ペニンシュラシンフォニックバンド練習2回目(1999/1/27)


さて2回目のペニンシュラ・シンフォニーバンドの練習に行ってきたお話です。

今回は箱入り娘の金メッキのシルキーちゃんを持っていったのですが、きれいな楽器だとみんなに言われました。前回はバックのシルバーを持っていって特に何も言われなかったのですが、さすがシルキーちゃんの威力はすごいです。

今までバックは持ち出し用と家での練習用(もちろんサイレントブラスで近所迷惑にならないようにですが)にしており、こちらに来ても数回だけバックを吹いていました。でもシルキーは9月以来使っていませんでした。

さてシルキーのチューニングスライドを抜いて音出しをしようかと手をかけたのですが、うんともすーとも抜けません。どうやら錆付いて引っ付いてしまったようです。あまり思い切りやると柔なシルキーちゃんのことなので楽器が変形してしまいそうです。

こりゃ楽器屋へ持っていって修理か、今日は練習できないか、と思っているところへ、指揮者の人が現れました。彼はTpを吹く人らしく、いい楽器を持っている、ブランニュー(新品)の様だと誉めて、僕にソロが吹けるか、ちょっと音を出してみろと言い出しました。

スライドが抜けなくて困っているんだと言うと(言ったというよりほとんどジェスチャーのみでしたが)、よし貸してみろ抜いてやると言って手で抜き始めました。でもそう簡単には問屋が卸しません。彼は僕に何か布を貸してくれと言い、楽器拭き用のクロスを使って何度も細かく引っ張るような動作を始めました。 するとしばらくすると少しずつ動き始めました。

という訳でめでたくスライドが動くようになりました。 とここまではめでたかったのですが、次に僕が音を出そうとして吹いてみたところ、音出しをまだしていなかったので、全くぶーとも音が出ませんでした。唇が固まっていて振動せずバジングすらできなかったのです。

もともとブスカスするタイプなのですが、この日は若干緊張していたのか、ぐのねも出ず、最近吹いていないんで、と言い訳をしてごまかすしかありませんでした。でも彼はリラックス、リラックスと言ってくれて、後でまた聞かせてくれと言ってくれました。

それからケースに書いてあるスエアリンジェンさんのサインを見てどうしたんだと聞かれ、NEC府中吹奏楽団用に曲を書いてもらって演奏したことも話しました。 彼はその後指揮台の方へ去って行きました。

そうこうしているうちにチューニングが始まり、軽くコラール集の中から1曲通しました。コラール集はBourne社の42 Chorales for Bandです。

では合奏が始まるかと思いきや、彼は何やら練習の進め方について、前期の反省を踏まえて話を始めました。個人練習をきちんとして合奏に臨んでもらわなければ困る、選曲は同じのを繰り返さないように自分で選んでいるが、観客のことを考えるともっとポピュラーなものにしなければならない、などの様なあくまでも様な ことを言い出しました。

何人かの団員は自分の意見を述べ、クラリネットの女の人は、自分は前回ステージに上がらずに客席で聞いていたが I was really disappointed. だとか何とか言い出して何が悪かったのか、不満に思ったのかよく分からないのですがだんだんまじな雰囲気になっていきました。

そのうちそれならポップスコンサートを年に1回くらいやってもいいんではないか、コンサートの時にアンケートをとってお客さんに住所と名前を書いてもらい、次回にチケットを送ればいいのではないか、チケットはノルマにしてみんな配らなければならない、というようなことを議論していました、という気がしました。

何せネイティブの話はさっぱり聞き取れません。僕の右隣のKenさんも少し発言したのですが、隣で聞いていてもよくわからない始末です。

この指揮者の人はどうやら話が好きみたいで、この調子で30分程議論していました。そのうち痺れを切らしたファゴットの人がLet’s play!と言いだし、やっと合奏に入った次第です。

合奏の方は、前回と同じく次々に曲をこなして行きました。但しポイントポイントは押さえて繰り返しながらです。合奏の指示くらいは聞き取れるかと思っていたのですが、甘かったです。練習記号とスラーやスタッカート、アクセント等は分かるのですが、吹き方や特に曲の説明になるとからきしわかりません。

「20小節目から全員で」を彼は「トゥエンティ・テュッティ」と言うのですが、僕には初め「トゥエンティテュー」に聞え、ああ22小節目からやるのかなどど聞き間違えるありさまです。まあ、とは言っても楽譜は読めるので場所さえ分かれば吹くことが出来ます。

合奏してみて、日本でも昔から国際標準にのっとっているものがあるんだということがわかりました。それは楽譜です。もともと日本語表記の楽譜はないので違和感なくバンドで演奏できます。この点だけは日本の独自仕様を作らないで海外のものをあるがままに受け入れた先人に敬意を表したいと思います。

自分の演奏の方は十分な音出しをしないで合奏に入ったためと音の低すぎるパートを吹いたせいもあって音が良く出ませんでした。下のドやレは唇がこなれていないとタンギングしても唇が反応しません。あまりにも吹いていないのがたたっています。

合奏の途中の休憩時間にまた彼が来て何かソロは吹いたことがあるかと尋ねました。僕はケンタッキーオールドホームのみ吹いたことがあると言いましたが彼はけげんな顔をして話が通じませんでした。 そこでメロディーのさわりをちょっと吹いたのですが、「おお、それはオールドケンタッキーホームだ、知っている」ということになりました。何と僕が曲名をひっくり返して言ってしまっていたのでした。この調子では先が思いやられます。

その曲がいわゆるトランペット協奏曲の類ではないではないというのが分かると、少しこのポジション(3rd)で吹いて、慣れてきたら上のパートに移ってもらうかもしれないと言っていました。

今日はカール氏がまた来ていたのですが、彼も同じようなことを言われていました。カール氏はかなり吹けそうです。彼は確か先週今日はRedwood市のバンドを見に行くと言っていたはずです。そこでなぜ今日来たんだと聞いてみると何か答えてくれましたが、良く分かりませんでした。先週既に聞き間違えていたのでも知れません。

今日の僕のとなりにはまた別の人が座っていて、指揮者の人にどんな感じだ、この位置(3rd)で良いかと尋ねられ、彼はここで良いと答えていました。彼は学生時代にやっていたが社会人になってブランクが長くあったのでとか何とか僕に話してくれました。

というわけで今日は吹くのは散々でしたが、次回から楽しみになってきました。ちゃんと練習をしていつでも音が出るコンディションにしておかねばなりません。

それでは。