まさに "SONG BOOK" !
スタンダード・ナンバーの教則本
最強のリズムセクションにワクワク。
"THE SONG BOOK" BOOKER ERVIN(ts), TOMMY FLANAGAN(p), RICHARD DAVIS(b), ALAN DAWSON(ds)  1964年2月録音

先日、「JAZZを大音量で聴く会」(JAZZ批評 46.JAZZ雑感 4)を催したのだが、その時に、盛り上がった1枚。
僕自身も懐かしさのあまり頬擦りしそうになったほど。まさに「ソング・ブック」。僕ら、若いときの教則本みたいなレコードだった。因みに、僕らのバンドのオープニングとエンディング・テーマはこのレコードから拾った"OUR LOVE IS HERE TO STAY" だった。何十年ぶりかの対面で懐かしさ一杯の1枚である。

まず、リズムセクションのメンツがすこぶる良い。ベースのリチャード・デビス、ピアノのフラナガン、極めつけはドラムスのアラン・ドーソン。
このリズムセクションなかりせば、この名演は生まれなかった。そういう意味では、テナーのブッカー・アービンも真っ青なのだ。

1曲目がいい。"THE LAMP IS LOW"。強いビートでぐんぐん迫るデビスのベースに小気味の良いフラナガンのピアノ、そして、最高にスウィングするアラン・ドーソンの太鼓。この太鼓の素晴らしさに痺れた!おかずの入れ方も最高!
2曲目がエリントンの名曲 "COME SUNDAY"。 何気ない、しっとりとした曲だけど、コード進行に味がある。
続いて "ALL THE THINGS YOU ARE"。おなじみのスタンダード。ここでは軽快に演奏している。心浮き立つご機嫌な演奏。デビスのベースラインがしっかりと効いている。
"JUST FRIENDS", "YESTERDAYS" と続いて "OUR LOVE IS HERE TO STAY"で締めくくる。どれも聴いて楽しい浮き立つような演奏が嬉しい。気分を爽快にしてくれる。

余談だが、このCDはLPをそのまま焼きなおしたもの。曲数もLPと同じ全6曲。ヘタにボーナストラックで詰まらないテークを追加されるより、余程気が利いていて、好ましい。
僕にとっては普段、あまり聴くことのないワン・ホーン・カルテットの推奨盤。(2002.02.14.)


BOOKER ERVIN

独断的JAZZ批評 51.