コラムタイトル

 

怪鳥音への道(episode 2)

1974年初夏の夕方、6学年上の従兄弟とレコードを聴いて物凄い失望を感じつつ、それを従兄弟に気付かれないように強がっている自分が居た。
聴いていたレコードは『燃えよドラゴン』のサントラLPだ。
話をその日の昼に戻そう。
貯まった小遣いを持ってレコード屋へ行く。
いよいよ憧れの「ブルース・リーのLPレコード」を購入するのだ。
GWに買ってもらった『危機一発』のシングルには「アター!」が入っていなかったので今度は確実に入っているやつを買うんだ。
つまりそれは『燃えよドラゴン』だ。
ラジオで流れまくっているあの曲は「じゃ〜〜〜〜、じゃっじゃっ、ホア〜〜〜」なんだから。
そして『危機一発』のシングルで学んだもう一つのサントラ盤のルール。
「サントラは音楽とセリフで構成されている」だ。
つまり『燃えよ』のサントラLPを買えば「リーの絶叫」が満載だろう、と。
こうして「最初のLP」は(小3にしては)入念なリサーチの元、決定した。
これを買って、得意げに従兄弟のところに行ったのだ。
そして「セリフが一切入らないサントラもある」事を学んだ。