ハンドペアリングについて (2001/09/23) |
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BBSの方に寄せられた質問ですが、クワガタの飼育に於て♀殺し、♂殺しは避けて通れない問題であります。種類あるいは個体差によってもこういった事故の頻度は変化しますが、大切な♀を失いたくない時、あるいは種付けを依頼されたりした時などに確実な方法として 通称 『ハンドペアリング』 という方法が有効になります。
上の写真はアンタエウス(マレー産)の例ですが、他にもシェンクリングや大型のヒラタ系、攻撃性の高いフタマタやギラファなどで試したことがあります。 さてハンドペアリングを行うに当っては、まず間口の広い円形の容器(大き目のブロー容器や洗面器など)に軽くマットを敷いたものを用意します。 ハンドペアリングの目的を思い出して頂ければすぐに判りますが、危険な状況になった時に即レフェリーストップをかけるのが主旨ですから、人間の手首がすっぽり入る直径が必要になります。 ここで意見の分かれるのが♂♀を投入する順番ですが、私の場合ですと先に♂を投入し、少し時間をおいて落ち着かせてから♂の死角に♀を投入します。この時、♂の視野に入ってしまうと更に威嚇し攻撃的になってしまうので注意が必要です。 (カブトの場合、採餌中の♀を先に入れ、♂を背後に乗せてやるだけでOKです) そして♂♀それぞれが容器の内壁に沿って動き始め、偶然(?)にもハチ合せになった時の♂の反応に注意して下さい。まず触角や口吻(舌)をせわしく動かして同種の♀と認識する行動を取ればOKですが、グッと身構えて攻撃態勢に入るようであればすぐさまレフェリーストップ、ノーコンテストにしてください。♀の命がキケンです。 幸運にも双方にその意思があれば、間もなく交尾が始まります。大型種では写真のようにV字型で交尾する場合もありますが、できればマットの代りにコルク板や樹皮などを丸く切って容器の底に敷いてやると、足場が安定して交尾が容易になります。 その後は言うまでもありませんが、♂♀を別々に飼育して産卵に備えてください。 |