アマチュアトーン(2000/7/15)
Rogerによると、学生の頃相当上手かったらしく、中学生の時に高校生の吹奏楽バンドのTpが足りないといって引き抜きで演奏したこともありました。また大学から社会人になった最初の頃は、当時町中でダンスが流行っており、ダンスホールがあちこちにあり、頻繁にダンスパーティが行われていのたので、よくダンスバンドでプロとして演奏していました。
小編成のジャズバンド(Tp、Sax、Dr、Tbなど一人ずつで全体でも10人以下)でもよく演奏しました。その時は基本メロディーのみを決めて、後は各人が持ち回りでアドリブソロを繰り返すというスタイルです。
楽譜なんかはないので自分のフィーリングで勝手に吹く癖がつきました。そのせいか今でもオケや吹奏楽でリズムを厳格に吹くのは苦手なときがあります。リズム音痴と言うよりは思いこんでちょっと違ったリズムを吹いてしまうというパターンです。
また若い頃は速いパッセージや高い音が出ることに興味があったのですが今は綺麗な音を出すことに重きがあります。
彼はよくメローなサウンドという言葉を口にします。深いマウスピースを使ったらメローな音が出るとか、この楽器はよりメローなサウンドがする等です。
メローとは柔らかくて幅があり深い音を意味しているようです。常にメローな音が出せることを心がけています。
僕もペニンスラのバンドではラッパが沢山いて音も合っていないのでつい音色のことは忘れがちになりますが、オーケストラでラッパが1本や2本だけで弦と合わせるとなると、音に対してより神経を使ってブレンドすることを心がけています。
また彼と練習しているときにアドバイスを受けたのですが、音の出だしをもっと気を使った方がよいとのことです。確かに一人で吹くときはサイレントブラスを付けて吹くので細かいニュアンスはわかりにくいし、ついおろそかになります。
彼の観察では、僕の音の出だしはcrackしている、即ちちょっとブリッという音が混じっているのです。自分でもよく聞いてみるとそうなっています。
バックを吹いていた頃、シルキーを試奏したとき、アタックがしやすく少し綺麗になるのに感心した記憶がありますが、シルキーに慣れてしまい、無頓着になるとバックの時と同じ状態になってしまっているようでした。もちろんバックでもきちんと吹けばブリッとはなりませんが、シルキーの方がより楽だというだけのことです。
伸ばしている音はまだ良いが、短い音の場合、アタックで全ての印象が決まるので、もっと注意を払った方が良いということです。彼によると僕はいわゆるアマチュアトーンをたまに出しているそうです。
これを直すには、同じ音で一音一音間隔をあけて、トゥーン、トゥーンと吹いて、アタックがきちっと出来ているか確認するそうです。僕もその場でちょっとやってみましたが、少なくとも短音ではすぐ効果が出ました。
極めて基本的なことですが、アマチュアトーンという言い方とそのアドバイスが新鮮でした。