代表作に『トーキョーNOVA』。
『ローズ・トゥ・ロード』
日本初の本格的ファンタジーTRPG。門倉直人デザイン。日本のゲーム界に与えた影響は大きい。
88参加者の多くは、「“あの”門倉さんがスタッフにいるから参加してみようという気になった」そうである。
『ロールパフォーマンス』
原初のネットゲームが目指したもの。テーブルトークRPGの面白さと、ゲームブックの手軽さに、ライブゲームの興奮を加味した独特のPBM。メイルのやりとりで楽しむゲームブックやテーブルトークRPGや参加者の創ったキャラクターを物語の中に登場させる小説書きの代行業のことではない。
そういう意味では、他社のいかなるPBMとも異なるし、『蓬莱学園の冒険!』以後の遊演体のPBMですら、厳密にはネットゲームではない。
『朧月都市(ろうげつとし)』
GODDESSレーベル主催による、日本初の18禁PBM。
淫魔はびこる魔都TOKYOを舞台に、人間と妖魔の戦いを描く商業PBM。
意外にもしっかりした出来で、なまじいい加減なアクションをかけるとたちまち殺されたり犯されたりするため、プレイヤーも真剣にならざるをえなかった。終盤、マスターの入れ替わりが激しく、進行が狂ったりシナリオの雰囲気が変わったりした悲惨なパートも多かったが、これさえなければ傑作となったはずの作品。
[略号]
『FT(フィクショナルトルーパーズ)』
故GG誌上で大好評を博した読者参加企画の航空戦物PBM。
『MTG』
メイルトークゲームの略。コスモエンジニアリング系PBMのこと。
『PBM』
プレイ・バイ・メイルの略。
メイルゲーム。郵便遊技。
『PC』
プレイヤー・キャラクターの略。PBMにおいてはプレイヤーの操るキャラクターのこと。プレイヤーとの関係は、テーブルトークRPGにおいては“プレイヤーの分身”だが、PBMにおいては“プレイヤーの子供”くらいに考えておいた方がいい。1から10までプレイヤーの思い通りに動きはしないのである。
パートナー・キャラクターの略。『鋼鉄の虹』におけるPCは架空世界に実際に存在している人間であり、プレイヤーとはパートナー関係であるとしていた。
パッセンジャー・キャラクターのこと。
『UfA(ウーファー)』
1946年、WW2に枢軸側が勝利した世界が舞台の仮想近未来物PBM。
遊演体、HDに続いて業界参入のFAX生活情報源編集室が贈る商業PBMの新作…のはずであり、開催されていれば本邦初の架空戦記PBMになるはずだった。
送料負担でパンフだけ申し込ませたまま音信不通になる。噂ではFAX中心で運営するつもりが郵便参加希望者が多く、手直ししているうちに収拾がつかなくなったためらしい。
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